たくさんの現場を経験させてもらう中で、トラブルシューティングの能力も培われた

――今年8月3日には念願だったロッキン(ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024)に初出演、ソロとして、BMSG POSSEとして、2ステージに出演しました。ソロのステージはTHE WILL RABBITSを引き連れてのバンド体制で、途中でマイクトラブルに見舞われますが、バンドとファンが一体となって上手く乗り切りました。

Novel Core  路上時代の経験と、単独公演やオムニバスのイベントも含めて、この数年間でたくさんの現場を経験させてもらう中で、トラブルシューティングの能力も培われたなと思っています。いろいろなトラブルを経験しましたが、その度に焦ってパニックになって、恥ずかしい思いをステージ上でしたからこそ、次は同じことがないようにしようと、どんどん強くなっている実感があります。

――フェスのセトリはどのように決めているんですか。

Novel Core フェスごとに組むんですが、前後のアーティストや、自分たちの真裏で被っている他のステージのアーティストなどを考慮して決めています。たとえば別のステージで他のアーティストが先にやっていて、頭の10分だけ僕たちの出番と被っている。そんなときは、そっちのステージから流れてくるタイミングを狙って、4曲目ぐらいに掴みのいい、通りすがったら人が立ち止まってくれるであろう曲を持ってくるんです。前後のアーティストの種類やファンダムの雰囲気も重要で、こういう曲から始めて、こういう曲で着地したほうが良さそうだなとか、細かく考えながらセットリストを組んでいます。

――対バンイベントとセトリの組み方は違うんですか?

Novel Core 今まで経験した対バンイベントは多くても4組で、1ステージずつ並んでいく構成なので、お客さんが他のステージにはけていくことがない分、フェスよりも自由度が高いんですよね。こういうアーティストと対バンなら、自分たちのどういう側面を見せたいかということを考えて組むこともできるんです。フェスだとNovel Coreのパブリックイメージも含めて、不特定多数に何が刺さるかをちゃんと考えた上でセトリを組まないといけない感覚があります。

――今年はたくさんのフェスに出演していますが、来年以降はどのような展開を考えていますか。

Novel Core 今年はベース作りの年と位置付けていて、フェスに合わせた形態のチェンジみたいなところは来年のテーマになってくるかなと思っています。今年は基本的にバンド・フルセットで出させてもらっている現場が多いんですが、身軽さも含めて、もう少し編成のパターンを増やしたい気持ちがあって。RABBITS全員を連れて行くんじゃなくて、ギターとDJとNovel Core、ドラムとDJとNovel Core、キーボードとDJとNovel Core といった形態を増やしつつ、今年はラップの曲が増えたので、1MC1DJのセットで積極的にヒップホップのフェスに出ていくことも考えています。いつどこで、どの形態で見ても「Novel Coreのライブは 面白かった。また行ってみたい」と思ってもらえる状況を作りたいですね。まだ今年も幾つかのフェスに出演するので、それぞれで学べることを学んで、ちゃんとフィードバックして、来年のパフォーマンスをより良くするために試行錯誤を続けていきます。

――フェスきっかけの出会いも多いのではないでしょうか。

Novel Core 仰る通り、今年はフェスでのリンクアップの機会が多くて。SNSで繋がっていたけど、ご挨拶できていなかった人と実際に会えたこともありましたし、初めましての人が声をかけてくれて仲良くなることもありました。そこから「一緒に何かやろうよ」という話に発展している人も少なくないので、今年作ったベースを良い形で広げて、ポジティブなエネルギーにして、来年以降は横の繋がりも外に見えていくようにしていきたいです。

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Novel Core

東京都出身、23歳。ラッパー、シンガーソングライター。 SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。 高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有する一方で、決してジャンルに縛られることのない特有のスタイルがファンを集め、アルバム作品が各チャートで日本1位を獲得するなど、メジャーデビュー後の短期間で爆発的にその規模を拡大。 Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、来年2月には自身初のアリーナ単独公演が決定するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続ける新世代アーティスト。 ミュージシャンとしての存在感を確かなものにする一方で、FERRAGAMOやETROなど、トップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集めている。

PHOTOGRAPHER:TOSHIMASA TAKEDA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI