ダンスをやっているからこそ、自分がこう映っているなという想像がつく

――キャリアについてお伺いします。いつ頃からお芝居に興味があったんですか。

⽇穏 アーティストになる前から、俳優になりたいという気持ちが強かったです。原点は幼稚園の頃で、物心ついた時から朝起きて、家族が録画したドラマを勝手に観るのが日課だったんです。その中で「コドモ警察」というドラマを観た時に、「面白い!僕もこの画面の中に入りたい」と思ったんです。そこからブレずに、ずっと俳優になりたいと思っていました。幼稚園の時点で家族にも伝えていて、「応援するよ」と言ってくれました。

――先ほど劇団にいたと仰っていましたが、いつ入団したんですか。

⽇穏 小学6年生の時です。家族もサポートしてくれたんですが、「エンタメ業界で輝くんだ!」という根拠のない自信があったんですよね。実際に初舞台の時も、「この世界は自分に合っている」という感覚がありましたし、人前に立って、人の心を動かすのが楽しかったんですよね。

――劇団ではどんな経験をされましたか。

⽇穏 演技レッスンというのは特になくて、作品を通して自分なりに演技を解釈し学んでいくことが中心でした。そこで演技というものを深掘りしていきました。

――子役専門の劇団ではなく?

⽇穏 違いますね。ただ年齢別でクラス分けされていて、僕は同世代の中学生と一緒にやっていました。

――BMSGに入った経緯をお聞かせください。

⽇穏 ミュージカルをやる劇団だったので、ジャズダンスを中心にダンスレッスンがあって、英語の歌唱による歌のレッスンもあって。音楽に触れる機会が増えて、音楽がどんどん好きになっていきました。自分の好きな音楽を追求していく過程で、「THE FIRST」のオーディションを見て、「自分もBMSGに入ってアーティストになるのはとても良いかもしれない」と思ったんです。それで「MISSION×2」に参加したんですが、アーティストとして活動しながら、昔から追っていた演技の夢も少しずつ叶えられたらなという気持ちがありました。

――もともとダンスは得意だったんですか。

⽇穏 ダンスは劇団に入ってから始めたんですが、最初は得意でもありませんでしたし、好きでもありませんでした(笑)。でもレッスンを受けていくうちに踊ることの楽しさを知って、いかにかっこよく見せるかを追求していくことも楽しくなりました。

――アーティストとしての活動が、演技に影響を与えている部分もありますか。

⽇穏 歌でしか培うことのできない表現力が、演技にも活かされているのかなと思っています。歌の時に自分の思っている以上にオーバーにやることが、演技にもつながっているんですよね。

――『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』は引きの絵も多いですが、身体の見せ方もダンス経験が活かされているのかなと感じました。

⽇穏 確かにそうですね。ダンスをやっているからこそ、自分のかっこいい角度、逆に変に見える角度が分かるので、クセのある動きをしないといけない時は、いつもかっこいいと思っている逆のことをやったりしています。カメラを見なくても、なんとなく自分がこう映っているなという想像がつくんです。

――最後に改めて『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』の見どころを教えてください。

⽇穏 一癖ある主人公の代々木ジョニーが、いろんな人たちと接していく中で、今まで持っていた概念が少しずつ変わっていって、当たり前が当たり前じゃないという疑問も生まれて、人間らしくなっていくという変化に注目してほしいです。そのほかにも、たくさん癖の強いキャラクターが出てくるので、そこにも注目してください。

Information

『代々木ジョニーの憂鬱な放課後』
新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー中

⽇穏 今森茉耶 松⽥実桜 ⻄尾希美
⼀ノ瀬瑠菜 加藤綾乃 吉井しえる ⾼橋璃央
瑚々 根⽮涼⾹ 平井亜⾨ 綱啓永 中島歩
前⽥旺志郎 安藤聖 / マキタスポーツ

監督・脚本・編集:⽊村聡志
主題歌:カネヨリマサル「君の恋⼈になれますように」(Getting Better/Victor Entertainment)
©2025「代々⽊ジョニーの憂鬱な放課後」製作委員会

ちょっと天然で⽣真⾯⽬な⾼校⽣男⼦・代々⽊ジョニー(⽇穏)は、今カノ・熱⼦ちゃん(松⽥実桜)を怒らせてしまったり、スカッシュ部のクセ強メンバー・バタコさん(加藤綾乃)、神⽗さん(髙橋璃央)たちと部室で無駄話をしたり、引きこもり⽣活中の幼なじみ・神楽(⼀ノ瀬瑠菜)に会いに⾏ったり、マイペースな放課後を過ごしていた。しかし、スカッシュ部の熱⾎新⼈部員デコ(吉井しえる)の⼊部により突如スカッシュ部の活動が本格化したり、バイト先で出会った何やらワケあり⼥⼦の出雲さん(今森茉耶)と惹かれ合ったりするうちに、恋愛・友情・部活と少しずつジョニーの⽇常や周辺の事情が変化していく。そんな中、スカッシュ部の団体戦の⽇が近づいて来て……。

公式サイト
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⽇穏(KANON)

2006年4月3日・福岡県生まれ。SKY-HI率いるBMSG主催のオーディション『THE LAST PIECE』から誕生した新星ボーイズグループ「STARGLOW」のメンバーとしてDigital Single『Moonchaser』で2025年9月22日にプレデビュー。俳優としては、FODオリジナルドラマ『ゲート・オン・ザ・ホライズン〜GOTH〜』ではBMSGのRUI、TAIKIとトリプル主演を務めた。本作が映画初出演にして初主演。

PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI,HAIR&MAKE:Seika Tsutani(MASTER LIGHTS),STYLIST:Yuki Tsuchida
TOP:¥62,700 by CMMN SWDN(コモンスウェーデン) PANTS:¥77,000 by Feng Chen Wang(フェン・チェン・ワン) その他スタイリスト私物