竹中直人さんがいるだけで現場が明るくなり、空気も柔らかくなる
――W主演を務めた中村耕一さんと遥海さんは音楽畑の方で、お二人とも今回が演技初挑戦だったそうですが、そうとは思えないぐらい堂々たる演技でした。
岡崎 お二人ともピュアで、返答や反応がすごくリアルなんですよね。作られたものじゃないところが、すごいなと思いました。遥海さんはご一緒するシーンが多かったので、「どうしようかな……」と悩まれているところも見ましたが、本番が始まると堂々としていました。中村さんの演じる“男”は、ボソボソと話す陰のある静かな役柄ですが、歌のシーンでは本当に同一人物かと思うぐらいのギャップがあって。お二人とも歌の爆発力がすごくて圧倒されました。
――これまで竹中さんと共演経験はありましたか?
岡崎 今回が初めましてでした。ハッピー!パッション!という感じで、私が昔から拝見している竹中さんのイメージ通りでした。何が起ころうとも全て笑いに変えてくださるというか、どこにでも面白いが落ちているというか、楽しむ力がものすごく強い素敵な方でした。
――矢吹はシリアスなキャラクターですが、竹中さんはコミカルな役じゃなくてもそういう空気感なんですね。
岡崎 そうですね。現場での竹中さんは笑いの渦でした(笑)。竹中さんの面白さを私の中に取り込むのは難しいことですが、そういう心の余裕を持っておくことは大切だなと思いました。もともとのお人柄もあるでしょうし、経験から培われるものもあると思うんですが、竹中さんがいるだけで現場も明るくなりますし、空気も柔らかくなる。私もそういう人でありたいなと思いました。
――改めて日比監督の演出はいかがでしたか。
岡崎 前作もそうだったんですか、私に迷いなどがあったら聞いてくださって、じゃあどうしようかということも一緒に考えてくださるんです。こうしてほしいと決めつけるのではなく、俳優のやりやすいようにやらせてくださるし、自由な雰囲気があるんですよね。だからこそ中村さんと遥海さんも初演技とは思えないほど自由に演じられて、お二人の良さが出たんだろうなと思います。
――岡崎さん自身、普段はどんな音楽を聴かれるんですか。
岡崎 ジャンルを問わず聴きます。洋楽も好きですし、日本のロックやかわいらしい歌も聴きます。高校生の頃は映画『トップガン』のサントラを聴きながら登校していました(笑)。今は自分で探すというよりは、たまたまの出会いというか。街中で流れている曲でいいなと思ったら聴くことが多いです。
――ライブや音楽フェスに行くことはありますか?
岡崎 ほとんど行ったことがないんですよ。それもあって余計に今回の映画でライブハウスやホールでお二人の歌を聴けて新鮮でしたし、プライベートでも行ってみたいなと興味が湧きました。
――ライブで見てみたいアーティストはいますか?
岡崎 最近ですと「マウンテンドクター」の主題歌「Sharon」を歌われたヒゲダン(Official髭男dism)さん、ちょっと前だと「オールドルーキー」の主題歌「雨燦々」を歌われたKing Gnuさんと、自分が出演したドラマや映画の音楽に携わったアーティストの方々を見てみたいです。ライブでドラマの歌が流れたら感動するでしょうね。