いろんな困難を乗り越えて今の#ババババンビがある
――そんなバンビも今年3月14日に日本武道館でワンマンライブ「馬鹿騒ぎ天下統一’24」を開催しました。
岸 そもそも最初はマネージャーさんから、「先輩のお手伝いでちょろっとステージに出て、身振り手振りだけでいいから踊って」みたいなところから始まって。いわば騙されて始まったんです(笑)。でも今では自分が本気でやりたいことを見つけられたし、ファンの方々にも出会えたから、騙されてよかったなと思います。
――バンビ結成の時点で、芸能の道でやっていこうという覚悟はできていたんですか。
岸 当時は専門学校にも通っていたんですが、アイドル一本で頑張りたいと判断したときに、両立するのは性格的に無理だなと思ったんです。それで芸能の世界を選んで覚悟を決めたんですが、その矢先にコロナ禍の影響でデビューライブが中止になったんですよね。このまま活動自体がフェードアウトしてしまうんじゃないかと不安になりましたし、親にもすごく心配をかけてしまったなって思います。だけど改めてデビューライブをやり直すことができて、バンビは試練がめちゃめちゃ多かったんですが、いろんな困難を乗り越えて今があると思います。
――初期はソロのお仕事も少なかったそうですね。
岸 マネージャーさんから、「お前は武器もないし、どうやって売り出したらいいか分からない」と言われていたんです。もう悔しくて毎日のように泣いていましたし、そもそも身長が小さいのもコンプレックスで。145cmだとオーディションすら受けられないこともあるんですよ。グラビアの面談に行っても、「この身長だと難しいですね」と言われたこともたくさんあって。帰り道の途中に、マネージャーと泣きながらカレーを食べたことを今思い出しました(笑)。
――そういうときはマネージャーさんも励ましてくれるんですか。
岸 はい。厳しいことを言ってくださったのも、愛のあるムチなんですよね。実際、武器がなかったのも本当だったし。なかなかお仕事がもらえない時期に、歌っている動画をTwitterに上げたら、たまたま運営の方が目にしてくださって。「岸みゆアイドルいけんじゃね?」みたいな流れになったらしくて、バンビを作るきっかけの一つになったんです。
――何がきっかけになるか分からないですね。
岸 一緒にやるメンバーと初めて顔合わせをしたときに、私って今まで何か頑張れたことがあったのかなと考えたんです。環境に馴染めなくて途中で高校に行けなくなったり、引きこもりになっちゃった時期もあったりして。初めて心から頑張ってみようと思ったのがバンビだったんですよね。
――小柄であることのコンプレックスは徐々に解消されたのでしょうか。
岸 いまだに自分では長所と言い切れないんですが、そこを愛してくださる皆さんもいるから、自分自身も好きでありたいと思うようになりましたし、逆にそれを武器に変えられたらいいんじゃないかなと。現実的に難しいこともあるけど、今は「この身長だと難しいですね」と言われたとしても、心が折れることはなくなりました。応援してくださる皆さんがいるので、メンタルも強くなりましたね。
――個人のお仕事としては、お芝居にも力を入れていきたいそうですね。
岸 去年、「宇宙よりも遠い場所」という作品で初舞台を経験させていただいて、それまでがっつりお芝居をした経験がなくて、台本を手にするのも初めてで、戸惑いもありました。でも共演者の方々が協力してくださったおかげで、普段のグループ活動とは違った貴重な経験を得られることができて。そのときに得たものをグループに持ち帰ることができました。自分は常にグループとしての目標と個人としての目標どちらも持っているのですが、また演技のお仕事ができたらうれしいですし、他にもいろんなことに挑戦していきたいです。
――最後にグループとしての目標をお聞かせください。
岸 新体制になったばかりで、まだ今のメンバーで何かを成し遂げたことがないから、まずは大きい会場でのワンマンライブを実現させたいです。もちろんメンバー同士は仲良くなっているんですが、新しくバンビを知ってくださった方との絆は、そういうことを通して深まっていくんですよね。
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PHOTOGRAPHER:YU TOMONO,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI