初めての長編映画『水は海に向かって流れる』で、もっとお芝居を頑張りたいと思った
――キャリアについてもお伺いします。當真さんは地元・沖縄でのスカウトをきっかけに芸能界入りしますが、本格的にお芝居をやろうと思ったきっかけの作品は何だったのでしょうか。
當真 初めて長編映画に参加させていただいた『水は海に向かって流れる』(23)です。お芝居自体も初めてに近かったんですが、撮影1ヶ月前からリハーサルをさせていただいて。そこから撮影に臨んだのですが、クランクアップ後に「もっとできたはずなのに」と反省することが多くて、まだスタートラインにすら立てていないという感覚になりました。主演の広瀬すずさんを始め、キャストの皆さんのお芝居を間近で見ることもできましたし、もっと頑張りたいなと思った作品でした。
――もともと表現することは好きだったんですか。
當真 いえ、この世界に入るまで、ほとんど経験がなかったです。だから余計に難しいなと感じることが多かったですね。最初は台本を覚えることに精一杯だったんですけど、だんだんとお芝居をしていて楽しいとか、他の人のお芝居を受けてどう返すかをその場で考えることが面白いと感じられるようになりました。
――高校進学のタイミングで上京したそうですが、寂しさはありませんでしたか?
當真 特にホームシックになることはなかったですね。実家には妹がいて、いつも家の中がうるさかったので、一人で静かな空間で過ごせるうれしさのほうが大きかったです(笑)。
――すぐに東京での生活には慣れましたか。
當真 なかなか慣れなかったです。上京当時は電車や人の多さにびっくりしました。沖縄に帰省すると、時間の流れも違うなと感じますね。実家に帰ると、お母さんが身の回りのことやってくれるので終日ボーッと過ごして。一日がとても長く、ゆったりと感じます。
――オフの日はどう過ごすことが多いですか。
當真 よく映画館に行きます。仕事を始めたばかりの頃は、映画を観て勉強するという気持ちが強かったですし、マネージャーさんからも「映画館で映画を観たほうがいい」と言われていました。今は、ただただ映画が好きで通っています。
――最近、映画館で観た中で印象的だった映画は?
當真 『近畿地方のある場所について』が面白かったです。ホラー作品は怖いという気持ちが勝って、一歩踏み出すまで勇気がいるんですけど、人気ジャンルの一つですし、観るとお芝居もホラーならではの面白さがあります。以前、『忌怪島/きかいじま』(23)というホラー映画に参加させていただいたのですが、そのときもいろんなホラー作品を観て準備しました。
――『近畿地方のある場所について』は、めちゃめちゃ怖いですよね。
當真 友達と行ったんですが、満席で前から二列目しか空いていなくて。画面の真ん前で見ちゃったので、怖すぎてスクリーンの下半分しか直視できないシーンが多かったです。友達とくっつきながら観ていました(笑)。
Information
『ストロベリームーン 余命半年の恋』
2025 年10月17日(金)全国公開
當真あみ 齋藤 潤 / 杉野遥亮 中条あやみ
池端杏慈 ⿊崎煌代 吉澤要⼈ 伊藤健太郎 泉澤祐希 池津祥⼦ 橋本じゅん / ⽥中麗奈 ユースケ・サンタマリア
原作:芥川なお「ストロベリームーン」(すばる舎)
脚本:岡⽥惠和
監督:酒井⿇⾐
配給:松⽵
🄫2025「ストロベリームーン」製作委員会
桜井萌は、⼩さい頃から病弱で学校に通えず、友達もいないまま、毎⽇ひとり家の中で過ごす⽇々。そんな彼⼥の密かな夢は、⾃分の誕⽣⽇に、好きな⼈と⼀緒に⾒ると永遠に結ばれるという6⽉の満⽉ 「ストロベリームーン」を⾒ることだった。しかし15歳の冬、萌はついに⾃⾝の余命が残りわずかであることを宣告される。家族とともに悲しみに包まれた病院からの帰り道、萌は“運命の相⼿”を⾒つけ、⾼校に通うことを決意。そして⼊学式の⽇、初対⾯にも関わらず同じクラスの同級⽣・佐藤⽇向に突然の告⽩を決⾏する︕萌の猛アプローチにより、⼈⽣初の<お付き合い>がスタート。初めて「恋⼈」という存在ができた⼆⼈は、少しずつお互いの距離を縮めていき、いよいよ萌の誕⽣⽇6⽉4⽇に「ストロベリームーン」を⾒に⾏く⼆⼈。しかし、その⽇を境に萌は学校から姿を消し、⽇向は萌と連絡が取れなくなる。萌が消えた理由、そして13年後に届く秘密とは……?
當真あみ
2006年11月2日生まれ、沖縄県出身。2021年、CMにてデビュー。翌年、テレビドラマ「妻、小学生になる」(22/TBS)にて初出演を果たす。またアサヒ飲料「カルピスウォーター」14代目TVCMキャラクターを務め脚光を浴びる。2025年7月、「ちはやふるーめぐりー」(NTV)で連続ドラマ初主演。主な出演作品に、大河ドラマ「どうする家康」(23/NHK)、「最高の教師 1年後、私は生徒に◼️される」(23/NTV)、映画『かがみの孤城』(22/原恵一監督)、映画『おいしくて泣くとき』(25/横尾初喜監督)、映画『雪風 YUKIKAZE』(25/山田敏久監督)、来年も主演映画「終点のあの子」(1月23日公開)、劇場アニメ「パリに咲くエトワール」などがある。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:SAKURA,STYLIST:大村淳子