『MEN’S NON-NO』は個々のキャラクターを尊重してくれている
――事務所に所属するときから、モデルと俳優どちらもやりたい気持ちは強かったんですか?
高橋 最初からどちらもやりたかったです。ただ、なかなかモデルになる夢は叶わなくて、『MEN’S NON-NO』のオーディションも何度か落ちていました。専門学校を卒業してから準グランプリを受賞して、念願だった専属モデルに決まって。そこから仕事の幅も広がりました。
――上京してからの2年間、モデルになれないことの焦りはありましたか。
高橋 あまり焦りはなくて、そこは専門学校に通っていたのが大きかったです。手ぶらで来ていたらコロナ禍もあって、なかなか仕事も決まらず、「何しに東京に来たんだろう」と悩んでいたでしょうね。
――『MEN’S NON-NO』はたくさんの実力派俳優を輩出していますし、現役の専属モデルでも売れっ子俳優が何人もいらっしゃいますが、そういう環境はいかがですか。
高橋 特別な環境ですね。映像の世界と近いところがあって、全員が一つのものを同じ志で作るんですよね。撮影の合間に、先輩たちからいろんな話を聞くことができますし、モデルとしてのアドバイスはもちろん、オーディションや演技についてのお話もしてくれるので勉強になります。先輩とはプライベートでも仲良くさせてもらっているんですが、なかなか慣れないですね。
――慣れないというと?
高橋 ずっと憧れていた雑誌だったので、まだミーハー意識があって、先輩に会うたびに「本物だ!」って思うんです(笑)。ファン過ぎて、「こんなことを言ったら失礼なんじゃないか」とか、めちゃめちゃ考えちゃうんですよね。
――『MEN’S NON-NO』の専属モデルは個性的な方が多いですけど、先輩から影響を受けることもありますか。
高橋 先輩の撮影を見たり、お話ししたりしていると、自然と影響も受けます。ただ編集部の方々は個々のキャラクターを尊重してくれているので、モデルとして最低限やらなきゃいけないこと以外は自由にさせてくれて、企画に合った人を撮影に呼んでくれるんです。温かくてアットホームな編集部ですね。
――お芝居を始めた頃と今を比べて、仕事に対する意識の変化みたいなものはありますか。
高橋 実は最近まで、キラキラしたい、有名になりたい、影響力が欲しいみたいな、ありきたりな動機でお仕事をやっていたところがあったのですが、前に事務所の人たちと真剣に今後のことを話し合って。どうして、この仕事をしているのかなど、土台の部分から考える機会があったんです。そのとき、改めて自分と向き合い、今やっと自分の足で立てるようになってきたのかなと。
――お芝居にやりがいは感じていたんですか?
高橋 お芝居自体は好きだったんですけど、以前は必死さや熱量が足りなかったというか、あんまり汗をかいてない感覚がありました。でも今はすごく焦りを感じていて、早く『MEN’S NON-NO』の先輩たちと同じ場所に立たないといけないなと思います。
――お芝居の現場で、『MEN’S NON-NO』の先輩と共演した経験はあるんですか?
高橋 昨年11月に、『薄羽集魚灯』というストレートの舞台で若林拓也さんとご一緒させていただきました。僕と入れ替わりで卒業されたので、初めてお会いしたんですが、やっと先輩と同じステージに立てたのはうれしかったですね。ずっと『MEN’S NON-NO』で見ていた方だったので、緊張して普通に話せなかったですけどね(笑)。
――最後に改めて『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』の見どころをお聞かせください。
高橋 この前、友達と話していたときに、「コロナ禍があって、ドラマも映画も明るめの作品が増えたよね」という話題になって。「ちょっと世間が暗くなっているから、明るい作品で盛り上げようみたいなことがあるのかもね」と話していたんですけど、まさに『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』はそういう作品です。個人的なことで言うと、最近友達が「同性が好き」とカミングアウトしてくれたんですが、そういうことに悩んでいる人にも、たくさん届いてほしいです。もちろんキュンキュンが、この映画の軸なので、目をハートにして見ていただきたいです。映画を見て面白いと感じたら、ぜひ拡散してほしいですね。そういう温かい声が多ければ、パート2にも繋がっていくと思うので、皆さんよろしくお願いいたします(笑)。
Information
映画『タクミくんシリーズ 長い長い物語の始まりの朝。』
Blu-ray・DVD好評発売中!
Blu-ray 初回生産限定版:¥6,800(税込)
DVD 初回生産限定版:¥5,800(税込)
◆初回生産限定版特典(BD・DVD共通)
特典映像:メイキング、舞台挨拶 約100分
(特典映像はDVDディスクの収録になります)
特典音源:オーディオコメンタリー
特典CD オリジナルサウンドトラック、主題歌「0% (movie ver.)」を収録
三方背ケース
◆法人特典
楽天:ブロマイド2枚セット
Amazon:L版ビジュアルシート3枚セット
アニメイト:【アニメイト通販限定】ミニフォト2枚セット
仕様、内容等は変更になる場合がございます。
出演:森下紫温 加藤大悟 中山咲月 高橋璃央 野口友輔 植村颯太 永島龍之介 坪倉康晴 木津つばさ
原作:ごとうしのぶ(『暁を待つまで』『そして春風にささやいて』『長い長い物語の始まりの朝。』/角川ルビー文庫刊)
原作イラスト:おおや和美
主題歌:加藤大悟「0% (movie ver.)」
監督:横井健司
脚本:金杉弘子
製作:「タクミくんシリーズ」製作委員会
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2023 ごとうしのぶ/KADOKAWA・「タクミくんシリーズ」製作委員会
祠堂学院の受験の日、タクミ(葉山託生)は、誰よりもひと際目立つ存在のギイ(崎義一)と廊下ですれ違い、その出で立ちと日本人離れした美貌に目を奪われる。タクミは、人に触れたり触れられることができない人間接触嫌悪症のため入学して間もなくクラスの中で変人扱いされるが、唯一仲良しで寮が同室の片倉利久(野口友輔)のおかげで何とか高校生活を過ごしていた。そんな安穏とした生活も束の間で図書室で3年の麻生圭から校内での「祠探し」のイベントに一緒に参加しようと誘われたり、ギイに好意を持つ高林泉(中山咲月)が親衛隊と共にタクミに難癖をつけくる。高林は、ギイにぞっこんだったが全く自分に振り向いてくれないばかりか変人のタクミを気に掛けていることに気付き、嫉妬してついにタクミを攻撃する事件を起こす。春が訪れ2年生になったタクミとギイは、寮の同室になり二人の距離が一層近くなると高林が更なる行動を起こし、タクミを追い詰めていく。そんな高林の行動に気づいたギイがタクミを助けようとするが……。ここからタクミとギイの煌めきの長い長い物語が始まる。
PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:伊東真美,STYLIST:扇野涼子