「何をしても大丈夫」という懐の深さがあるチームだった
――映画『天使の集まる島』は南国マレーシア・ペナン島の世界遺産の街「ジョージタウン」が舞台ですが、どこを撮っても絵になる街だと感じました。
青木柚(以下、青木) 近接したエリアにヨーロッパっぽい場所や、中華街のような場所など、いろいろな顔があって、一つの島でこんなに楽しんでいいのかというくらいカラフルな街でした。
さとうほなみ(以下、さとう) いろんな国の文化が混ざり合っているんですよね。だから、「私は今どこにいるんだろう」と不思議な気持ちになりましたし、普通に日本人の方ともすれ違うことがありました。
――滞在期間はどのくらいでしたか?
青木 僕は1週間くらいです。
さとう 私は2泊3日でした。あまり時間はなかったのですが、それでも十分楽しめました。
青木 天候が変わりやすい島でもあったので、様子を見ながら、みんなで協力して撮影をしました。
――初めて脚本を読んだときの印象をお聞かせください。
青木 本作は『飛べない天使』の前日譚ですが、かなり前に堀井綾香監督から、「こういう作品の構想があるんだよね」というお話を聞いていたので、ついに形になったのかという気持ちと、こういう出会いがあったのかという純粋な驚きがありました。あと僕とさとうさんは日本語のセリフをしゃべりますが、マレーシア人俳優のジャド・ヒダさんは英語でしゃべって、それを理解している設定で進んでいくのは初めてだったので、刺激的な撮影になりそうだなと感じました。実際にペナン島の街並みを見てみないと分からないところにも面白さを感じました。
さとう 堀井監督の中で、天使はどういう存在なんだろうと考えたときに、『飛べない天使』もそうですが、出てくる天使が自由で、見方によっては自分勝手。でも、ただのわがままにならないというか、それが堀井監督の中で「愛のある天使」なんですよね。どんなに暴れていても、何をしていても、愛の核みたいなのがある。だから、きっと何をしてもいいんだろうなと感じました。また『飛べない天使』の前日譚ということもあって、私が演じるミミは責任重大な役だと思いましたが、「何をしてもいい」と考えたら、早くやりたいという気持ちになりました。
――お二人とも躍動感のある自由な動きが印象的でした。
さとう 二人とも自由担当で、アドリブも交えつつ、かなり好き勝手にやらせてもらいました(笑)。もちろん堀井監督の中で、絶対に欲しいシーンがあって、そこは「こういうことをやってほしい」という指示があったのですが、「あとは何をしても大丈夫」という自由さがありました。リハーサルもやったんですが、話さずとも分かるという感じでしたね。
青木 今回、僕の演じる聡太郎はミミに引っ張ってもらう部分が多くて、ミミの行動を受けての反応が多かったので、さとうさんに助けられました。台本にないアドリブを仕掛けられることもあって、それは大変でしたが(笑)。
――ミミを愛するダニエルを演じたジャドさんとのコミュニケーションはいかがでしたか?
青木 ジャドさんは、とても人当たりのいい人でした。日本語はしゃべれないんですが、日本のカルチャーが大好きな方で、唐突にアニメの声真似をし始めるんですよ。
さとう 「萌え萌えきゅんきゅん」みたいなセリフを、ずっと言ってたよね(笑)。
青木 そういう人柄なので、仲良くなるのに時間はかからなかったです。
さとう 通訳してくれる方もいらっしゃったのですが、その方を介さなくても、ジャドさんは気さくに話しかけてくれるんですよね。待ち時間が二人きりのときもあったんですが、言葉は通じなくても困ることなく意思疎通が取れていました。今回はジャドさんも堀井監督も柚くんも、「何をしても大丈夫」という懐の深さがあるチームでした。