選抜メンバー入り、センター曲を経験…グループを“やりきった”気持ちで卒業へ
――2018年1月、ドラフト3期生としての加入から8年目。2025年7月には、8月末をもってのグループ卒業を発表しました。
中野 ファンのみなさんには「めっちゃ急だね」と、驚かせてしまったと思うんです。でも、私がアイドルファンだった時代を振り返ると、メンバーの卒業は急だったし、自然な感覚もあります。私としては選抜メンバーに入れたし、センター曲もいただいたし「SKE48をやりきった」という気持ちが強いです。本音をいえば、グループ全体のセンターに立てたら最高でしたけど、「SKE48 リクエストアワーセットリストベスト100 2023」で、センター曲の「片想いフォーエバー」で2位をいただけたのも感無量でした。
――劇場公演で卒業を正式に発表する前後で、心境の変化もあったんでしょうか?
中野 発表当日は、めちゃくちゃ緊張していました。私が言う前から「何かを察知して悲しんでくださる方がこんなにもいたんだ…」と驚いたんですけど、実際に「卒業します」と宣言してからは肩の荷が降りて、スッと楽になりました。当日までの握手会では「次の選抜へ入れるように握手券をいっぱい取ったよ」とおっしゃってくださる方もいて、卒業が決まっているのに伝えられない心苦しさもあったんです。でも、今は開放された気分ですし、これまで突っ走ってきたので、卒業までは自分の好きな“アイドル像”を残りの時間で貫いていきたいです。
――メンバーへ伝える前後での心境は、いかがでしたか?
中野 メンバーでは、(共に中野と同じく新Team Sの)さあや(入内嶋涼)とここな(鈴木恋奈)には卒業を伝えていました。でも、いつ卒業発表するかはさあやしか知らなかったんです。実際に発表した日に、ここながてっきり知っていると思って「今日は緊張する…」と言ったら「なんで?」と聞いてきて、「卒業を伝えるんだ」と言ったら涙を流してくれたのがうれしかったし、かわいいなって思いました。卒業を聞いたメンバーでは驚いた子もいれば「なんとなく、そんな気がしていた」と言ってくれた子もいて、(2025年のチーム替えによって)新Team Sがスタートしてまもない中での申し訳なさもありました。
――それもまた、ステージを共にするメンバーへの愛があるからこそだと思います。加入からを振り返って、SKE48での活動を通しての成長も感じていますか?
中野:ハートが強くなりました。加入前の私はネガティブで、AKB48グループのOGでもある指原莉乃さんの『逆転力〜ピンチを待て〜』(講談社)を読み、自分を奮い立たせてオーディションを受けるほどだったんです。グループに合格してからも、自分より秀でているメンバーがいる環境で落ち込むときもありました。でも、「ここで生き残るにはハートを強くするしかない」と切り替えてから、少しずつ、ポジティブになっていったんです。プライベートでも最近、カフェで人の目を気にせずに、かわいいクッキーと一緒に自撮りできるようになって「私、メンタル強いな」って、実感できました(笑)。
――(笑)。1st写真集では「周りの変化に気づくことが得意」ともエッセイで綴っていましたが、それも、グループに入ってからの変化だったのでしょうか?
中野 加入前から、あったかもしれません。ネガティブだったし、人の顔色を気にして生きるタイプではあったんです。でも、SKE48に入ってからは、役に立つこともありました。メンバー同士で意見をかわすときに「この子、本当は言いたいことあるんだけど言えないのかな」と思ったら「〜だよね?」と言って会話に巻き込んで、MCでも、トークに入り込めない子がいたら「今、なんて言ったの?」と意識して声をかけるようにしていたんです。メンバーがメイクを変えてもすぐ気が付きますし、サポート役として、振る舞えるようになりました。
――短所を長所に変えてくれたのも、SKE48だったんですね。そうした経験も糧に、グループ卒業後に思い描いている活動は?
中野 これというのはなく、やりたいことが色々とある感じです。思い浮かぶかぎりに、点と点をつなげられたらいいとは思っていて、色んなことに挑戦したいです。
――1st写真集のタイトルにもある「可愛い」も貫いて?
中野 はい(笑)。16歳で加入して、25歳になったんですけど、同い年の友だちがどんどん大人っぽくなってきたし、追いつきたい気持ちもあるんです。でも、まだ「可愛い」でイケる歳ではあると思うので、もうちょっとだけ貫きます!