想像力を掻き立てられたツインギターのセクション
――THE WILL RABBITS のクマさん(クマガイユウヤ)とJUGEMさんによるツインギターパートを作った理由をお聞かせください。
Novel Core JUGEMとは3、4年ぐらい前に知り合っているので、意外と時間が経っているんですよね。もともとはSG(ソギョン)というアーティストの楽曲に僕がフィーチャリングで入ったときに、当時SGくんのプロデュースをJUGEMがタッグを組んでやっていて。大半の曲のプロデュースを手掛けていたので、そこで知り合ったんですけど、一言で言うと才能に溢れていて。楽曲プロデュースのスキルも高いし、ジャンルの振り幅も広いし、クオリティも高い。バンドをやっていた時期もあるのでギタリストとしての実力もあって、かつボーカロイドなどの電子音楽もルーツにあって、僕との親和性も高いんです。誰がどう見てもすごいことをしているのに、あまり自分に自信が持てないみたいな状況が本人の中で続いていて。だったら一緒に曲を作ろうよと誘わせてもらって、「UNDEFEATED」など、たくさんの曲を一緒に作らせてもらう機会も増えて。一緒に大きい舞台で人前に立つ時間も作ったほうがいいと思って今回お声がけさせてもらいました。
――JUGEMさんのパフォーマンスも堂々たるものでした。
Novel Core JUGEMというアーティストのプレゼンスを示すのには、とっておきの場所だったと思うし、ずっと僕もツインギターでギタリスト二人を引き連れてセンターステージに行くみたいな絵を作りたかったんですよね。今回はロックバンドの関係者もたくさん足を運んでくれたので、今このタイミングでやれて良かったです。
――クマさん(クマガイユウヤ)とJUGEMさんのギタースタイルは好対照でしたが、音楽のルーツも違うんですか?
Novel Core JUGEMは邦ロックをちゃんと通ってきた人で、特にUVERworldに強い影響を受けて、音楽をやり始めたんですよね。クマさんはどちらかというとジャジーな方向だったり、ヒップホップも通ったり。ロックでいうとスリップノットとか、あの辺の世代をしっかり通っていて、セッション育ち。全く違う道を辿って来た二人が混ざったときに、どんなパフォーマンスをするかは僕も楽しみだったし、結果的にすごいパフォーマンスを二人とも見せてくれました。今回のJUGEMは「僕の大切な映画」や「UNDEFEATED」のプロデュースワークに目が行きがちかもしれませんが、「CHAOS」と「BABEL」のツインギター用のアレンジもやっていて。かつオープニングでTHE WILL RABBITSが登場してくるときとエンドロールのSEもJUGEMが作っているし、ダンサーズの4分強あったセクションで、「SKILL TEST」をサンプルチョップした音源も作っているんです。公演の根幹となるセクションを彼が担っていて、寝る間を惜しんでいろいろやってくれたので感謝しています。
――ここまでJUGEMさんがCoreさんの公演に関わったのは初めてのことですか。
Novel Core 僕とJUGEMで完結していることがほとんどだったので、チームにしっかりジョインしてもらって、ものを一緒に作っていくっていうのは今回が初めてでした。
――THE WILL RABBITSの受け入れ態勢はいかがでしたか。
Novel Core 最初は距離ができちゃうかなと思いましたし、それだと絶対に良いパフォーマンスにならない。特にクマさんとの親和性は大切だと思ったので、ちょくちょくJUGEMには去年から僕たちのライブに来てもらって。去年10月17日に神サイに呼んでもらった対バンライブのときも会場にJUGEMがいました。THE WILL RABBITSのライブを体感してもらって、ちゃんと雰囲気を知っておいてほしいというのもあったし、バックヤードでもメンバーと話してもらって、少しずつ距離を縮める作業は去年からじわじわとさせてもらいました。
――当日の手ごたえはいかがでしたか。
Novel Core やっぱりツインギターはパワーありましたし、絵力もあるし、やりたかったことができた一方で、さらにやりたいことも増えたので、想像力を掻き立てられるセクションになりました。
――22名のダンサーズについてもお聞きしたいのですが、どのような顔ぶれだったのでしょうか。
Novel Core Yastakaが中心になってキャスティングしているんですが、僕も繋がっている仲良しのダンサーたちで。ライブのバックアップという意味合いでのダンサーズで、これほど密度の濃いメンバーが集まる単独公演をやる国内のアーティストは他にいるのかというぐらいの実力者が集まりました。
――22名のダンサーとパフォーマンスした感想はいかがでしたか。
Novel Core 楽しかったのはもちろんですが、自分的にうれしかったのは、ちゃんと22名のダンサーが必要だったと思えるライブになっていたのが大きくて。人数を増やしたものの、やっている僕たち自身が逆にパフォーマンスの幅が狭まっちゃっていると感じたり、観ているお客さんに観たかったものが観えていなかったりするのは良くないなと思っていたんです。結果的に必要な位置に、しかるべきタイミングで、それぞれが踊っていたし、みんなが効果的に作用してくれていたので、誇りに思えましたし、OUTERにかっこいいパフォーマンスが見せられて良かったです。
Novel Core
東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有する一方で、決してジャンルに縛られることのない特有のスタイル、等身大で発せられる強いメッセージがファンを集め、過去に発表した全てのアルバム作品が各チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものにしてきた。
Zeppを中心とした大型のライブハウスを周遊する全国ツアーや、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、2月11日には初のアリーナ単独公演を開催。ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザイン / ディレクションに至るまで、全てをNovel Core自身が担当している。
また、ミュージシャン / ディレクターとしての存在感を示す一方で、FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルに起用されるなど、ファッション業界からも注目を集めている。音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代アーティスト。
PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI