聴いた瞬間に「これだ!」と直感したアルバムリード曲「おとぎましょう」

――いよいよ2ndソロアルバム『OTOGIMASHOU』がリリースされます。「御伽噺」を想起させるようなタイトルですが、まずは、アルバムのテーマやコンセプトから教えてもらえますか?

高城れに(以下、高城) ソロ活動を始めて10年が経ったのですが、毎年思うことが違ったり、たまにもう一人の自分が現れたりすることがあって。本当の自分って何だろう?と考えた時に、そういう感情や物事を楽曲で表現してみたいなと思ったんです。難しく考えずにポップに表現したくて、親しみやすく色々な世代の方に楽曲を知ってもらえて、共感してもらえる「御伽噺」をテーマにしました。

――収録曲のタイトルをパッと見た時に、「レニー来航!!」という楽曲はありますが、1stソロアルバムの時のような「Dancing れにちゃん」や「everday れにちゃん」といった「〇〇れにちゃん」シリーズがなかったので、高城さんの新たな挑戦ややりたいことが詰まっているのかな?とも感じましたが、全体としてはどのようなアルバムになりましたか?

高城 収録曲はバラエティーに富んでいますが、どれも私らしい楽曲になっていると思います。1stアルバムのリリースが4年前のコロナ禍で、アルバムを引っ提げたライブツアーができなかったんです。でも、そんな時期を経て、ライブが再開した時にモノノフの皆さんの幸せな顔やコールにすごく支えられていたんだなと改めて実感したので、今回のアルバムには、コール&レスポンスができる新曲がたくさん入っています。

――確かに、ライブで盛り上がりそうな曲、ライブ映えしそうな曲が多いなという印象を受けました。リリース後のライブもイメージしてアルバム作りをされたのですね?

高城 そうですね。ライブ(で盛り上がるイメージを)優先で作っていただいた楽曲も多く、仮歌を聴いた時に、ここにコールを入れたいですとお願いしたりもしました。特に、「きみの世界をまもって!」は、入れられるところすべてにコール入れてくださいとお願いして、実際に入れてもらいました。

――ありがとうございます。では、ここからは新曲を中心にお話を聞いていきたいのですが、まずは、アルバムのオープニングを飾るリード曲「おとぎましょう」について教えてください。ひらがな表記にすると、タイトルからは少し柔らかい印象を受けますが、曲はかなりファンタジー要素が強い楽曲になっています。曲の第一印象はいかがでしたか?

高城 (目力の強い感じで)これだ!って思いました。

――めちゃめちゃ力強いですね(笑)。

高城 けんたあろはさんには、以前、ポジアテ(「ポジティブ・アテンションプリーズ!」)を作っていただいて、私自身もたまげた曲だという印象でした。スタッフさんやモノノフさんからも「なんだ、この曲は!」という感じのリアクションでした(笑)。癖になるし、ライブで一緒に盛り上がれるし、私が求めているものがすべて詰まった曲になっていたので、今回も楽曲制作をお願いしました。次はどんな曲を作っていただけるんだろう?と期待値が上がった状態で待っていたら、斜め上をいくような楽曲が届いたので、第一印象では最高!と思ったんですけど、冷静になって考えた時に「ちょっと待って、これ私が歌うんだよね?」と少し心配になりました(笑)。案の定、本当に半泣き状態でレコーディングしました。

――なるほど。聴いた時にはもう直感で「これだ!」と感じたものの、実際に歌ってみたらかなり難しい面もあったのですね?

高城 めちゃくちゃ難しかったです。私が求めていたものがすべて詰まってる曲なんですが、その反面、私が苦手とするものもすべて詰まっていました(笑)。歌えるか不安でしたが、曲に寄り添うことで自分自身も曲の世界観に浸れるんじゃないかなと思って、一生懸命レコーディングしましたし、今、ライブに向けてたくさん歌っています。

――ちなみに、振りはどのような感じになっていますか?

高城 ファンタジー要素や楽しさだったり、乙女チックというか、可愛らしい振りつけになっています。今回はテレビの歌番組『J-MELO』さんにも出演させていただきました。前回ソロで出演した時には1人での出演だったんですけど、今回は初めてダンサーさんと一緒に出演させていただいたので、アーティストさんみたいだなと思いました(笑)。ももクロでもダンサーさんと一緒に音楽番組に出たことはほとんどないので、気持ちが高まりましたし、心強かったです。

――そんな歌番組への出演も楽しみですが、MUSIC VIDEOでも曲の世界観を体感できると思いますので、是非MVの見所も教えてください。

高城 見所はファンタジーな世界観を前面に出して表現している部分かなと思います。愉快な仲間達が頑張ってくれて、それぞれのキャラが踊り方にもこだわっていますし、セットや小道具も美術さんがこだわってくださったので、色々な方の支えがあって完成したMVです。御伽噺の世界の中に入り込んだという風に見ることもできますし、登場する男の子を自分に置き換えて見ることもできますので、色々な視点から楽しめる作品になっています。どういう視点で見るかは、その時の状況やそれぞれのタイミングによっても違うと思うので、MVの感想も聞いてみたいです。