初の座長を務める舞台『幕が上がる』では「アイドルとは違う青春を味わえるのが楽しみ」
――2023年11月に初代リーダーを務めたつばきファクトリー、ハロー!プロジェクトを卒業。2024年からは俳優として、舞台出演が相次いでいます。1月上演の舞台「咎人の刻印~レミニセンス~」を皮切りに、約半年で5作品への出演は怒涛のペースですが、混乱はないんですか?
山岸理子(以下、山岸) はい、大丈夫です(笑)。稽古や本番の同時進行もなく、上手に切り替えられています。
――ホッとしました(笑)。勢いはそのままに、8月上演開始の主演舞台「幕が上がる」では演劇部に青春をかける高校生を演じ、初の座長を務めます。
山岸 作品のお話をいただいたときは、生徒役であることしか分からなかったんです。以前に出演した舞台で、共演者の方から「生徒役は演じられるうちに楽しんでおいた方がいい」と言われて、たしかにと思って。座長としてのプレッシャーもありますけど、ももいろクローバーZさんが主演されていた映画版を見たことがありますし、たくさんの方に愛される作品への出演はうれしいです。
――舞台では再演の続く作品で、演劇部の高校生たちが全国大会出場をめざす物語への印象も伺いたいです。
山岸 素直に「青春じゃん!」って。青春時代には部活動に恋愛にと、色々なテーマがあると思うんです。今回の作品では演劇部がテーマで、全員で何かに熱中する物語には憧れます。私は、中学時代はバドミントン部でしたけど、中学2年生でハロプロ研修生へ加入してからは平日の練習しか出られず、レッスンやコンサートがあったので土日の試合には参加できなかったんです。高校時代は部活に入れなかったし、舞台でアイドルとは違う青春を味わえるのが楽しみです。
――演じるさおりは演劇部の部長で、演出として部員を引っ張る生徒です。
山岸 台本を読んで、過去イチのセリフ量だったのでちょっと不安ですけど頑張ります(笑)。さおりは芯がしっかりしている印象で、過去の自分とも似ているんです。さおりが部員を見守るように、私もつばきファクトリーのリーダーとして1人ずつ「こんな子」とメンバーを紹介できるほど、見守ってきた自信があるので。グイグイ引っ張るのではなく、お母さんのように一歩引いて見守っているのも似ていますけど、意見をハッキリ言えるのは憧れますし、舞台では“カッコいいさおり”を見せたいです。
――新たな役づくりにも励み、座長としてのさらなる成長もありそうです。
山岸 舞台によって、色々なタイプの座長さんがいらっしゃいます。例えば、6月に出演した舞台「くちびるに歌を」では、主演の永島聖羅さんが場を和ませてくださったんです。ムードメーカーとして明るくしてくださったし、私もたくさん笑いました。7月に出演した舞台「劇団TEAM-ODAC第43回本公演『ダルマ』」で主演されていた松本幸大さんは、多くを語らずに背中で見せてくださる方で。人それぞれですけど、私はコミュニケーションを大事にしつつ、背中で見せていけるような人になりたいです。