新しいチャレンジに必要なのは好きで居続ける力

――プロゲーマーとしても活躍されているそうですが、始める経緯と活動内容を教えてください。

木成 eスポーツという言葉もない頃からゲームセンターで対戦ゲームに熱中していたんですが、社会人になるタイミングで一度、eスポーツの仕事に専念することにしました。しかしプロシーンがどんどん盛り上がっていく中で、裏方としてだけではなく、プレイヤーとして活動したいという思いが大きくなり、自分から会社にやらせてほしいと直訴しました。もちろん私も社会人ですから、その対価として、活動していく中で「新しい働き方をしている人がいる」、「面白い人間がいる」というJCGのマーケティングや人事的な面での認知の向上や、こうして取材を受けるなど、広報的な面で貢献することで会社の合意をもらっています。活動内容としては、格闘ゲームのタイトルを中心として、国内外の大会に参加するのがメインとなります。

――プロ活動も含め、新しいことを始めるときにどのようなマインドで挑んできましたか。

木成 シンプルですが、好きだったら迷わずに飛び込んで行動するということですね。本当に好きでやりたいと思っていることなら、行動に起こすと自分は思っているんです。その上で大事にしていることは、やると決めたからには90点、100点を目指すのではなく、140点、150点を目指して、自分にできることは全て出し切るということです。これまでそうやって積み重ねてきたことが、結果として今の仕事やプロゲーマーとしての活動にも繋がっていると思います。

――実際に転職や新しい仕事を始める際に、どのような能力が役に立ったと感じていますか。

木成 ゲームだけに限らず、いろいろなことに対して、好きという気持ちや興味を持ち続けることです。それが新しい世界へ踏み出すための一歩になると思っています。そこから先は、その世界の輪に加わる力というのも大事にしています。自分がゲームセンターに通っている時もそうでしたが、それぞれの世界にはコミュニティが存在しています。その輪の中に飛び込んで、現場の中でコミュニケーションを取ったり、内側から世界を眺めてきたりしたことが、今の自分の仕事でも活きているので、その二つの能力は大事だと思います。

――今後もeスポーツの世界で働きたいという方は増えていくと思います。eスポーツ業界で働く際に、特に求められているスキルや、経験などはあるのでしょうか。

木成 eスポーツの仕事では多様なスキルが求められ、弊社でも営業から制作、技術まで様々な部門があります。そのため、スキルセットという点では、どんなものであれ活かせる場面がある業界だと思います。また、新しく発展してきた市場なので、これから外に向かって広げていこうという気持ちが必要です。そのためには、ゲームやeスポーツに対して強烈な思い入れを持っていて、それ以外でも、何かに興味を持って専門的に熱中してしいた経験がある方は向いていると思います。「人を楽しませたい」などでもいいので、何か明確な目標と熱意を持って、チャレンジして欲しいですね。