20キロ近くある防火服を着ての演技は過酷だった
――1話から消防士として災害現場で活躍するシーンもありましたが、慣れない動きで大変だったのではないでしょうか。
酒井 撮影現場には過去に消防指令部にいらっしゃった方が常についてくださっていて、こういうときはこんな動きをするとか、どれぐらいの時間で防火服を着なきゃいけないとか教えてくださるんですが、初めて知ることばかりで。そのシーンごとに、そうした指示をいただくので、その都度、対応するのは難しく、大変でした。
――防火服は実際に災害現場で着ているものなんですか。
酒井 はい。実際に消防士の方々が着ているものなんですが、空気ボンベなどと合わせて20キロぐらいあるんです。いつでも対応できるように、24時間体制で消防士の方々は防火服を担いでいるので、すごく過酷なんです。僕は3、4時間で全身が凝りました(笑)。
――錚々たる役者さんが揃っていますが、すぐに馴染むことはできましたか。
酒井 最初はめちゃくちゃ緊張しました。しかもクランクイン初日の、初っ端のシーンが清野さんと僕のシーンで、セリフも多いシーンだったので震えました。ただ清野さんは優しくて気さくな方なので安心しました。
――司令課の皆さんの雰囲気はいかがですか。
酒井 上杉が司令課に配属されるのは途中からなのですが、すでに司令課のみなさんの関係性はできあがっていて、休憩時間はトランプやオセロなどで遊んでいたそうです(笑)。和気あいあいとしていて、途中から異動してきた僕にも沢山話しかけてくださって、居心地がとても良いです。
――消防司令センターはセットですか?
酒井 セットです。
――本物にしか見えないですよね。
酒井 ですよね!細かく再現されているそうです。
――消防士から司令課に配属されたことで、お芝居の面で意識したことはありますか。
酒井 先ほどもお話しした通り、上杉は司令課に対して複雑な気持ちを持っています。ただ酒井大成として1話から6話まで通して見たときは、指令管制員の気持ちが分かる部分もたくさんあるんです。でも消防隊員のときは上杉昴になりきって、司令課への反発心を大切にして演じました。6話以降は司令課に配属されたことで、いかにそこの一員として成長していくかを意識するようにしています。