平日に書くのがマイルール「言葉にしてくれてうれしい」とファンから反響を集めた回も
――連載のアイデアは常にストックしてるんですか?
キャ・ノン 全然(笑)。だから、毎週ギリギリで、締め切りが近づくたびに「どうしよう」ってなっています。でも、連載をはじめてから、日常の中で「これ書きたいな」って思うことが増えました。レギュラーのラジオ番組「キャ・ノンのESCAPE!」(InterFM)のためには、人との会話で「これ面白かったな」って思った言葉とかをメモしています。
――ラジオをはじめ、レッスンやライブなど、他の仕事と並行しながら、いつ執筆しているんでしょう?
キャ・ノン 連載に関しては土日は完全オフにしたいので、平日に書こうと決めているんです。集中するため、連載をはじめてからは、平日に誰かと会う予定を減らしました(笑)。
――(笑)。ライブレポート、エッセイ、小説…と、多岐にわたるジャンルは都度、どうやって決めているんでしょう?
キャ・ノン 最初はライブレポート中心にしようと思ってたんです。でも、ライブってある程度ルーティン化してるから、毎回同じような内容になっちゃうんですよね。だから、小説を書いたり、学んでいた文章のことを活かしたり、幅を広げることにしました。その方が飽きずに書けるし、読んでくれる人も楽しめるかなって。
――なかには「このテーマだと筆が進む」といったジャンルも?
キャ・ノン ジャンルというより、構成が浮かびやすい内容であればスラスラ書けます。事前に「ここでこれを書こう」と、全体の構成を決められるとスムーズに書けるし、勢いでひらめきに任せるのではなく、準備してから書きはじめる方が筆も進みます。
――連載中、特に筆が進みやすかったものは?
キャ・ノン 「あの頃」(vol.35)です。ずっと書きたいと思っていたテーマでしたし、頭の中にはあった思いをようやく言語化できたと思いました。ファンのみなさんから「共感した」とか「言葉にしてくれてうれしい」とか、たくさんの感想をもらえたのがうれしかったです。
――具体的に、どんな言葉をいただいたのでしょう?
キャ・ノン 「自分もそう思ってたけど言葉にできなかった」という声が多かったです。長くアイドルを続けていると、言葉にせず抱えている思いもあるんですけど、文章にしたことで、みなさんも整理できたり納得できたりしたのかなって思います。
――ここまで連載を続けて、書く上で自分自身の成長も感じていますか?
キャ・ノン 書かないと文章力は上達しないんだなって、実感しました。続けることで「もっとこうした方が読みやすい」とか、文章の組み立てを意識するようになりましたね。
――書く自信がみなぎっているような印象を受けます。
キャ・ノン いや、逆にプレッシャーが増しています(笑)。連載が続いているぶん、新しいものを生み出さなきゃっていう思いもどんどん強くなってます。こまめに書くのが苦手で、集中しているときに一気に仕上げたくなるのも、関係しているのかもしれません。私は次に何を書くべきか忘れてしまうので、少しずつ書けるメンバーを見ると「すごいなぁ」と感心します。