先輩方の役作りを見て、現場に憧れていたのが、俳優への憧れに変わった

――キャリアについてお伺いします。南出さんは6歳のときにNHK連続テレビ小説『純と愛』でデビューしますが、どういうきっかけで、この世界に入ったんですか。

南出 もともとキッズモデルをやっていたんです。母が、僕と弟に服を着せて写真を撮ってもらうというのが好きで、その延長線上で、僕をしっかりとした子に育てたいという理由で、レッスンを受けさせてみようと子役がメインの芸能事務所に入って。最初の2、3年はキッズモデルの活動だけだったんですが、当時のマネージャーさんから「1回でいいからドラマのオーディションを受けてみないか」と言われて、オーディションを受けたんです。それには落ちてしまったんですが、別の役でやってみないかということで出演したのが『純と愛』でした。

――初めての撮影現場はいかがでしたか。

南出 演技がどうこうよりも、カメラやマイクなどがかっこよく見えて、また現場に来たいと思うようになりました。しばらくは、「また現場に行きたい」という気持ちで、演技をしていましたね。それが変化したきっかけが小学3年生ときに出演したドラマ「ウロボロス-この愛こそ、正義。」(TBS)で。先輩方の役作りを見て、現場に憧れていたのが、俳優への憧れに変わって、ずっと演技をやっていきたいというのが将来の目標になりました。

――今年3月に高校を卒業して、今は芸能活動に専念していますが、意識の変化みたいなのはありましたか。

南出 成人になって、真剣に俳優を職にしていくことを考えていかなきゃいけないので、そういう意味では変わったのかもしれません。ただ演技に対するスタンスみたいなものは、子役事務所から今の事務所に移籍したときから、ずっと考えていて。やっぱり子役の演技と大人の演技は違うので、そこの切り替えというか、演じ分けが難しくて、そこは今も模索中です。たとえば子役らしい元気溌剌!みたいな演技を一回切り捨てたんですが、またそういう役柄を演じることになったときに、捨てるんじゃなくて、ストックしておけばよかったなと感じたことがあって。そこは今後の課題ですね。

――今後チャレンジしたい役柄は何でしょうか?

南出 今回の『サユリ』で言うと悪霊側や、根岸さんが演じたようなファンキーな役柄など、これまでやったことのない役を演じてみたいですね。これまで僕が演じてきたのは、可哀想な役が多かったので、それを覆すような悪役とかに挑戦したいです。

Information

『サユリ』
2024年8月23日(金)より全国公開

南出凌嘉 近藤華
梶原 善 占部房子 きたろう 森田 想 猪股怜生
根岸季衣

監督:白石晃士
原作:押切蓮介「サユリ 完全版」(幻冬舎コミックス刊)
脚本:安里真里 白石晃士

©2024「サユリ」製作委員会/押切蓮介/幻冬舎コミックス

ある日、夢の一戸建てマイホームに引っ越してきた神木家。家族 7 人の幸せな時間も束の間。一人ずつ死んでいく家族、どこかから聞こえる奇怪な笑い声。この家には“何か”がいる……。

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南出凌嘉

2005年8月10日生まれ。大阪府出身。2012年、NHK連続テレビ小説「純と愛」でデビュー。2016年に映画『妖怪ウォッチ 空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン!』で初主演。主な出演作としてドラマ「ウロボロス-この愛こそ、正義。」(TBS)、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(フジテレビ)、「落語元禄落語心中」(NHK)、「姉ちゃんの恋人」(関西テレビ・フジテレビ)、「ひきこもり先生」(NHK)、「泳げ!ニシキゴイ」(日本テレビ)、「やさしい猫」(NHK)、映画『キングダム』(19)、『ザ・ファブル』(19)、『糸』(20)、などがある。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:MASA KAMEDA,STYLIST:KENTARO OKAMOTO