全身真っ赤なヤンキー衣装を身に纏ってメタルロックナンバーのアルバム表題曲「ビタミンB」からスタート

百田ファンにはおなじみなのだが、アルバムタイトルの『ビタミンB』は、過去に番組内で出題されたクイズ問題【にゅーとんが りんごで発見 ◯◯】に対して、百田が「引力」ではなく「ビタミンB」と答えたことに由来。このポイントも踏まえた上で、本レポートを読み進めてみてほしい。

今回のライブは架空の製薬会社・百田製薬の工場をステージ上に再現。開場中もBGMではなく作業音のようなSEが鳴り響き、物語の始まりを予感させるような演出に。そして、オープニング映像が流れ始めると《時は209X年世紀末、度重なる気象変動・天変地異によって文明社会は大打撃を被った。荒くれ者がはびこる世の中で人々は活力を失っていく。しかし、ここに先の見えない闇を照らす一点の光あり。空前絶後の大波乱が起ころうとしていた…》というシリアスタッチなナレーションとアニメーションで、『北斗の拳』やアメコミの世界観を想起させるような幕開けに。

そして、オープニングのアニメ映像では百田製薬の社長と博士の会話が続いていく。先の見えない世界を救うべく、百田製薬では“究極の栄養ドリンク”作りに励んでいるというのだが、栄養ドリンクを作る作業員達の栄養が足りていないという事態に…。博士から「こんな時に、あの子がいてくれたら…」という心の声が漏れると、地響きとバイクのエンジン音が鳴り響き、「おめえら、元気足りてねぇんじゃねえか?上等だよ。この工場全部まとめて立て直してやるぜ、ビタミンBで!」と叫びながら、今回のツアーのキービジュアルにもなっているデコ出し&サングラスで、フリルやキラキラで可愛さもある全身真っ赤なヤンキー衣装を身に纏った百田がステージに登場。会場から大歓声が上がると、メタルロックナンバーのアルバム表題曲「ビタミンB」でライブがスタート。暴走族のレディースのようなダンサー2人組・姐さんズを従えたツッパリ夏菜子が激しく煽る中、スモークやバキバキの照明演出も加わり、観る者の心を昂らせていく。

続いて、作業員風の4人組ダンサー・4Bが加わると、ももクロの自己紹介ソング「ダンシングタンク♡」へ。今回のライブツアーの世界観を表現した歌詞に書き換えられており、1番が百田の自己紹介パートに。「おめえらに足りてねえのは、ビタミンBと太陽。太陽、降臨―!」と高らかに宣言すると、2番はツッパリ夏菜子の脇を固める2人組の女性ダンサー・姐さんズ、3番は4人組作業員ダンサー・4Bの紹介へと続く。激しいバンドサウンドに乗せたクラップ、コール、ゴーゴーダンス、ヘドバンで盛り上がり一気に駆け抜けると、一瞬静まった会場に美しいギターのアルペジオが鳴り響く。「このイントロはもしや…」とファンの期待感が高まる中、X JAPAN「紅」のカバーへ。まさに、緊張と緩和。歌が始まると曲の爆発力もさることながら、ハイトーンに惹きつけられる。ビジョンにはサングラスを外した百田の熱い眼差しが。ここまで息をつく暇も無いくらいの激しいサウンドの応酬だったのだが、これだけでは終わらない。続いて、「労働讃歌」のイントロが流れるとさらなる大歓声が上がる。ソロライブではあるが、ラップパートでは“ももクロ”を感じられるという安心感もあったのではないだろうか。立川ステージガーデンは、アリーナ席を囲むように2階席と3階席が設計されているため、「労働讃歌」のサビで赤一色に染められた会場中のペンライトが高く掲げられたシーンは圧巻。また、コールが上から降ってくるように鳴り響いていたのも印象的で、ライブのど頭から気持ちを一気にブチ上げられるようなブロックとなった。

一度暗転すると最初のMCパートへ。百田は照れながらもツッパリ夏菜子の設定のまま、「盛り上がってるかーい!楽しんでるかーい!テンキュー」と煽っていく。ここで、初日の大阪公演ではうっかり忘れていたという自己紹介をすると、会場は盛大な「かなこ⤴」コールに包まれる。そして、初のツアーへの意気込みを語ると次のブロックへ。

まずは、昨年夏の30歳を記念したソロライブで初披露された「熱帯夜 Fantasy」を姐さんズと一緒にパフォーマンス。続いて、歌始まりとピアノが印象的なバンドサウンドの楽曲「未知数」へ続く。この曲ではステージ上の工場セットを移動しながら歌う百田の姿と青の照明に照らされた落ちサビがとても印象的だった。

ここで再び、百田製薬を舞台にしたアニメーション映像へ。栄養ドリンク完成に向けて試作を繰り返す博士と夏菜子のコミカルなやり取りが続いていく。完成はまだまだ遠いと感じさせる中、試作品を飲むと夏菜子から赤色の成分が抜けてしまい…。ここで次のブロックへ。