カップリング曲「可視光線」は令和版「コノウタ」
――続いて、カップリング曲について聞かせてください。まずは2曲目の「Cosmic Commotion」はどのような曲でしょうか?
高城 この曲も「Event Horizon」に通ずるような宇宙の壮大な感じがあるんですけど、光を探したり、終わりのないものを探したりする切なさみたいなものを描いた曲です。私達の楽曲では珍しく機械音が特徴的で、無機質に歌っている感じなんですけど、ひとつひとつのワードには、終わらないでほしいという願いも組み込まれた柔らかくて可愛らしい楽曲です。
――この曲は6人組音楽ユニットのPAS TASTAが手がけています。気鋭の若手アーティストからの楽曲提供ということで、楽しみにしている音楽ファンも多いと思うのですが、曲の第一印象はいかがでしたか?
佐々木 PAS TASTAの皆さんから「ももクロの新しい一面を引き出しつつ、我々の持ち味が生かされた楽曲になったと思います」とメッセージもいただきました。ももクロが活動を続けてきたことに対するリスペクトのような思いを曲に落とし込んでくれて、歌詞も同じアーティスト目線で、共感というか、私達のことを思って書いてくださっているなという言葉がたくさん入っていて嬉しいなと思いました。最初に聴いた時には、打ち込みサウンドで宇宙の近未来感もありつつ、とても可愛らしい曲という印象でした。こうして同世代のアーティストの方に…、いや彼らはむしろ年下ですよね?そういったアーティストの方達に曲を作っていただくと私達も勉強になりますし、色々考えて試行錯誤しながらレコーディングに臨んだので成長にも繋がっていると思います。
――レコーディングは苦戦しましたか?
佐々木 そうですね。曲調は可愛らしいんですけど、孤独感や寂しさを感じさせるようなメロディに、温かみのある歌詞が乗っているので、どのように表現したらいいのか、そのテンション感はすごく難しかったです。
――では、3曲目の「可視光線」にいきましょう。こちらはシンガーソングライターの小林私さんからの楽曲提供です。この曲はどんな曲でしょうか?
玉井 最初にタイトルだけ聞いて、難しそうな曲を想像したんですけど、実際に曲を聴いた時はどこか懐かしさを感じました。すごくキャッチ―で、ノスタルジックな気持ちにもなるような楽曲です。最初はしっとりとした感じで始まるんですけど、リズムが入ってから勢いが出てくるので、とてもライブ映えする曲だなとも思いました。「Event Horizon」が過去から未来への時の流れを表しているのに対して、「可視光線」はどちらかというと、今という瞬間に注目した曲で、最初に説明を受けた時に、令和版「コノウタ」(2011年発売の1stアルバムに収録)だと言っていただきました。「コノウタ」は私達の中でも昔からライブで大事にしてきた曲ですし、キーが高くて、当時のがむしゃら感が詰まったような曲だったんですけど、「可視光線」は今の年齢の私達を切り取ったような楽曲なので、懐かしさはそういうところにあったのかなと思います。「コノウタ」は自分の気持ちをガンガン伝えなきゃ!みたいな強さがあるんですけど、「可視光線」は今の私達を俯瞰して見ているような歌詞なので、色々なことを肯定してくれていて、でも肯定し過ぎてもいないという…すごくいい距離感で寄り添って元気づけてくれるような曲だと思っています。
――小林私さんからは直接、曲の説明を受けたりしたのですか?
百田 私達全員のレコーディングに立ち会ってくださって、ディレクションもしていただきました。(この曲を歌ってみて)あぁ、私達も大人になったんだなと感じましたね。それは私達自身もそうですし、周りから見た私達の姿も大人に映っているんだなと感じました。表立って令和版「コノウタ」だと謳っているわけじゃないんですけど、私はイントロを聴いてすごく納得しましたし、やっぱり月日を感じます。聴き比べていただけたら、私達の歴史や成長が感じられると思うので、まだライブではやっていないですけど、ライブでも是非この2曲を歌ってみたいです。