将来の時代劇出演を見据えて、小学4年生から乗馬を始める

――俳優に興味を持ったきっかけから教えてください。

吉田晴登(以下、吉田) 過去に父親がちょっとだけ業界をかじって、カメラマンをやっていた時期があったんです。それもあって、休日は家族3人で映画を見るのが習慣だったのですが、当時よく観ていたのが洋画で、ヒーローものやSFなど、非日常的な映画を観ることが多かったんです。その影響で漠然と映画に憧れを抱くようになって、いつしか俳優は誰かの人生に影響を与える仕事だなと気づきました。僕自身、映画によって人生が変わったので、僕も誰かの人生に影響を与えるような役者になりたいと思い始めたんです。

――子役でデビューしたんですよね。

吉田 小学3年生、8歳の頃に自分から子役事務所に所属しました。

――ご家族の反応はいかがでしたか?

吉田 お芝居をやることに関しては両親ともに賛成でした。直接言われた訳ではないんですが、おそらく父親は自分が成し得なかった夢を引き継いでほしい、自分が見られなかった景色を息子に見てもらいたいという思いがあったのかなと。

――子役時代に出演して印象に残っている作品は?

吉田 小学6年生から中学1年生にかけて、『蜩ノ記』(14)という小泉堯史監督の時代劇映画に出演させていただいたんですが、キャストが豪華で。僕は役所広司さんの息子役だったんですが、岡田准一さんが義理の兄で、他にも堀北真希さん、原田美枝子さんなど錚々たる方々が僕の家族を演じられました。当然、ものすごいプレッシャーがあって。役所さんと青木崇高さんとの3人のシーンがあったんですが、その日はプロデューサーや取材関係の方など、大人の方がたくさん来ていて、めちゃくちゃ緊張して何回も噛んでしまいました。僕のせいで何度も撮り直しがあって、そのときの緊張感は半端なくて、今でも覚えています。

――馬に乗るシーンもありましたが、もともと経験があったのですか。

吉田 乗馬は小学4年生から始めていました。いずれはNHKの大河ドラマなどにも出演したいと思っていたので、馬に乗れたほうがいいんじゃないかと始めたのがきっかけです。『蜩ノ記』の乗馬は、事前に馬が乗れることを小泉監督にお話ししたら、そのシーンが追加されたんです。世界的に評価の高い監督の一言で自分のシーンが追加されたのは自信にもつながりました。

――小学4年生で将来のために乗馬を始めるなんて、すごいことだと思うんですが、その時点で一生この道でやって行くと決めていたのですか?

吉田 漠然とですが、この世界でやっていくのかなと感じていました。他の道を考えたことはないですね。今もそうですが、このお仕事を取ったら僕には何もなくなるので(笑)。

――その時点で、どういうところにお芝居の醍醐味を感じていましたか。

吉田 小学生のときは、自分じゃない何かになれる、役を通して違う人生を経験することができるというところに面白さを感じていました。

――大人の方と接すること自体は苦手ではなかったのですか?

吉田 小学3年生から始めていたので、大人の方と接することに苦手意識はなかったです。大先輩の方々と一緒にお仕事をやらせていただいたことで、礼儀作法なども学ぶことができました。小学校でも、他の子に比べたらちょっと大人っぽかったんじゃないかなと思います。

――同世代の俳優さんとの交流はありましたか?

吉田 一緒のクラスになることはなかったのですが、濱田龍臣は高校の同級生でした。同じスマホゲームをやっていて、それがきっかけで仲が縮まりました。彼は子役としても先輩ですが、高校時代に『ウルトラマンジード』で主人公を演じているので、ウルトラマンシリーズの先輩でもあります。

――同世代の俳優たちにライバル意識はありましたか?

吉田 小・中学生のときは、身近に同業の子がいなかったんです。だからライバル意識を持つことはなかったのですが、オーディションで毎回のように被る子がいて。最終選考に残っても、一歩及ばずということも多くて、悔しい思いもめちゃくちゃしてきました。