為末大さんに2時間のトレーニングでみっちりと陸上の指導をいただいた
――さらに今年はメインキャストを務める『ウルトラマンオメガ』が放映中ですが、出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか。
吉田 最初にお話しさせていただいたように、漠然とヒーローものに憧れがあって、いつかは自分もそういう作品に出演したいと思っていました。しかも小さい頃から観ていたウルトラマンシリーズで、『ウルトラマンギンガ』(13)や『ウルトラマンX』(15)は熱中して観ていたのでうれしかったですね。しかも僕が演じるホシミコウセイが味方の怪獣「メテオカイジュウ」を操って、ウルトラマンオメガと一緒に地球の平和を守っていけるなんて夢にも思いませんでした。
――ウルトラマンと地球人のバディものは新しい試みですよね。
吉田 そうなんです!現場も「みんなで新しいウルトラマンを作ろう!」と気合が入っていましたし、実際に放映後も「これは新しい」とポジティブな反応をいただけたので、狙い通りでもあり、とてもありがたい声でした。
――クランクイン前の事前準備として何かされましたか?
吉田 初めて台本を読ませていただいたときに、もともとコウセイは陸上をやっていたキャラクターということが分かって。僕自身も学生時代は部活で短距離をやっていて、コウセイとリンクしていたんですが、ブランクがあるし、ちゃんと役作りをしていきたいという気持ちもあったんです。そしたらご縁があって、オリンピアンの為末大さんに2時間のトレーニングでみっちりと陸上の指導をいただきました。
――それは貴重な時間ですね!
吉田 贅沢ですよね。内容としては、コウセイの回想で陸上大会のシーンがあったので、レーンに入って、クラウチングスタートから、走って、ゴールテープを切るまでの一連の流れを主に特訓していただきました。練習をつけてもらった日は大雨だったんですが、丁寧に教えていただいて。あっという間に陸上をやっていた当時の記憶が蘇ってきたんですが、それは為末さんの教え方が上手だったからですね。
――山での戦闘シーンが多いですが、汗もかいていますし、そうとう暑かったのではないでしょうか。
吉田 めっちゃ暑かったです。撮影時期が去年の7月中旬から10月でしたからね。アスファルトの照り返しもありますし、もう汗だく……。特に1話なんて走りっぱなしでしたし、コウセイは全身つなぎの作業服を着ているので、ただでさえ僕は汗っかきなんですけど、大量の汗をかいて、それを生かして撮影しました。涼しいのは屋内ロケだけ。コウセイたちが拠点にしている太陽倉庫での撮影はオアシスでしたけど、怪獣と戦うときはほぼ外にいるので大変でした。
――怪獣の大きさを想像しながらのお芝居はいかがでしたか。
吉田 撮影前にデータで怪獣のビジュアルをいただいていたんですが、どういう動きをするのか、どんな鳴き声なのか、どんなふうに襲ってくるのかなどは一切分からなかったんです。普段からお世話になっている演技トレーナーの方のアドバイスもあって、怪獣の大きさの感覚を掴むため、役が決まった直後に、福井県立恐竜博物館に日帰りで行ってきました。現実の世界で怪獣の存在に近いのは恐竜かなということで。恐竜たちは20メートルほどしかないとはいえ、目線の感じや、実際に恐竜を目の当たりにしたときの恐怖感などを経験できたことが、撮影でも活かすことができました。
――完成した映像をご覧になっていかがでしたか?
吉田 感動しました!僕が一番好きなのは3話で、メテオカイジュウ「レキネス」が手に乗せていたコウセイを地上に降ろした後、敵の怪獣に反応して目が青く光るシーンで、こんな風に仕上がるのかと感無量でした。現場ではグリーンバックの前でワイヤーに吊るされて、風を浴びただけなので、何が起こっているのか分からないんですよ(笑)。でも完成映像を観たら、レキネスもかっこいいし、まさに小さい頃に観ていたヒーロー作品の世界に僕が入り込めている実感が湧きました。
――最後に今後の見どころを教えてください。
吉田 7話から「トライガロン」という第二のメテオカイジュウも加わりましたが、ウルトラマンオメガと力を合わせて戦うメテオカイジュウも魅力的ですし、ウルトラマンオメガの人間態であるオオキダ ソラトとコウセイのバディぶりにも注目してほしいです。様々な障害に直面した二人が、どうやって乗り越えていくのか、それを経てコウセイがどう成長していくのかも見守ってください。
Information
『ウルトラマンオメガ』
毎週土曜日午前9時から
テレ東系6局ネット発・世界同時期放送&配信中!
ヒーローも怪獣も存在しない地球に、突然「ソラ」から落ちてきた宇宙人。その姿は、赤き宇宙ブーメラン「オメガスラッガー」をシンボルに湛える、“究極” の名を冠したウルトラマン。それまでの記憶を失った宇宙人「ウルトラマンオメガ」は、「ソラト」と名付けられた地球人の姿で、初めて触れ合う生き物「地球人」を理解しようと、興味津々に人々を見つめる。ときに出現する巨大生物、ソラトの失われた記憶から蘇る「怪獣」という言葉。次々と出現する巨大生物「怪獣」を目の前にして、無意識に使命を掻き立てられるソラトはウルトラマンオメガに変身し、シャープでパワフルな戦いを繰り広げる。一方で地球人も、初めての巨大生物と赤きスラッガーで戦う巨人が何者なのかを理解しようと、あらゆる目でその姿を見つめる。やがて結ばれる「宇宙人と地球人」のバディ…ソラトと平凡な青年。見つめ合い響き合うバディの心を通して、「ウルトラマンがなぜ地球を守るのか?」の問いに迫る。今、目覚めの刻(とき)―
PHOTOGRAPHER:YASUKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI