葛藤もあった活動を通しての学び「13歳から24歳までアイドルを続けられてよかった」

――芸能活動の原点も振り返ってもらいたいのですが、卒業公演のスピーチでは「ハロー!プロジェクトのコンサートでバックダンサーをやりたい」として、ハロプロ研修生になったと明かしていました。

山岸 幼い頃からダンススクールに通っていて、アーティストさんのステージで踊るバックダンサーの方々に憧れていたんです。オーディションを受けたいと思って、最初に挑戦したのがハロー!プロジェクトでした。アイドルのすごさを感じるようになったのは、加入してからです。ハロプロ研修生時代に先輩グループ・℃-ute(2017年6月に解散)さんのコンサートへ帯同するにつれて、私も「ハロー!プロジェクトでデビューしたい」という気持ちが強くなりました。

――アイドルとして“のべ11年”を振り返って、何を学びましたか?

山岸 すごく濃い時間を過ごしたんですけど、あっという間でした。じつは、活動中に何度か辞めようと思ったこともあったんです。ハロプロ研修生時代に、同期や後輩のメンバーが次々とグループデビューして、同期グループのこぶしファクトリーができた時期には「もう、新グループもできないだろうな」と思い、マネージャーさんに「辞めます」と伝えて「もうちょっと待ってみない?」と説得されたこともありました。高校時代には全日制の学校に通って、芸能活動との両立で苦労もあったんですけど、あきらめなくてよかったし、13歳から24歳までアイドルを続けられてよかったです。

――つばきファクトリーでは、初代リーダーとしての成長もあったのではないかと思います。

山岸 最初はリーダーとして、何をすればいいのか分からなかったんです。でも、みんなと一緒の時間を過ごして、年齢を重ねるにつれて「1人ひとりに寄り添うタイプのリーダーが、自分には合っている」と気が付きました。メンバーの前に立って引っ張るのではなく、落ち込んでいるメンバーがいたらそばにいられるような。結成初期は、メンバーもみんな若かったので話し合いで好き勝手に言い合い、止められなかった後悔もあったんですけど、結果として自分の成長も感じられましたし、リーダーをまっとうできてうれしかったです。

――アイドルから俳優となって、今なお、仕事に対して変わらぬ思いはありますか?

山岸 ファンのみなさんに恩返しがしたくて。6月23日に開催した卒業後初のファンクラブイベントも、その思いからでした。舞台のお仕事が中心になり、アイドル時代のように顔を向き合わせる機会が減ってしまったので、イベントでは自主的に「お見送り会」も企画したんです。SNSやブログを通して「もっと会いたい」と書いてくださるファンの方もいらっしゃいますし、定期的に会える場所を作っていきたいと思っています。

Information

作品名:舞台「幕が上がる」2024
公演日:2024年8月21日(水)〜25日(日)/東京・シアター1010、2024年9月14日(土)/大阪・箕面市立文化芸能劇場
出演者:山岸理子、夏目愛海、加藤夕夏、七瀬恋彩、寶珠山駿 、湯本亜美、春名真依、竹内麗、神澤直也、 影山ミク、花崎暖、岡村茉奈、相澤瑠香、芳本紗良、宮村大輔、芹沢尚哉 森山栄治、南園みちな、栗山絵美、我膳導、鈴木健介

<あらすじ>
ある地方の高校演劇部を指導することになった女性教師が部員らに全国大会の出場を意識させる。 高い目標を得た部員たちは恋や勉強よりも演劇ひとすじの日々に。 演劇強豪校からの転入生に戸惑い、切磋琢磨して一つの台詞に葛藤する役者と演出家。 彼女たちが到達した最終幕はどんな色模様になるのか。爽快感を呼ぶ少女たちの青春譚。

チケット一般発売は、2024年7月13日(土)10時〜
特典付SS席9,900円、S席8,800円、A席6,600円、B席4,400円 ※未就学児入場不可

公式サイト
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山岸理子

1998年11月24日生まれ。千葉県出身。2012年にハロプロ研修生として、ハロー!プロジェクトへ加入。2015年4月に結成のつばきファクトリーに初期メンバーとして加入し、初代リーダーとしてグループをけん引した。2023年11月に、つばきファクトリー及びハロー!プロジェクトを卒業。2024年からは舞台俳優として相次いで出演を重ね、2024年8月からは主演舞台「幕が上がる」で、自身初の座長を務める。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:SYUHEI KANEKO