こんにちは。GANG PARADE/KiSS KiSSのキャ・ノンです。先日とあるライブを見に行きまして、それがめちゃめちゃたのしくて大元気になりました。見に行ったライブの話はまた今度、ラジオで話そうかなと思うのでよかったら『キャ・ノンのESCAPE!』という番組をinter FMさんでやらせていただいているので、聞いてもらえたらうれしいです。
本当に良くて楽しくてですね、ライブへのモチベーションが上がりまして、今はもっとたくさんのライブを見に行きたい気持ちでいっぱいで、ライブ行きたいなと思うアーティストの方のスケジュールを眺める日々です。2025年は”もっと積極的にライブに行く”というのを目標にしようと思いました。もちろん、自分がライブする側のモチベーションも爆上がりしてます。でもやっぱり、見る側とやる側はまったくちがうなと思ったり、やっぱりわたしはどちらからもライブが好きだと実感したりしたので、今日は自分が見る側の視点のライブについて書いてみようと思います。写真は自分がライブに行ったときのものを探してみたのですが、あんまりなかったですすみません。

 

ヘッドフォンから流れる音楽。今日という日は、シャッフルで再生するのをやめて、たったひとつのアルバムをひたすら聴く。ライブに行く日は決まってそうしているのだ。

まるで遠足の日を心待ちにしている小学生のように、ひっそりと興奮状態の夜を過ごしては、もう大人だから五百円までに抑える必要のないおやつを買って、コーラといっしょに流し込む。いくらの食べ物を買っても、寝る前に何を飲んでも、もう誰にも怒られない。それから好きなだけ起きて、好きな時間に眠る。大人には大人の良さがあって最高だ。

そして朝起きた時から、すでに今日のライブははじまっている。ベッドから起きるのも、階段を降りるのも、朝食を食べるのも、歯を磨くのも、すべてに音符がついてくるような、そわそわした気分になる。近くはない駅までの道のりも、コンビニのレジ待ちの行列も、いつもより苦じゃなくなる。

仕事が終われば、急いで駅まで早歩きをする。電車に揺られ、外の景色はぐるぐると流れていた。ノイズキャンセリングされた耳には、彼らの歌声と演奏以外入ってこない。なかなか空かない席に、誰もいない優先席。座りたいようで、座りたくない。左手でつり革をつかんで、右手で携帯を持ち、表示されている歌詞の文字を目で追いかけた。

同じ目的地に向かう人はなぜだかすぐにわかる。冷静を装った大人たちが、内心はち切れそうなほどドキドキしているのだ。開演ぎりぎりで到着すると、会場はほとんど埋まっていた。みんなお酒を飲んだり、ライブがはじまるのを今か今かと楽しみに待っている。わたしもその中のひとりになって、照明が落ちる瞬間を待ち侘びた。

恋人同士、友達同士、一人、家族、まったく関わりのない色んな人間がひとつの場所に集まっている。ここを出れば、争い合うものもいるかもしれない。きらいな奴も、嫌な上司とかも、もしかしたら来ているかもしれない。それでもみんな、同じ音楽を聴きに来る。ライブがはじまるとその瞬間、わたしたちはひとつの生き物になる。耳が壊れそうなほどの大きな音が容赦なく溢れる。わざとスピーカーの真横に行って、音を浴びるのも気持ちがいい。聴き慣れた音楽を、今目の前で本物が歌ってくれている。そのためにライブに行くのだ。へんてこな踊りをして友達と笑い合ったり、モッシュに巻き込まれてみたり、わたしはやっぱりライブが好きだと思った。

ライブが終わり、会場を出れば外は真っ暗で寒かった。感想を語り合うのはなんとなく野暮な気がして、たのしかったねとだけ言って別れる。そして数ヶ月後にやっぱりこの曲いいよねなんて、メッセージを送り合うのだ。『生きがい』という言葉はなんとなく大袈裟な気もするが、わたしにとってライブは人生の中で楽しみのひとつだ。次のライブのために生きてみようと思えたりする。だから自分たちのライブも、誰かにとってそんな存在でありたいと、そうあれるようになりたいと思うのだ。

過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/ca_non_regular/

キャ・ノン

「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する12人組アイドルグループGANG PARADEのメンバー。また、「KiSSをあなたにお届けchu!♡」をキャッチコピーに活動するWACK初の王道5人組アイドルグループ『KiSS KiSS』のメンバーの一人でもある。ライブ好きで、苦手なことや、できないことは出来るようになればいいというタフでロックな精神の持ち主。2024年5月31日より自分自身のライブレポートなどを綴った『アイドルリアル備忘録』をSTREAMにて連載中。