リスペクトが見えるような形のセットリストを心がけた
――セットリストで意識したことを教えてください。
Novel Core 一番大きいのはセクションを分けたことで3部構成にしました。シンプルにTHE WILL RABBITSと共にNovel Coreさを前面に出したセクション。DJ KOTAと1対1のヒップホップセクション。ツインギターでJUGEMが参加してロックに振ったセクション。この3セクションで区切って。Novel Coreというアーティストのジャンルの幅広さ、持っているルーツの象徴みたいなものを来てくれた人たちに肌で感じ取ってもらうために、混ぜつつも分けつつ、どれぐらい振り幅があるのか。ただ混ざり過ぎてしまうと分からなくなっちゃうので、ちゃんとセクションごとに区切りながらも、いい感じに前後の曲とか、セクションとセクションの繋がりが綺麗にぼやけるように調整するというのを意識しながら組んだセットリストでした。だからゲストとの混じり合いについても、ヒップホップセクションに多めに持っていった理由は、カルチャー的にヒップホップがPOSSE文化というか。ステージ上にフロントマン以外の人間がいっぱい上がってくるとか、仲間と一緒に歌う、仲間と一緒に次のステージに行くみたいな文化はヒップホップが一番強いんです。だからヒップホップセクションにフィーチャリングゲストを多めに招いて、ちゃんと各シーン、各ジャンル、各アーティストにリスペクトが見えるような形のセットリストを心がけました。
――当日のサプライズゲストも多かったですね。
Novel Core 全て事前発表をしてしまうよりも、当日サプライズで「この人も来るのか!」という驚きと同時に演出を楽しんでもらうセクションが絶対に必要だなと思っていて。サプライズで来てもらったほうが効果的なんじゃないかという方々に関しては、あえてシークレットで名前を伏せさせてもらいました。
――それぞれゲストについて振り返ってもらえますか。事前告知のあったDABOさんとCharluさんが参加した「SKILL TEST」は、昨年夏に“オープンバース・チャレンジ”と題して行われていたSNS企画で Coreさんが選出したQONNさんとIKAMIKAIさんも参加しました。
Novel Core 楽しかったですね。DABOさん、Charluちゃんと3人揃ってのパフォーマンスは去年、CharluちゃんのクラブツアーのファイナルでHARLEMに顔出しさせてもらった一回だけで、単独公演という形で二人と一緒に歌わせてもらうのは今回が初めてだったので、良い機会をいただけました。二人ともテンションが高くて、DABOさんは終演後も連絡をくれて、いろいろと公演について褒めてくれました。QONNとIKAMIKAIに関しては、オープンバースという企画をやれた意義を感じたし、二人とも才能があって、実力があって。二人のようにアリーナサイズでパフォーマンスさせても他に引けを取らない人たちは、ヒップシーン以外にもたくさんいるんですよね。QONNは地元・横浜でヒップホップ・クルーを組んでやっている子なんですけど、IKAMIKAIはいろんなガールズグループのオーディションなども受けて、落選していく中で、自分自身の価値と再度向き合って。その悔しさが滲んだリリックを書いて応募してくれたのがオープンバースだったので、BMSGのカルチャー的にも、そういうところとユナイトできるのはいいことだなと思いました。何よりステージ上にこの5人が立つ絵面が、今回の公演のカオスさを象徴していたのかなと。
――同じく事前告知があったBE:FIRSTのSHUNTOさんとRYOKIさんとは「MF」と「OJIGI」の2曲をパフォーマンスしましたが、舞台裏はバタバタだったみたいですね。
Novel Core RYOKIは俳優業も忙しくて、別の現場から直行で会場にインして歌って、さらに次の現場に行くというハードなスケジュールをこなしてくれましたが、二人ともパフォーマンスはばっちりでした。
――「僕の大切な映画」のwho28さんもサプライズで登場しました。
Novel Core who28くんは僕が15歳でラッパーを始めて、すぐに知り合った先輩の一人なんです。当時、渋谷の路上や高円寺などで歌っていたときに、一緒にラップをしていたんですよね。その頃はwho28という名前ではなくて、本名でたいがくんと呼んでいて、気づいたらヒップホップシーンの最前線で活躍するアーティストになっていました。お互いに戦っているフィールドは違うけど、ずっと活動は注目していて。去年のけんしょうくん(vividboooy)のワンマンライブでWWW Xに遊びに行ったときに、客演でwho28くんが出ていて、そこで久々に再会して。すごく話が盛り上がって、「せっかくだし、なんかやる?」みたいな流れになったときに、ちょうど制作していたのが「僕の大切な映画」で。ソロ曲だったんですけど、曲調的にもすごく合うなと思ってオファーさせてもらいました。15歳の頃から一緒に路上でやっていた先輩と、お互いに違う形で5、6年活動してきた期間を経て、一緒にアリーナで歌えるというのは感慨深かったですね。
――KAITAさんとKAZtheFIREさんによるダンスチームDr.SWAGもサプライズで登場して、Coreさんをフィーチャリングした「SWAG IN YOUR AREA」をパフォーマンス。Coreさんは二人と一緒にダンスも披露しました。
Novel Core 今回の公演ではダンスカルチャーへのリスペクトをどこかしらで示したくて、それがダンサー22名を入れている大きな理由の一つでもあったんです。僕はBMSGの他のソロアーティストと比べると、ダンスカルチャーとの距離がそこまで近くなくて。そもそもヒップホップ畑出身なので、ダンスカルチャー自体との距離は遠くないはずなんですけど、ダンサーと知り合いになるとか、自分自身が踊り出すタイミングが遅かったっていうことを考えると、すごく距離があったなと思っていて。新たにダンスとの出会いをくれたきっかけを作ってくれたのはDr.SWAGも所属するRHT.(アール・エイチ・ティ)のメンバーで。BE:FIRSTやMAZZELなどBMSG全体で、Dr.SWAGクルーにはコレオグラフなどでお世話になっているし、昨年3月にDr.SWAGのファーストシングル「SWAG IN YOUR AREA」を出すとなったときに僕を呼んで歌わせてくれたという恩義もあったので、その曲をアリーナクラスでやりたいなという思いがあって、今回お声がけさせてもらいました。