こんにちは。GANG PARADEのキャ・ノンです。最近暑過ぎて、ホワイトサワーのパピコと桃味のクーリッシュをストックして、そればかり食べて生活しています。かなり終わっていたのですが、先日ナタリーさんがケータリングを用意してくださって、とっても健康的で美味しいご飯をいただくことができました。しかも、昼は和食で夜は洋食と、違うものを用意してくださって大感謝です。メンバー一同テンション上がって、リハとライブ以外の時間、ずっと誰かしらが食べていました(本当に)。

今日はそんな、THEイナズマ戦隊さんとのツーマンライブ『ライブナタリー presents GANG PARADE SAY HELLO!2MAN ~対バンを止めるな!!~』の日のことを書いていこうと思います。

 

運命という言葉は不確かで、ただの希望かもしれない。それでもやっぱり存在はしていて、運命かもって信じることは楽しい。大人になるにつれて、そんなわけないか、と諦めてしまうことが増えてしまった。それでもあの頃は確かに、出会うものひとつひとつに運命を感じて、自分だけが特別なんだって思えていた気がする。歌も、本も、映画も、人も、わたしだけのものだった。

 

わたしがTHEイナズマ戦隊さん(以降:イナ戦さん)に出会ったのは中学生の時だった。とある映画のオーディションに呼ばれて、そのときに歌った課題曲がイナ戦さんの『応援歌』だった。その話が決まったとき、元々イナ戦さんが好きだった父は、部屋のCD棚からアルバムを出して、プレーヤーに入れて聴かせてくれた。フルコーラスを覚えてくるように、と指示があったので、そのオーディションの日が来るまで毎日歌った。今でも完璧に歌えるほど、何度も何度も練習した。

 

オーディション当日。大きな会議室に8人ずつ呼ばれて、目の前には3mほど離れたところに審査員がずらりと並んでいた。ドラマで見るようなオーディション会場に、横には有名な女性俳優の子も並んでいて、無名の自分がここにいていいのかわからなかった。学校の屋上で自殺をしようとする子が『応援歌』を歌って思いとどまる。演じる内容はシンプルだった。ひとりずつ呼ばれて前に出て歌った。自分の順番が来る頃には、涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃになっていた。

 

「自分に嘘をつくことは、人に嘘をつくことと一緒だ」

このオーディションには落ちたが、今でも助監督の方がくれたこの言葉がずっと残っている。そして、わたしにとって『応援歌』は、自分自身に向けて歌う特別なものになった。

 

それからGANG PARADEになって、ナタリーさんのおかげでイナ戦さんとツーマンライブが決まった。そして先日、二度目のツーマンライブを迎えた。間違いなく伝説になることが確約されている日は、なかなか存在しない。本番前からそう思わせてくれるイナ戦さんは、わたしたちにとってスーパーヒーローだ。朝からそわそわして、高揚感で胸がいっぱいだった。

 

リハーサルはギャンパレから始まった。ツーマンライブなので、普段のワンマンライブよりもリハ時間は短い。タイトなスケジュールの中、音の確認や場当たりなどを進めていく。フロアで見てくれている丈弥さんの姿に心が浮き立った。

 

自分たちのリハーサルが終わり、イナ戦さんのリハーサルがはじまる。この時間はわたしたちの特権だ。フロアに降りて、後方の方からメンバーの背中越しにリハーサル見させてもらった。ボロボロと涙を流すココを横目に、ドクは足を広げ過ぎだと丈弥さんに注意されていた。

 

「もしも俺が遊び人だったら ギャンパレちゃんのために明日も生きよう」

『You rock it』という曲の二番で、ギャンパレと遊び人へ向けたこの言葉を聞いたとき、心臓をぎゅって掴まれたような感覚だった。同時に、これを聞いた遊び人はどんな反応をするんだろうか、自然と想像して頭に思い浮かべた(好きじゃん!)。どうしてこの人は欲しい言葉を、求めているもの以上の愛を無条件でくれるのだろうか、不思議で仕方なかった。

 

本番、袖からライブを見させてもらった。『33歳』でフロアの真ん中にお立ち台を置いて歌って、周りでみんなが肩組んで丸くなって一緒に歌っている姿を見た時には、やっぱり敵わないと泣きながら笑ってしまった。かっこいい姿を焼き付けて、負けないように自分たちにできることをやろうと決心した。

 

そしてライブの最後、イナ戦さんの演奏に合わせて2曲歌わせてもらった。1曲目はイナ戦さんの『喜びの歌』、そして2曲目にはイナ戦さんに作っていただいた『ROCKを止めるな!!』を歌った。ライブで歌うたびに、この歌が、遊び人が、ギャンパレが好きだと噛みしめられる。この日はもっと特別だった。イナ戦さんにも、自慢の遊び人のことを見てもらいたかったので嬉しかった。

 

たくさんのエネルギーを吸収して、心がぷるぷると満たされる。眠る前に浮かんでくるのは、イナ戦さんのライブを見る遊び人のいろんな顔と、メンバーの顔だった。明日も生きたい、なんてはっきり思わせてくれるイナ戦さんはやっぱりスーパーヒーローだった。

過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/ca_non_regular/

キャ・ノン

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する13人組アイドルグループGANG PARADEのメンバー。また、「KiSSをあなたにお届けchu!♡」をキャッチコピーに活動するWACK初の王道6人組アイドルグループ『KiSS KiSS』のメンバーの一人でもある。ライブ好きで、苦手なことや、できないことは出来るようになればいいというタフでロックな精神の持ち主。2024年5月31日より自分自身のライブレポートなどを綴った『アイドルリアル備忘録』をSTREAMにて連載中。