山崎まさよしさんの明るくて優しい部分に助けていただいた
──酒井さんが演じる石田友也は、担当編集する年上の三ツ矢歩に惹かれていく役どころです。
酒井 石田からすると、三ツ矢先生は自分の知らなかった世界を教えてくれる師匠みたいなところがあるんです。料理はもちろんだけど、丁寧な暮らしぶりなども含めて。石田が少し弱っていた時期ということもあり、そういう自分にないところに惹かれていったんでしょうね。
──三ツ矢を演じる山崎まさよしさんの印象は?
酒井 大大大先輩なので、お会いするまでは凄く緊張していました。ですが実際の撮影現場では、山崎さんの明るくて優しい部分に本当に助けていただきました。原作だと三ツ矢先生って包み込むような温かさがあるキャラクターなんです。山崎さんの包み込むような温かい表情が、本当に三ツ矢先生の雰囲気そのままだなって。そして、日々の撮影を通じて、最初よりも距離がどんどん近くなったような実感があります。山崎さんが気さくに話しかけてくださったからこその話ですが。本当にありがたかったです。
──ドラマの撮影を振り返ってみて印象に残っている場面は?
石田 やっぱり料理シーンです。それがこのドラマの中心になっていますし。僕自身、”食“というものの奥深さを知ることができました。食事を五感で味わうことでいろんな感情が生まれるし、人とごはんを食べることってコミュニケーションの一環でもあるじゃないですか。それを観ている方に伝えるのは難しいことでもあったんですけど、すごくやりがいを感じました。
──これからドラマを観る人に向けて、注目ポイントを教えてください。
酒井 石田が美味しそうにごはんを食べるところ!あとは石田と三ツ矢先生の関係性が徐々に変化していくところかな。二人で料理を食べるところもそうだし、会話のやりとりも心温まるシーンが多いんです。三ツ矢先生の飼い犬・フリトがめちゃくちゃ可愛いことも、ほっこりとした温かさに輪をかけています(笑)。
──ひそかに特訓したという野球シーンは?
酒井 それを忘れちゃいけませんね(笑)。サッカーばかりやっていた僕の野球姿にも、ぜひ注目していただけたらと思います!
──さて、ここからはご自身のキャリアを少し振り返っていただけたらと思います。先ほどもお話しに出たスーパー戦隊シリーズ『王様戦隊キングオージャー』(テレビ朝日系)に抜擢されたことで、具体的に何が変わりましたか?
酒井 すべてが変わったと思うんですけど、応援してくださる方の幅が広がった気がします。『キングオージャー』も最初はドラマ撮影に集中していたんですけど、途中からファンの方と触れ合うイベントに出るようになったんです。そこで初めて「こんなにも大勢の方たちが応援してくれているんだ」って知ることができたんですよね。反響もすごく大きくて、感激しました。
──イベントに来るのは、ちびっ子とその両親が中心なんですか?
酒井 もちろん、小さい子やそのご両親も僕たちを応援に来てくれていましたし、他にも男女問わず多くの方が来場してくださっていたと思います。僕はちょっと前までサッカーばかりやっている体育会系だったので、自分の置かれる立場に戸惑う瞬間もあったりしました(笑)。
──人生が激変した訳ですからね。
酒井 小さいお子さんも応援に駆けつけてくれて、僕の演じたキャラクターのコスプレをしてくれているのを見ると、ついついこっちまで笑顔になります。
──ファミリー層にもアピールできたのは素晴らしい経験だと思います。
酒井 『キングオージャー』では舞台もやらせていただいたのですが、それも僕の中では貴重な経験となりました。通常の観劇スタイルとは違って、コンサートみたいに声援を送りながら楽しむ舞台なんです。たとえば腕立て伏せする場面では「頑張れーッ!」という声が届きますし。みなさんの熱気を肌で感じることができました。