アルバムには山崎あおいやShoichiro Tokoが作詞した楽曲も

――ここからは新曲を中心に聞かせてください。まずは、9曲目の「箱庭の世界」について。

天城 この曲のポイントはですね…、まず、作詞が秋元先生じゃないというところです。この曲は「22/7」という楽曲と同じく、Shoichiro Tokoさんが作ってくださいました。Tokoさんはナナニジのライブもよく観に来てくれて、秋元先生の歌詞かなと思うぐらいにナナニジのことを分かってくれている歌詞だったのでとても驚きました。でも、秋元先生とはまた違った目線で、ナナニジをわかってくれている方が書くナナニジソングになっていると思うので、曲全体が推しポイントです。

望月 私は今年、初めて舞台のお仕事を経験したのですが、グループだけの世界で考えないで、自分の可能性を信じて頑張れ、君ならできるよ!と背中を押してもらえる曲だと思いました。

麻丘 曲調がとても好きですね。浸れる曲というか、聴いているだけで映像が浮かぶ感じの曲なのですが、歌詞について深く考えてみると、苦しいところもあるというか…。私的には、ポジティブに背中を押されるというよりは、自分を冷静に見てみようと思う曲だなと感じています。私はリアリストなので、そういう人が聴くとグサグサ刺さる部分もあるんじゃないかなと思います。同じようにリアリストのナナニジファンの方の感想を是非聞いてみたいです。

――たしかに、この曲は聴く人によって、色々な捉え方ができそうな曲だなと感じたので、反応や反響が楽しみですよね。では、もう1曲の新曲「スパシーバ!」について。私はこの曲からどことなく“ハロプロっぽさ”を感じたのですが、クレジットを見たら山崎あおいさんだったのでびっくりしました。この曲についてはいかがでしょうか?

麻丘 私はめちゃめちゃこの曲好きですね。ライブで披露するのが楽しみな1曲です。後ろに入っている「ハッ!」とか「オイ!」といったかけ声もメンバーがレコーディングで録った声なんですが、みんなで頑張ってお腹から声を出したので、ライブではファンの皆さんにも同じようにかけ声を入れていただけたらなと思います。一体感増し増しで、ライブの定番曲になっていってくれたら嬉しいです。

――かけ声はどのようにレコーディングしたのですか?

麻丘 実はみんなで一緒に録ったんです。真ん中にマイクを立てて円になって、「次はハッ!を録りま~す」といった感じで楽しみながら録ったので、よりナナニジの一体感が詰まった曲になっていると思います。

望月 歌っていてとても気持ちいい曲なので、レコーディングがとにかく楽しかったです。冒頭の「愛されすぎたら なぜか ちょっとね 嫌な気分だわ」とか、「冷たくされても それは それで プライド傷つくわ」という山崎さんの歌詞も最高ですよね。面倒くさい女心が描かれていて大好きです。

――この曲も秋元先生以外の作詞曲ということになりますが、天城さんはいかがでしょうか?

天城 私は幼少期時代からハロプロっ子で、ハロプロエッグのオーディションも見ていましたし、月島きらりちゃんをベースにアイドル活動をしてきたのですが、ナナニジとして山崎あおいさんの歌詞を歌える日が来るなんて思ってもいませんでした。9年目にして、強い女になれて嬉しかったです(笑)。秋元先生の歌詞は、一人称が「僕」の曲や女性が主人公でも失恋ソングなどが多いんですけど、こういう強い女の曲をずっと歌ってみたかったので、ライブがとにかく楽しみです。

――ありがとうございます。新曲中心に触れてきましたが、既発曲でこのアルバムに入って良かった、是非聴いてほしいという曲も1曲ずつ挙げてもらえますか?

麻丘 私は「後でわかること」ですね。本当に歴代のナナニジの曲の中でも一番好きな曲かもしれません。歌詞がとにかく大好きで、人間の真理を描いているなと思っていて…。この曲と出会ってからは、例えばマイナスな気分になったとしても、最終的には良かったと思えるのだろうなと考えて生きられるようになりましたし、曲調も本当に私の好きな清楚で可憐なアイドルっぽい曲でお気に入りなので、このアルバムに入って本当に嬉しいです。

天城 私は「YESとNOの間に」です。私はずっとナナニジでアニメのタイアップをやりたくて…、でも、正直諦めていたところもあったんですけど、タイアップが決まったと言われた日のことが忘れられないので、これからも私にとってずっと大切な1曲であり続けるだろうなと思っています。ナナニジの表題曲でここまで明るくて、ライブでめちゃくちゃに盛り上がれる曲はなかったので、ナナニジとは別の世界観を持ったアニメ作品と関わらせていただくことによって生まれた新しいナナニジだなと思っています。

望月 私は「春雷の頃」が好きですね。状況がとても面白い歌詞だなと思っていて…。大雨の中で避難しているのだと思うんですけど、そんな情景をこんな風に噛み砕いた、秋元先生の歌詞が大好きです。