試行錯誤もあったライブレポート。「TO BE BORN」では文章に手応えも

――STREAMでの連載「アイドルリアル備忘録」は、2024年5月のスタートからまもなく1年が経ちます。

キャ・ノン 書く機会がないと書かないタイプなので、連載によって強制的に“書く習慣”ができてありがたかったです。読んでいただいて「よかったよ」と言われると、やっていてよかったなと思います。でも、忙しくなると、しんどいです…(笑)。

――(笑)。業界関係者からも、反響があったそうですね。

キャ・ノン 音楽誌のライターさんから「文章が上手だね」と褒めていただいて、うれしかったです。プロの方に褒められると「もっと頑張ろう」ってなります。メンバーも読んでいるみたいです。

――週1のペースで続けられるのは、感心します。当初「隔週にすればよかった」と、連載でこぼしていたときもありましたが…。

キャ・ノン 隔週だったらどれほど楽だったかと、今でも思っています(笑)。毎週「今週が一番キツい」となっていますし、今も、次回「どうしようか」って考えていますね。ライブがある週は、ライブレポートを書けるのでいいんですけど、それだけでは連載として「違うのかな」とは思っていて、ジャンルを決めるのが難しいです。

――ライブのように大きな動きがあればいいですけど、そうでない週はだいぶ頭を悩ませていると。

キャ・ノン そうなんです。書き方も、試行錯誤していて。ライブレポートも最初はどう書けばいいのか分からず、嘘は書けないですけど、淡々と事実だけを書いても面白くないし、プロのライターさんが書いた色々なライブレポートも参考にしたんです。人によって書き方が違うのが面白く、読んでいくうちに「ここは自由だけど、ここは押さえなきゃいけないんだな」っていうコツが分かってきて、舞台裏を知る自分の視点を大切にまとめる形に落ち着きました。

―― これまで、特に手応えを感じたライブレポートは?

キャ・ノン 東京・LINE CUBE SHIBUYAでのワンマンライブ「TO BE BORN」のレポート(vol.28)ですね。他の方が書いてくださったグループのライブレポートも参考に「私にしか書けない部分は何か」を考えて、舞台裏も知る自分ならではの視点を活かせました。