良い面でも、課題が見つかったという面でも、大事だった大阪公演

――バンドセット初日となった7月12日になんばHATCHで開催した大阪公演はどのようなテーマを持って臨まれましたか?

Novel Core バンドのライブとDJのライブは、良くも悪くも全く別物だと思っていて。DJツアーで作ってきた熱気を、逆にバンドが入ることで損なってしまう可能性も大いにある。難しいことだと思うんですよ。17公演あって、そのうちのラスト3公演だけ自分たちが参加するという中で、その前にある14公演では、すでに熱気が作られていて、フロアが自分たちの知らないところでめちゃくちゃ成長している訳ですから。曲の聴かれ方や遊び方もめちゃくちゃ変わっていて、自ずと演奏のアプローチも変わってくる。「もともと、こう叩いていたけど、ここでみんなが声を出すなら、そこの拍を取ってあげよう」とか、細かいニュアンスも変わってくるんです。ただスケジュールがなかなか合わなくて、今回のDJツアーの公演を他のメンバーが観に来ることはできませんでした。そこはチームのスタッフの皆さんが気を使ってくださって、公演の定点映像や音源のデータを毎公演、必ずフィードバックできるように共有してくださっていました。それをメンバーにも「絶対に見てほしい。どういうライブを今しているのかを感じ取って、考えてほしい」とお願いしました。スタジオに入ったときも、「この程度の熱さだったら絶対に負けるよ」「想像している以上に体力を消耗するはずだから、この流れだと絶対に持たないと思う」といったシミュレーションを重ねながら作っていきました。今まで以上に緊張感を持って、みんなで臨もうというのが大阪公演のテーマだったと思います。

――実際に大阪公演をやってみての感触はいかがでしたか?

Novel Core 良い面でも、課題が見つかったという面でも、両方の意味で大事なバンド1発目の公演だったなと思っています。川崎の前に大阪があって、すごく良かったですね。盛り上がりとか、ライブ全体の雰囲気に関しては百点満点だと思っていて。バンドが入ることで、DJツアーで作ってきたものがふわっとしてしまう可能性もあるなという懸念は払拭されました。そこは想像の遥か上をいって、ハードルを越えてくれたと思います。僕たちの熱さもOUTERの熱さもいい感じで伝播して、すごくいいライブになったなと。

――一方の課題というのは?

Novel Core キャパシティが一気に大きくなったときに、フロアの状況も他のライブハウスと明らかに変わります。それは僕たちもそうだし、OUTERもそうだし、安全なフロアを作っていくということに対して、もっと意識を張り巡らさなきゃいけないという課題がしっかりと見えました。

あとは僕のパフォーマンス面ですね。バンドが入ったことによって、僕もテンションが高ぶっちゃって、いつもと声の出し方が変わってしまったんです。体力的な部分も、いつも以上に体力作りをしていたのに、それでも追いつかないぐらい消耗が激しかったので、もう少しパワーが必要だなと気づけたんです。バンドメンバーも然りで、テンションコントロールの部分で課題がありました。DJツアーを見てないし、今回のツアーを一緒にやってきた訳ではないので、今年のKアリーナやフェスなどで見ていた雰囲気と明らかに違う状況を目の当たりにして、そこに対して、どうしても対抗する気持ちが出てくるんです。それで演奏が少しぶれるなど、サウンド面でも課題がたくさん見つかりました。終演後のフィードバック会では、音響チームや、ライブを観に来てくれた日髙(光啓)さんからも、僕のボーカルやバンドの演奏に関してのフィードバックをたくさんもらって。みんなで「楽しかったね」で終わらずに、ちゃんと川崎に向けてブラッシュアップした形で繋げるように、踏ん張らないといけないところなんじゃないかという、気の引き締まった公演でもありました。

――OUTERのテンション感はいかがでしたか?

Novel Core 最高でした。なんばHATCHは2階席もあって、今回のツアーの中で、座席があるのは唯一でした。僕自身、2階席があって、下はオールスタンディングというのが久々でした。自ずと僕の目線の配り方も変わるし、2階席の一番奥の人の顔もはっきり見えたし、座ってようが立ってようが、静かに見てようが暴れてようが、全力で自分の気持ちをステージに向けて届けてくれる雰囲気が本当に良かったです。OUTER同士の助け合いも起こっていて、そこに僕たちも救われた部分がたくさんあったし、ありがたい一日でした。

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Novel Core

東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。
ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。
2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。
大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。
また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。
FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。
音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。

PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI