ファッションウィークで影響を受けたクリエイション
ーー今日のコーデはダークトーンですが、今季、手に入れたり狙っているアイテムは、そういう傾向のものが多いですか?
Novel Core 色があるアイテムも買っています。同じくヌビアンで見つけたTHE ATTICOのボルドーカラーのバーシティジャケットは、ウィメンズラインなんですが、見た瞬間にボルドーの色味と髪色がマッチすると思って手に取りました。シルエットも少し大きめというか、肩が落ちてきて可愛い感じだし、中に厚手のものを着ても映えそうで即決しました。あとは、PDFの厚手のチェックのフーディも気に入っています。中綿がすごく分厚く入っていて、モコッとする大きいシルエットで、これからの季節にぴったりだなと思います。ミュージックビデオの時にも着たんですけど、イエローを基調にしたチェックのカラーも可愛くて、髪色とコーデがケンカするかなと思ったんですけど、シルバーのワッペンが、要素を薄めてくれてバランス良く取り入れていけそう。

ーーイエローもビビッドではないし、ワッペンの適度な飾り具合もすごくいいですね。
Novel Core メジャー1stアルバムの『A GREAT FOOL』のジャケットもそうなのですが、昔からショッキングピンク、レッド、イエローを自分のシグネチャーカラーにしていて。『“BACK TO AGF” TOUR 2025』のテーマでもありましたが、その頃の自分に原点回帰した感じもあって。アートワークもそういうテンションで揃えたりとか、イエローのアイテムに目がいくようになっています。服ではないですが、ギターもイエローのストラト(フェンダー・ストラトキャスター)を買いました。
ーーファッションウィークはチェックしましたか?
Novel Core ツアーや制作などかなり多忙だったのですが、気になったブランドだけはチェックしました。全体的な印象として、ド派手なものだったり、あちらこちらに散らかっていったコレクションやルックの流れが、ブランドによっては元に戻ってきている感じを受けました。オーソドックスなスタイルというか、創設時のテンションに戻っている感じというか。一見シンプルだったりもするけど、その中で僕が先ほど話したような、同じ色&トーンで揃えつつ素材で違いを見せているとか、空間の広がりを感じさせるルックが増えてきたなと思っています。派手なデザインのものを探すというより、シルエットとか素材とかに注目して、服をオートクチュールとして楽しむことが、今っぽいのかなって感じています。

ーー特に注目したブランドはありますか?
Novel Core COMME des GARCONSのショーが面白くて、純粋に。“AFTER THE DUST(チリの後)”をテーマに掲げていたんですが、COMME des GARCONSと言えば黒だと思いますが、黒のルックがほとんどなくて。どれも一回完成したピースを丸ごと洗って壊していたことも印象的でした。いわゆる“スクラップ・アンド・ビルド”みたいな。デザイナーの川久保玲さんが“壊すことで何かを生む”ということを「勇気のいることだったけど、やる必要があると思った」と答えていたのですが、ポジティブなものだけじゃないニュースがいっぱいある現代社会で「壊れる」とか「ダメージを負う」といったことはネガティブなこととして紹介されていくけど、逆に新しい始まりを意味することでもある。ランウェイ自体も質素な感じでやっていたからこそ、テーマを表現した服や素材の面白さに、スッと目が行きやすかったです。
ーーそういうものを見た時に、ご自分のクリエーションに影響を受けることもありますか?
Novel Core めちゃくちゃありますね。ネガティブなものをポジティブなものとして捉えるとか、見方を変えることによって何か別のものを表現するとか。普段と違った視点で何かを見た時に、全く違う捉え方ができるというのは音楽とも似ていると思います。人それぞれの解釈に委ねて、どんどん可能性が広がっていくアートの面白さが、今回のCOMME des GARCONSのショーには詰まってたと思うし、すごく面白かったですね。

ーーご自身の方向性として、ポジティブなものとネガティブなものどちらかを表現するとしたら、今はどちらの気分ですか?
Novel Core 僕の感覚的には、ポジティブとネガティブを別物と思っていないんです。同じテーマで視点が違うだけというか基本的に表裏一体で、僕がポジティブなものとして発信しても、ネガティブなものとして受け取る人もいるし、その逆もしかりだと思う。僕も人から情報を受け取る時に、ポジティブな発信をネガティブに感じることもある。光には同時に影が付きまとってくるので、その両方をどれだけ鮮明に描けるかというか、「どちらか一方にフォーカスを当てないようにしよう」という発信の仕方を考えることが多いですね。「生きようぜ!」とか「明日があるから大丈夫!」といったような内容を発信する時は、逆にそういう言葉では励まされない人たちがいることも前提にして、そういう人たちの救いになれるようなものを同時に発信したいです。画一的に物事を見たくないというのは、自分の中にはあるかもしれないですね。
過去の連載記事はこちら
https://strmweb.jp/tag/novelcore_regular/
Novel Core
東京都出身、24歳。ラッパー、シンガーソングライター。
SKY-HI主宰のマネジメント / レーベル “BMSG” に第一弾アーティストとして所属。
高いラップスキルと繊細な歌唱技術を保有しながらも、等身大の言葉で紡ぐ飾らない表現力とパワフルなライブパフォーマンスが話題を呼び、幅広い世代から強い支持を集める。
ヒップホップとロックを軸に、様々なサブカルチャーを融合させた独自のミクスチャーサウンドは、ジャンルに縛られない自由な表現として高い評価を獲得。これまでに発表した全てのアルバム作品が主要チャートで日本1位を獲得するなど、その名を確かなものとしてきた。
2024年1月、日本武道館での単独公演を完全ソールドアウトで成功させ、翌2025年2月には自身初となるアリーナ単独公演を決行。
大型公演に限らず、全国各地のライブハウスを巡るツアーも精力的に展開し、圧倒的なライブ力と真摯な姿勢でファンダムとの強い信頼を築いている。
また、ライブの総合演出をはじめ、衣装のスタイリングからアートワークのデザインに至るまで、全てのクリエイティブにおいて一貫してNovel Core自身がディレクションを担っており、その鋭い感性は音楽シーンの枠を超えて高く評価されている。
FERRAGAMOやETROなどのトップメゾンのモデルにも起用されるなど、ファッション業界からの注目も高く、アーティストとしての表現領域をさらに広げている。
音楽、ファッション、アートワークなど、多種多様なカルチャーへの愛とそれを裏付ける実力で、Z世代を牽引する新世代ミクスチャーアーティスト。
PHOTOGRAPHER:TOMO TAMURA,INTERVIEWER:RITSU OOSOI,HAIR&MAKE:ASAMI HARANO
