俳優デビュー作で監督に言われた言葉を今でも大切にしている

――キャリアについてお伺いします。この仕事を始めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

南 小さい頃から俳優さんになりたくて、それを周りに言っていたら、叔父が「nicolaモデルオーディション」を見つけてきてくれたんです。もともと『nicola』は大好きでしたし、それで受けようと決心しました。


――どうして俳優に憧れたんですか?

南 小さい頃から、ずっと違う誰かにになりたいと思っていたので、そういうことを仕事にしている俳優さんはかっこいいなと思っていました。

――もともと人前に出るのは得意なほうだったんですか?

南 すごく苦手でした。一人でおままごとをして遊んだり、想像して遊ぶことが好きな子どもでしたね。だから私が俳優になったとき、周りの友達は驚いていました。

――オーディションでグランプリを受賞して、『nicola』の専属モデル「ニコモ」を務めますが、モデルというお仕事はいかがでしたか?

南 写真を撮られるのはあまり好きじゃないんですけど……(笑)。『nicola』の現場はすごく楽しかったです。

――専属モデルを始めて間もない頃から演技レッスンは受けていたんですか?

南 受けていました。当時はお芝居について何も分かっていなかったので、自分が向いているかどうかも分かりませんでした。

――2017年公開の映画『幼な子われらに生まれ』で俳優デビューしますが、この時のオーディションは覚えていますか?

南 覚えています。事前に短い台本を渡されて、それを読んでどう思ったかのかを監督と1時間くらい話してから、ようやくお芝居に入ったので、すごく長かったという記憶があります(笑)。

――その翌年には映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』で初主演を務めますがプレッシャーは感じましたか?

南 昔からプレッシャーはあまり感じないんですよね。

――初主演でも感じないのはすごいですね。しかも、『志乃ちゃんは~』で数々の映画賞を受賞して注目を集めます。ターニングポイントになった作品は何でしょうか?

南 先ほどお話に出た『幼な子われらに生まれ』は、今でも強く印象に残っています。初めて撮影現場に入って、どうお芝居したらいいのか分からなかったんですけど、三島有紀子監督から「お芝居しようとしなくていいよ」と言っていただけて。「相手からもらったものに対して、役を通して思ったことや感じたことをそのまま表現しなさい」と言っていただけたのが印象的で、その言葉は今でも大切にしています。

――いつぐらいから、俳優でやっていうという意志を固められましたか?

南 小さい頃から「絶対俳優になる!」と思っていたので、他の選択肢はあまり考えたことがなかったですね。