実際に映像制作会社の編集室を借りて撮影

――映画初主演となる『この動画は再生できません THE MOVIE』が大ヒット中ですが、もともと深夜枠のドラマ「この動画は再生できません」で、2022年に第1シリーズ、2023年に第2シリーズが放送されました。初めて企画を聞いたときはどう思いましたか。

加賀 翔(以下、加賀) 第1シリーズのときはスケジュールを二日間だけおさえられて、「この二日間で全4話を撮り切ります」と言われたんです。一体どうするつもりなんだろうと。そんなことが可能なのかと思って撮影現場に行ったら、謎解き物というか。動画から推理して、事件の背景を探る作業だから、これはラッキーと思いました。

――ラッキーと言うと?

加賀 自分では絶対に思いつかない発想でしたし、人の考えた面白いものに乗っからせてもらうのはありがたかったです。まさか映画化なんて大きいことになるとは思わなかったですけど……。

――動画パートにお二人は出演していないから、二日間という撮影日数で撮り切ることが可能だったんですね。

加賀 僕たちは編集室の1室だけで終わりますから、あっという間でした。

賀屋壮也(以下、賀屋) 非常にコンパクトな撮影でした。

加賀 普通のドラマだったら信じられないことなんですが、実際に映像制作会社の編集室を借りて撮影したんです。僕らが撮影している横で、普通に社員の方が働いていて。会社の一角を借りてやったとは思えない作品の広がり方に驚いています。

賀屋 控え室のスペースもなくて、普通に皆さんが業務されている横のデスクを借りて、着替えさせてもらったり、休憩したりしていました。皆さん普通に業務を進められているので、デスクの引き出しに入っている備品などを取りに来られるんです。

――動画編集はお二人も身近なことだと思います。

加賀 めっちゃ勉強になりました。今回の映画でいえば、劇中でアキラ100%さんと桃月なしこさんがロケをされている映像を編集するんですが、「ここはインサートを入れて、コメントをちょっと入れとけばいっか」という編集の方のセリフがあって、そういう風に見られているんだと。「ここ使える」「ここ使えない」は、そんなにシビアなんだというのが分かって、もっと自分たちもロケのときはコンパクトにしようと。ちゃんと普段のバラエティーで、映画での経験を還元しています(笑)。

――普段から編集点などは気にしますか。

賀屋 僕は気にする余裕すらないですね(笑)。

――ドラマの反響はいかがでしたか?

加賀 かが屋を知らない方が見てくれているなと感じることが多かったですね。例えばTikTokに僕らの映像が流れていると、そのコメントに「『この動画は再生できません』の人だ」と書かれていて、ドラマで認知してくれているんですよね。そんなときに、お笑いファン以外にも広がったなと実感します。