母は何でも分かってくれる人で、全部の作品を観て、具体的に褒めてくれる

――雨音の再婚相手・朔を演じた栁俊太郎さんの印象はいかがでしたか。

蒔田 栁さんは今回がはじめましてだったのですが、とても素敵な方で、かっこよかったです。普段からテンションや声のトーンが落ち着いていらっしゃるので役と合っていて、雨音が朔くんに感じる安心感を、そのまま栁さんから感じさせてもらいました。

――雨音の高校時代の同級生・水内を演じた結木滉星さんも初共演ですか?

蒔田 ミュージックビデオでご一緒させてもらったことはありますが、本格的なお芝居での共演は初めてでした。雨音にとって水内は、人としても友達としても信頼している異性で、純粋な気持ちで一緒にいられる唯一の存在。結木さん自身、水内のような温かさを感じられる方でした。それで言うと、樹里の夫・水人を演じた富田健太郎さんはパワフルな方で役と一致していました。3人ともそれぞれ異なる雰囲気をお持ちなので、それぞれに対する雨音を演じ分ける上で大変助けられました。

――雨音と、霧島れいかさん演じる雨音の母・雫の関係性はどのように映りましたか。

蒔田 雫は唯一、映画を観る観客目線のキャラクターなんですよね。私たちにとっては普通のお母さん像を、霧島さんが見事に表現してくださったので、私自身もお母さんの意見に同感するんです。でも劇中では、お母さんのほうが間違っているかのような扱いなので、それに反抗する雨音の気持ちを理解するのは難しかったです。そういう葛藤もあって、雨音がお母さんと話すクライマックスは、こんなに緊張したのは初めてというくらい緊張しましたし、一番苦労したシーンです。

――蒔田さんご自身とお母様の関係はいかがですか。

蒔田 私の母は何でも分かってくれる人なので、あまり衝突することもありませんし、反抗期もなかったです。

――ご家族とは今も仲が良いんですか。

蒔田 すごく仲が良くて、よくみんなでご飯を食べに行きます。特に母とは2週間に一回のペースで外食をするんですが、仕事であったことを聞いてくれますし、母も仕事の話を私にしてくるので、お互いに気が晴れるんです。

――お母様は蒔田さんの出演作を観ているんですか?

蒔田 全部の作品を観て、具体的に褒めてくれます。もうベタ褒めですね。時間が合えば、舞台挨拶にも来てくれるので、ありがたいです。