OUTERと直接話してみると解像度が上がる
──「プライド」のレコーディングはどのように進めたのでしょうか。
Novel Core 曲の制作過程としては、メロディーが先に出てきて、トップラインは現場でギターを弾いてもらって、それに合わせて僕が歌って、「こういうメロディーよくない?」と聞いたら、みんなも「そのメロディー、確かにキャッチーかも」と言ってくれて。歌詞に関しては、サビはスムーズに出てきたんですが、バースにめっちゃ苦労しました。しかも、もともと書いていた歌詞がキーも含めて気に入らなくなっちゃって。レコーディング当日、歌詞とメロディーを丸ごと変えたいと言って、スタジオで時間をもらったんです。それでブースの中にこもって、クマさんにトップラインのアイディアをもらったり、JUGEMにメロディーをいっぱい作ってもらったり。それで降りてきたメロディーを、みんなに聴かせて、「いいじゃん」となったら歌詞を書いて、そのまま録るみたいなスタイルでした。サビ以外は完全にスタジオで作ったんですが、結果的に最初に作ったものよりも納得のいく仕上がりになりました。
──「プライド」の歌詞には、どんな思いが込められているのでしょうか。
Novel Core いろんな人の人生を肯定した上で、「あなたの人生、あなたの生き方はあなたにしかないもので、それはそれで素晴らしい」「何も捨てず、何も失わず、まっすぐ愚直に生きていけることは素敵なことだけど、みんながそれをできれば苦労しない。そうじゃない人生のほうが絶対に多いと思うし、妥協したり、自分に嘘をついたりしながらでも、何かを守るという戦い方も絶対に存在する。それはそれで別のかっこ良さがあるよね」ということを歌いたいという軸がありました。それを自分自身の言葉で伝えていくために、どういう言葉を選ぶのがいいのかなとリリックを書いていったら、自然とこうなりました。
──4月25日に更新したインスタで、3年前の自分に問いかける形で、当時のことを後悔していると綴っていましたが、改めてどういう気持ちだったのかをお聞かせください。
Novel Core 3年前の自分の感情が間違っていたとは思っていなくて、むしろ未だに当時のままの気持ちを持っていますし、『A GREAT FOOL』で歌っていた「俺は絶対に賢く生きないぞ」みたいな感覚は強いですし、そういうテンションで今後も生きていきたい。大人になりたくないではなくて、子ども心を忘れたくないみたいな感覚が強いんです。
でも、それと同時に当時の自分になかったものは、自分は「こういう生き方だ」ということに対して、他の生き方も知って肯定するべきだったなと。自分が全てではないし、自分がやっていることが常に正解でもないし、自分が100%合っていることもなければ、自分が100%間違っていることもないというスタンスを、ちゃんと取るべきだったなと。音楽家として以前に、人として後悔している部分があって。OUTER(※ファンの呼称)と向き合っていると、その後悔が年々強くなっているんですよね。もしかすると、「お前の生き方はだせえよ」と言っているように思われているかもしれないし、そうすると僕の音楽は誠実じゃない気がして……。それに対してのモヤモヤが高まっていたので、改めて今の自分と昔の自分の違いを伝えたかったんです。
──OUTERとのコミュニケーションを通しての気づきがあったんですね。
Novel Core 最近はミーグリ(ミートアンドグリート)とか直接ファンと話す機会が増えて、すごくいい時間なんです。時間の関係上、抽選で選ばれた限られた人数としか会話ができない悔しさはあるんですが、選ばれたOUTERと話す中で、「こういう子たちが来てくれているんだ」と身に染みて分かるし、ライブで1対何千・何万を相手にしていると、たまに自分のことを応援してくれてる人たちが本当にいるのか、それはどこにいるのか、どんな人なのかが見えなくなって怖くなるときがあるんです。その中の一人でも二人でも直接話してみると解像度が上がるので、すごく感謝しています。
──OUTERの方もプライベートなことまで包み隠さずCoreさんに話すのは勇気のいることだと思います。
Novel Core 僕自身が普段から自分の内側をさらけ出しながら活動させてもらっていて、基本的にプライベートのことも含めて何でも話すし、何ならOUTERのほうが、僕よりも僕のことを詳しいんじゃないかと思う節すらあるぐらい何でも喋っています(笑)。だからOUTERの子たちも、同じように自分のことを喋ってくれている気がしますね。