ばあちゃん役を演じた根岸季衣さんは、ずっと僕を引っ張ってくれた
――神木一家が集まる撮影現場の雰囲気はいかがでしたか。
南出 和気あいあいとしていて、本物の家族のように温かかったです。主演なので気張っていたところもあったんですが、ベテランの方々が上手く場を回してくれて、家族の雰囲気を作り上げてくださったので、とても助かりました。
――ばあちゃん役の根岸季衣さんの印象は?
南出 共演シーンも多いので、ずっと僕を引っ張ってくれて、安心できる最高のばあちゃんでした。
――太極拳は一緒に練習したんですか。
南出 太極拳の先生についていただいて、ずっと一緒に練習していました。根岸さんはバレエをやられていただけあって、動きが滑らかで、最後のほうは横目で根岸さんを見ながらやっていました。僕にとって先生でした。
――則雄とばあちゃんの関係性とシンクロしていたんですね。太極拳をやってみた感想は?
南出 呼吸が大事なんですが、体を動かしているとすっきりするというか。長時間やっていても疲れてヘトヘト、フラフラみたいなのがなくて、気分がスカッとします。
――則雄の同級生で霊感のあるヒロイン・住田を演じた近藤華さんの印象はいかがでしたか。
南出 最終オーディションで一緒にお芝居したのが初対面だったんですが、ミステリアスで雰囲気のある子だなというのが第一印象です。一見すると近づきがたいようなオーラがあるので、「大丈夫かな……。嫌われたりしないかな」と不安だったんですが、お互いにオタク気質というのもあって、すぐに打ち解けられました。僕は趣味程度なので上手くはないんですが、お互いに絵を描くのが好きという共通点もあったので、いろんなお話をしました。
――近藤さんにもインタビューしたのですが、白石監督が「血糊はスタッフの血を薄めて作っている」と言って、それに対して南出さんも深く頷いていたので、信じてしまったと仰っていました。
南出 そんなことを言ってました(笑)。華ちゃんは何でも真剣に聞いてくれるので、白石監督と二人で面白くなって脅かしちゃったんです。
――白石監督の演出はいかがでしたか。
南出 役者の意見を尊重してくださる方で、ご自身のやりたい演出を説明しながら話し合って決めてくれるので、やりやすかったです。僕の良さを引き出しながら、どうすればより良くなるかを真摯に考えてくれて。ザ・監督という感じでとても頼りになりました。
――後半のCGを駆使したバトルシーンは、完成した画をイメージするのが難しかったのではないでしょうか。
南出。難しかったです。触手を太極拳でさばくんですが、アクション部の方と悪戦苦闘しながら作っていきました。完成した作品を観たら、ちゃんと僕の動きに合わせた仕上がりで、スタッフの方々には頭が上がりません!