役者をやりたいと思ってからは “まさか”の連続 | 立花裕大 「どの世界も必ずやりがいがあって面白い」 INTERVIEW

役者をやりたいと思ってからは “まさか”の連続

――大学進学する時点で役者の道に進もうと決めていたのでしょうか。

立花　映画に携わっていきたいと思った頃から役者を志して、幾つかのドラマにも出演させていただいたんですが、大学進学を考えたときに、映画を学べる大学に行こうと思ったんです。そこで芝居だけではなく、映画に関するいろんなことを学びたいと思いました。僕が進学した大学は多くの映像スタッフさんを輩出しているんですが、どういう手順で映画が作られて、どういうふうに仕上げていくのかに興味があったんです。

――主にどんなことを学んだのでしょうか。

立花　1年生は全員同じ学科で、映画に関する一通りのことを学ぶんですが、そこから撮影に進む人とか、編集する人とか、自分が興味のある分野に分かれていきます。そこで僕は脚本・演出コースに進みました。役者をやりたい気持ちが一番ではあったんですが、映画を作る工程を学ぶことで、いつか自分も制作側をやってみたいという思いもあって。そのコースで、脚本家の方がどういう思いで脚本を書いているのか、演出家の方がどういう考えで演出しているのかを学ぶことができました。そのおかげで役者としての視点も広がりましたし、授業で短い脚本も書いたんですが、今もファンミーティングなどのイベントの中で朗読劇の脚本を自分で書いているので、大学での学びが活きています。

――今後も役者だけではなく、脚本や演出にも携わりたい気持ちはあるんですか。

立花　得手不得手はあるにせよ、携わっていきたいですね。そのために“続ける”ということは大事だと思っています。

――大学卒業後、俳優のお仕事は順調だったのでしょうか。

立花　立花　当時いた事務所ではモデル部所属だったので、CMやカタログなどモデルの仕事が中心だったんです。そのときに映画への思いの強さをアピールしていたら、事務所の方から映像オーディションの話をいただき、深夜ドラマへの出演が決まりました。その後、「天才てれびくんYOU」（NHK）という「天才てれびくん」シリーズのメインMCを決めるオーディションがあって、ちょうど若手の役者をＭＣに起用していた時期だったんです。そのオーディションに参加したら、審査員の方が僕の出演した深夜ドラマを見て下さっていて、たまたまイメージが合ったみたいでメインMCに決まったんですよね。

――３年間という長期間、メインMCを務めました。

立花もともと子どもが大好きだったので、子どもたちと共演するのが本当に楽しくて。歴代MCの中でも、最も子どもたちとの距離感が近かったと思います。

――活動の幅が広いですよね。

立花　中学２年生で映画に出演して、役者をやりたいと思ってからは、自分にとって“まさか”の連続です。まさか深夜ドラマに出ると思っていなかったし、まさか子ども番組のレギュラーをやると思っていなかったし、まさかこれほどたくさんの舞台に出させていただけるなんて思っていなかった。こういう未来は想定していなかったんですが、新しいことに挑戦する度に思うのは、どの世界も必ずやりがいがあって面白いということ。もともと映画を志していた自分が、映像だけではなく舞台にも携わるようになって、いろんなものがごちゃ混ぜになって。その状況が楽しいですし、今後もいろんなジャンルに挑戦していきたいです。

――最後に改めて「Club ドーシャ」の意気込みをお聞かせいただきたいんですが、W主演の田中さんと廣野さんについては、どんな印象をお持ちですか。

立花　涼星は芝居が上手い上に、コメディセンスやギャグセンスも持ち合わせ、アドリブにも強いので、絶大な信頼を寄せています。この舞台は、ドラマ部分はもちろん大事ですが、コメディ的な要素も重要で、お客様に笑ってもらったときに、ぐっと距離感が縮まるんです。そういう意味でも、涼星は最強です。凌大も本当に面白い役者です。台本に書かれているものは必ず想像以上に仕上げてくるし、その上でアドリブにもめちゃくちゃ強い。そんな頼もしくて素敵な二人が初めてW主演としてタッグを組む訳ですから、僕らは楽ですね（笑）。たとえ僕が変化球を投げても、二人がどうにかしてくれるので安心して身を任せることができます。今回も個々のスキルが高くて遊びの要素にも力を発揮するメンツなので、本当に楽しみです。

PHOTOGRAPHER：YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER：TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE：北崎実莉　櫛引桃奈,STYLIST：柴田拡美