こんにちは。GANG PARADEのキャ・ノンです。夏の三番勝負も終わり、9月に突入してしまいました。まだまだ東京は暑くて、夏が終わった心地は一切しませんが、わたしは大好きな秋が長ければ長いほどうれしいので、無理して長袖を着て、自分にはもう秋だと言い聞かせたいと思います。
というわけで今日は、夏の三番勝負の最後を飾った、8/31に行われた横浜赤レンガ倉庫での野外ワンマンライブ『狂遊』の日のことを書いていこうと思います。
みなとみらい線に揺られている時間は永遠に感じた。どの駅も似たように綺麗で、今自分がどこにいるのかわからなくなる。MCで話したいことをぶつぶつと確認しては、ライブへの緊張でどこか自分がそわそわしていることに気付いていた。ふと、2017年にわたしがはじめてGANG PARADEを見た日のライブ映像が見たくなって、YouTubeで検索をかけるとすぐに出てきた。8年前のメンバーの姿は、みんなどこかあどけなかった。ユアちゃんのMCでの煽りも、少したどたどしくて不器用さが全面に出ていて愛おしかった。パフォーマンスは荒削りで必死で、このステージにすべてを掛けていることが痛いほど伝わってきた。自分も頑張るぞ、と背中を押されたところで駅に到着した。
楽屋に到着すると、みんなGANG RISEの衣装と新衣装の2着持ってきているので、キャリーケースがそこらじゅうに転がっていた。お弁当を選んだり、メイクをしたりしながら、まだ今日が赤レンガでライブするという実感が持てないという話をみんなでしていた。
晴れ女集団GANG PARADE。横浜の空は雲ひとつない青空で、リハーサルは炎天下の中だった。外から丸見えなのもあり、最低限のモニターチェックをして楽屋に戻った。一瞬だったのに暑すぎて汗だくになった。
こんなにいい天気だったら、きてくれる遊び人のほうがライブが始まるまでの時間暑いんじゃないかと心配していたが、少しずつ日が落ち始めて安心した。少しだけ涼しい風を感じて、横浜スタジアムでバイトしていたときのことを思い出した。横浜という場所はなんだか好きだ。出身でもないけれど、いろんな思い出が詰まっていて特別な場所だ。
ライブが始まる頃には、空は夕焼けでオレンジ色に染まっていた。ステージの裏で円陣を組んで階段を登る。今回のために特設ステージを組んでもらって、本当にいろんな人に支えられてこの場所に立てるんだと改めて噛み締めた。SEが流れてステージに向かう。空がまだ明るいおかげでフロアがはっきりと見えた。遊び人のみんなの顔が鮮明に目に映って、わたしは8年前のあの日、赤レンガという場所に行けてよかったと思った。あの時は客席からステージを見ていたけれど、この日はステージからみんなの顔を見ることができて、バンドライトの光も、みんなの表情も、本当に美しかった。
だんだんと空が暗くなり、あっという間に夜になった。インタールードを挟んで、新衣装に着替える。汗でびしょびしょになっているせいで着替えるのに手こずった。時間ギリギリまで使って前髪を少しだけ乾かしてなんとか舞台袖に向かう。後半戦は『PARADE GOES ON』から始まった。イントロが流れて旗の画が映り、後ろから新衣装になったメンバーが登場する演出で、わたしたちが映った瞬間、客席からの悲鳴が聞こえてきて笑顔になった。ステージへ上がるとすっかり真っ暗になっていて、バンドライトは星のように輝いていた。
本編は一瞬で終わり、ステージ裏に捌けると「まだ足りない」の声が聞こえてきた。太陽は出ていないけれど、夏の夜はさすがに暑かった。ポカリスエットをがぶ飲みして、呼吸を整えて出る順番に並んだ。アンコールは『FOUL』から始まった。わたしが8年前にみたライブでもすごく印象に残っている曲だ。赤レンガで絶対にやりたいですとお願いしていた。そして最後は『GANG RISE』でライブを終えた。「あの日もここから全てが始まって」「守り続けたこの名を刻み掲げて」という最後のユアミキのパートがこれでもかというほどの説得力だった。
あの日夢見たこと、憧れたこと、なにひとつ間違いじゃなかった。あの頃の自分にセンスいいじゃんと言ってあげたい。大反対されても夢見ることやめないでよかった。そう思わせてくれたのは、紛れもなくステージから見える景色と、隣を見たらいっぱいいるメンバーだった。
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