曽野舜太はしっかりしていて、かわいらしさもある
――ファイブカラーズのキャスティングが決まったのはギリギリだったんですか?
和田 そうですね。ギリギリまで5人のバランスを見ていたそうです。
――共演経験のある方もいますよね。
和田 (前嶋)曜と(櫻井)圭登の二人は共演経験があって、同じ板の上にいたことはあるんですが、がっつり絡んだことはなかったので、ほぼ初めましてでした。
――すぐに馴染めましたか?
和田 みんないい奴ですし、5人で集まって一気に撮影することが多かったので、仲良くなるのは早かったですね。
――5人の掛け合いが絶妙で、チームワークの良さが伝わってきました。
和田 僕が一番年上というのもあって、遠慮なく意見を言いましたし、4人もそれぞれの気持ちを伝えてくれたので、ストレスなく芝居をすることができました。
――第一話から赤城と関係性の深い白石和彦を演じた曽野さんの印象はいかがでしたか。
和田 5人の中で最年少なんですが、もともと持っているものなのか、いろいろな現場を経験しているからなのか、しっかりしているんですよね。ちゃんと周りを見て、空気を読んでやっているのが伝わってくるし、頭が良いなと。それでいてボケるし、かわいらしさもあって、バランスが素晴らしいです。それが白石のキャラクターにも合っていました。
――黒魔術の儀式を行う場所はスタジオですか?
和田 もともと市役所だったところを、美術さんがあの雰囲気に作り込んでくださったんです。窓も扉も締めきって撮影をしていたので、あの空間にいると時間の感覚もなくなるんですよ。撮影後半になっていくと、その影響もあって、みんながどんどん疲弊していって。それが作品にもマッチしていたなと感じます。
――建物内を縦横無尽に駆け回りますが、5人の動きがスムーズでした。
和田 ひけらかすわけではないんですが、段取りを覚える早さ、空間把握能力などは、舞台を中心にやっている奴らって強いんだなって改めて思いました。今回は役者がカメラも回しているので、ちゃんとポジション取りを考えてあげることが必要でした。シーンの中心になる人物を起点に動かないといけないんですが、その段取りも一発で覚えるんですよね。スタッフさんたちも「普通はすぐにできないよ」と仰っていたので、そこは舞台経験の多い役者の強みだなと。
――先ほど、撮影初日に飯田監督は「映像と舞台の芝居を分けて欲しいのかな」と感じたと仰っていましたが、その辺はいかがでしたか。
和田 最初は飯田監督が何を大事にしたいのか掴み切れない部分があったんです。初日に撮影したのが赤城と白石がカフェで話すシーンで、そのときは感情を出し過ぎないというような指示で。おそらく飯田監督は、僕らに対して舞台のイメージが強かったと思うんです。ちょっとでも僕らがギアを上げるとオーバーになってしまうという印象があったんでしょうね。ただ黒魔術をやる場所のシーンでは、「もっとやってほしい」という指示があって。さっきは「小さく」だったのが、ここでは「大きく」だから、リアルなのかオーバーなのかどっちなんだろうと。みんなアジャストするまで戸惑っていた印象です。そこは飯田監督と話し合って、徐々に合わせていきました。
――普段と配信中ではテンション感も違いますし、多方向からカメラを向けられているので、そこのバランスは難しいですよね。
和田 カメラが回ったときのギアの上げ方もそれぞれですからね。捉えるカメラによって画も違いますし、そのリアルさみたいなものを、飯田監督は求めていたのかもしれません。最終的にジャッジするのは飯田監督なので、それを信じて演じました。