自分にとっての一番の武器はファンの方々

――アイドルらしいキュートなカットもあれば、大人の色香を感じさせるセクシーなカットもあって、いろいろな表情が見られる写真集ですよね。

岸 私がリクエストさせていただいた中で、絶対にやりたかったのが、横が大胆に開いた衣装で。見えるか見えないかのギリギリで、私の中では一番頑張るラインで。初日の最初に撮ったカットだったんですが、下品にならないように、めちゃめちゃ角度にもこだわりました。

――完成した写真集を見たときの感想をお聞かせください。

岸 写真集は簡単にたどり着いたことではなくて、雑誌のグラビアに出たい、グループ全員で表紙をやりたい、ソロで表紙を飾りたいと、ファンの方と一緒に一つずつ夢を叶えていったからこその結果なんですよね。だから、すごく感慨深かったですし、アイドルのうちに写真集を出せたというのもうれしくて。自分にとってもだけど、買っていただいたみんなにとっても宝物になったらいいなと思いました。

――写真集に収められたインタビューでは、赤裸々に過去のことを語っています。初出しの情報も多かったのではないでしょうか。

岸 いつも応援してくださっている方も知らないようなことを話しましたし、これを読んだら私の全てを知ることができると思います。

――AKB48の16期生オーディションに参加して、仮研究生になったことも初めて知りました。もともとアイドルが好きだったんですか。

岸 それが全くアイドルに興味がなかったんです。私は中学受験に合格して、中高一貫校に通っていたんです。新しいことに挑戦しようとオーディションを受けたら合格して、レッスンを受けていたんですが、厳しい学校だったので、芸能活動禁止だったんですよね。それでAKB48さんの活動は辞退させていただいたんですが、特別な経験をさせていただいたので、それが後に本格的な芸能活動を始めるきっかけになりました。

――もともと人前に出るのは得意なほうだったんですか。

岸 それが、これを言うと驚かれるんですが、人前で話すのは苦手でしたし、すごく人見知りでした。今とは真逆のイメージだったと思います。事務所に入った当初も、初めて先輩のお手伝いをさせていただいたときに、マネージャーさんから「自己紹介をして」と言われて、みんなの前で緊張して名前が言えなかったんです。それがトラウマで、家に帰っても悔し過ぎて大号泣して……。そんな私が今アイドルをやっているなんて、当時からしたら考えられないけど、自分のことを好きになってくださった皆さんが、私を変えてくれたんだなと。改めて自分にとっての一番の武器はファンの方々だなと思うんですよね。

――ある雑誌の連載で、先ほどお名前が出た川崎あやさんと、デビュー当時の岸さんに対談してもらった記事の取材を担当させていただいたんですが、岸さんがガチガチに緊張していたのを覚えています。

岸 私も覚えています!2回目ぐらいの撮影で、まだバイトをしながら芸能活動をしていた時期です。「あやさんと一緒のお仕事だよ」と言われたときは、「どうしよう……」ってドキドキだったんですが、事前にあやさんの写真集を見て、ポージングや表情の勉強をして。取材当日も、間近であやさんの撮影を見て参考にしました。

――先輩方と普通にコミュニケーションが取れるようになるまで時間がかかったんですか。

岸 めちゃめちゃかかりました。今でも初対面の方とは緊張しますし、今年3月に#ババババンビに新メンバー3人が入ってくれたんですが、最初は上手く話せなくて……。結成からいるバンビの先輩として教えられる部分を伝えていくうちに、徐々に打ち解けて。3人ともいい子たちなので、今では仲良く話しています。まあ、いい感じにいじられていますけどね(笑)。

――もともと、いじられキャラなんですか。

岸 小学校のときから、いじられる側でした(笑)。おそらくツッコミどころ満載なんでしょうね。私としては、もっと後輩にいじってほしいです!

――バンビの結成が2020年と、もう4年経ちます。もともとアイドルに興味がなかったと仰っていましたが、グループ活動を通して変化した部分はありますか。

岸 バンビは卒業したメンバーも含めて、もともとアイドル経験が豊富な子だったり、アイドルオタクの子だったりが多いので、その中でアイドルについて分からない自分が一緒にやっていいんだろうかと、結成当時は悩みでもあったんです。でもライブやイベントなどを通して、たくさん勉強して。今では自分で言うのもなんですが、アイドルが天職だなと思います。