みんなで大きいテーブルを囲んで、一緒にお昼ご飯を食べるのも楽しかった

――先ほどのお話にもありましたが、二か国語で会話することに違和感はなかったですか?

青木 それぞれのセリフを知っているのもありますし、自分の中でお互いの言葉が通じる設定というのを飲み込んでいたのもあって、違和感はなかったです。全ての単語を聞き取っている訳ではないんですが、ジャドさんの表現力もあって、すごく気持ちが乗っているのが伝わってくるし、逆に僕の気持ちを受け取ってくれているなと感じていたので、日本語で返すことにも抵抗はなかったです。

さとう ミミはダニエルとベタベタしているだけなので(笑)、意外と二か国語で会話するシーンは少ないんですが、私がペナン島に入ったとき、ちょうど柚くんとジャドさんのシーンを撮影していて。聡太郎とダニエルが大きな木の下で出会って、二人でわちゃわちゃする私が大好きなシーンなんですが、言語が違うのに、本当に違和感がないんですよね。現地で見ていてもスーッと心地よく入ってくるシーンだったので、不安に思うことは何もないんだと感じました。

――役作りで意識したことを教えてください。

青木 聡太郎に関しては、もちろん『天使の集まる島』単体でも楽しめる映画ではあるんですが、演じる側としては『飛べない天使』の前日譚ということで、どうしても年齢や時間について意識しなくてはいけない。『飛べない天使』は2年前ぐらいの撮影だったので、僕自身は年齢を重ねていますが、逆に聡太郎は若くしなきゃいけない。しかも聡太郎は幼さというか、未熟な部分をキャラクターの中心として捉えていたので、「今の自分で大丈夫かな?ちょっとはおじさんになってるよ」という思いもありました(笑)。なるべく心情の部分でピュアな心を強く持って、聡太郎を表現できたらなと思いました。堀井監督からも、『飛べない天使』の聡太郎になる前の話だから、全く一緒にしなくてもいいと仰っていただいたので、ピュアな気持ちを大事にして撮影に臨みました。

さとう 最初に堀井監督とミミの自由さについて話したときに、聡太郎には「なんだ、あいつ」と思われているけど、第三者から見て、「かわいいところあるじゃん」くらいのわがままさなのか、誰からも嫌われるぐらいのわがままさなのかを聞いたんです。「誰からも嫌われるぐらいでいい」という答えだったんですが、それはそれでミミが嫌われちゃったら嫌だなと。それは脚本の意図するところではないし、後の聡太郎に影響を与える部分が、どう作用するのかを考えました。でも堀井監督の中で、天使というキャラが明確にあって、ダニエルという「愛している人・愛してくれている人」がいるという絶対的なものがあるから、何をしても、ただのわがままにはならない。絶対にマイナスの自由じゃなくて、プラスの自由に変換されていくんだな、だからミミは魅力的に見えるんだなと感じたときに、ペナン島というロケーションもあったと思いますが、伸び伸びと演じることができたんです。絶対に変わらない核があるから、聡太郎のご飯を盗っても愛らしく見えるのかなって思いました。

――現地の食べ物はいかがでしたか?

さとう 劇中でホルモンの入ったスープを食べたのですが、たくさん詰め込み過ぎちゃって、種類の違うホルモンが口の中でパンパンになって頭から爆発しそうでした(笑)。ただカメラが回っていないときに食べたご飯は全て美味しかったですね。
青木 何を食べても美味しかったんですが、特に「ナシカンダー」というペナン島発祥と言われているお魚の入った料理は格別でした。異国に行くときって、現地のご飯が合うかどうかという心配がありますけど、ペナン島で食べたご飯は全て自分に合いました。毎日、コーディネートしてくれる方々がお勧めするお店に行ったんですが、同じ店に行くことはほぼなくて。スタッフさんも限られた人数だったので、みんなで大きいテーブルを囲んで、一緒にお昼ご飯を食べるのも楽しかったですね。