活動を続ける上で大切にしていることは“心が満たされていること、心がときめくこと” | 水瀬いのり 「アーティスト活動10周年、これからも素敵な場所に導いていきたいと思ってもらえるような私であり続けたい」INTERVIEW

活動を続ける上で大切にしていることは“心が満たされていること、心がときめくこと”

――今回はBONUS MOVIEも凄いボリュームですね。

水瀬　メイキング映像が8曲分も入っているんですけど、私はメイキング映像のチェックを自ら行わないということを選択しました。基本的には大人の方に任せて、出来上がったものを薄目で見るという感じです（笑）。過去に遡れば遡るほど、自分のシャイ度も高いというか、挙動不審っぷりが大丈夫かな？という心配はありますよね。今の私とは少なからずギャップもあるでしょうから、良き成長を遂げていることを願うばかりといった感じです。

――メイキング映像で、撮影の裏側や素の表情を見られるのは恥ずかしさもありますか？

水瀬　もちろんありますけど、私にも推しがいるので、推しのメイキング映像はやっぱり嬉しいですよね。どんな持ち物を持っているのか、どんなコスメを使っているのかといった部分にも興味がありますし、あとは、ものづくりの裏側にいる人達の思いや頑張りみたいなものが見られるのもメイキングの魅力だと思うので、そこも楽しんでほしいなと思います。しかも、それが8曲分ということで、撮り貯めてきた意味があるのも嬉しいですし、こんなにも公開していない映像がたくさんあったのかと驚いてもいます。

――ありがとうございます。では、ここからライブのお話に。7月には恒例のファンクラブイベント『いのりまち町民集会2025 -ACOUSTIC LIVE シネマチックダイアリー-』が開催されますが、これも水瀬さんにとっては大切なライブですよね？

水瀬　10周年ツアーの前に行うファンクラブイベントなんですけど、今年もアコースティックライブという形でしっかりと歌をお届けします。今年の上半期はとにかく準備期間といった感じで、今もまさに色々な準備をしている段階なんですけど、それを下半期に一気に皆さんに見てもらえることが本当に嬉しいです。

――そして、10月からの史上最大規模の7都市8公演の全国ツアーへと続いていくわけですが、ツアーへの意気込みも是非聞かせてください。

水瀬　これまでにもたくさんの大きな会場で歌わせていただきましたが、10周年を迎えるタイミングで、それを更新する規模のツアーに挑戦させてもらえるというのは本当に嬉しいことですし、皆さんがそこまで連れてきてくれたんだと思っています。やっぱり、聴いてくれる方や会いたいと思ってくれる方がいないと実現できないことだと思いますし、本当にファンの皆さんと一緒に築き上げた10年のひとつの形なので、みんなでお祝いできたら嬉しいです。セトリや演出はまだまだこれからの部分もありますが、「みんなで10年頑張ったね、万歳！」といった気持ちもありつつ、「じゃあ、次はみんなで何しよっか？」という前向きな気持ちで完走できたらと思っています。

――改めて、水瀬さんの中で10年間変わらずにいられているなと思う部分はどんなところでしょうか？

水瀬　デビューからのこの10年間、ずっとフラットな状態で活動できているなと思っています。この年だけすごく派手だったなという年はなく（笑）、本当にシンプルかつ真っ直ぐに歩み続けた10年間でした。私自身が決して派手ではないですし、私生活も本当にシンプルなので、それが一時期は無個性なのかなと考えてしまったりもしたんですけど、無理してキャラクター付けするということは自分には合わないと思っていたので、この感じのまま活動を続けていたら、それがだんだん個性になってくれたように感じています。ある時、ライブの舞台演出さんから「いのりちゃんは引っ張っていく人というよりも、みんなで連れて行きたくなるような人」だと言っていただいたことがあって、それから、ありのままの自分でいいんだと思えるようになりました。無理して「私がみんなを引っ張っていきたい！」と言わなかったからこそ、今の自分がいると思っています。これからも素敵な場所に導いていきたいと思ってもらえるような私であり続けるというのが目標のひとつになっています。

――最後に、水瀬さんがアーティスト活動を続ける上で大切にしていることや支えになっていることを教えてください。

水瀬　活動をしていく上で、“心が満たされていること”、“心がときめくこと”がとても大切だなと思っています。どんなに辛いことがあっても、音楽を聴いたり、映画を観たりすることで、イマジネーションや希望がある物語に救われてきた自分がいます。20歳の頃は年齢を重ねていくとそういう感覚が失われていっちゃうのかなと思っていたんですけど、全然そんなことはなくて、年々涙腺が弱くなっているし（笑）、どんどん心が綺麗になっているような気がしています。ひたむきなことやフラットでいることの美しさみたいなものがどんどん自分とシンクロしていっているので、奇をてらって新しいことに挑戦することももちろん大切ですけど、変わらずに続けていくということを10年間ずっと大切にしています。

――最後の最後まで、水瀬さんらしい力強い言葉をいただけて良かったです。ありがとうございました。

水瀬　ありがとうございました。10周年記念ライブツアーも楽しみにしていてください！

PHOTOGRAPHER：HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER：ATSUSHI OINUMA,HAIR&MAKE：SANA OKUBO,STYLIST：RIE TAMURA