チームの一員であることを実感できた武道館公演
――2022年6月3日にKT Zepp Yokohamaで開催したワンマンライブ「Novel Core 1st ONEMAN LIVE “I AM THE TROUBLE”」を、初のバンドセットで挑んだ経緯を教えてください。
Novel Core KOTAくんに「バンドセットでやる」と話したのは急だったよね。というのも1月22日にチッタ(CLUB CITTA’)で初の有観客単独ライブ「“A GREAT FOOL” BIRTHDAY LIVE」をやった時、予想以上に応募が多かったんです。当初の予定では、チッタを皮切りに「A GREAT FOOL TOUR」をやって、6月くらいにチッタと同じ規模の会場でツアーファイナルを打って、秋ツアーを組んで、年末にZepp Tokyoまでたどり着いていれば、3年以内の武道館公演も現実味があるなと考えていたんです。そのシナリオに沿って、ゆっくりと成長していこうと思っていたんですが、チッタの応募が多かったおかげで、6月のツアーファイナルはZeppで打てそうだと。だったら攻めたほうがいいだろうと僕が提案して、KT Zepp Yokohamaで昼夜2公演を打ったんです。だったら、このタイミングで念願だったバンドセットもやっちゃったほうがいいんじゃないかと。えげつないステップアップで、KOTAくんには大きなプレッシャーと苦労をかけたなと思います。
DJ KOTA それまでバンドでやるなんて考えたこともなかったからね。でも新しいことを覚えられるし、楽器と繋がったらビートメイクにも活かせるので全然ウェルカムでした。その時点では、そこまで難しいとも知らず……。


――Coreさんのスピード感についていけましたか?
DJ KOTA ついていくしかなかったですね。
Novel Core 他のTHE WILL RABBITSのメンバーもそうだと思うんですけど、僕が先陣を切って「こういうことをやろう」「ああいうことをやろう」って、課題のごとく次から次にやっていって。ライブも半年で数千人単位という規模で成長している。そこまで大きくなっていなかったら、立ち止まって考えようとなっていたと思うんですが、秋の「No Pressure TOUR 2022」もすべてソールドアウトした時点で、翌年1月は豊洲PITで打って、そこで武道館公演を発表しようという話が1年で進んでいったので、足を止められなかったんです。
DJ KOTA とてつもないスピード感ではあったけど、これが普通じゃないことも理解しないといけないなと思いました。他のアーティストも、こんな速度で成長するわけじゃない。正直、一時期は調子に乗ってた部分もあったよね。
Novel Core 僕も含めて、RABBITS全体で浮足立っていた。技術が追いついていないのを実感できていないうちに会場の規模が大きくなって、ライブもソールドするし、フェスに出ても、それなりにお客さんが来るし。それに慣れてしまったところがチーム全体であって。2024年1月17日の武道館公演を前にして、このステージの規模で、このライブのクオリティではまずいよねという反省がありました。みんなで失敗して、みんなで気づくみたいな。
――たとえば、どんな失敗があったのでしょうか。
Novel Core 2023年8月18日の「SONICMANIA」にRABBITSで出演した時に回線のミスがあって、僕の耳に届くはずのデータがRABBITSの耳に届いて、RABBITSの耳に届くはずのデータが僕の耳に届いてしまったんです。バンド内だけではなくPAチームとの連携ミスもあったんですが、そういうトラブルが起きた時に、パニくらずに演奏を完遂できるだけのスキルが当時の僕たちになかったんですよね。演奏もぐしゃぐしゃになったし、僕も何が起きているのか把握できていなくて、歌いだしも歌えなかった。かつSONICMANIAに出ているアーティストはEDMやハウスミュージックが中心だったので、僕たちのファンは50人いたかどうか。でもお客さんの数がどうこうではなく、僕たちを応援しに来てくれた50人に対して、良いパフォーマンスを見せることができなかった負い目を、みんなで感じなきゃいけないと思いました。


――そこから武道館に向けて体制を立て直したんですね。
Novel Core RABBITSには「正直、翌年に控えている武道館をバンドなしでやろうか検討しています」という話をしました。厳しい言い方になってしまったんですが、深夜のスタジオで3時間ぐらい話し合いをして、みんなで泣きながら、気を引き締め直さないとまずいぞと気持ちを切り替えました。
――SONICMANIAで起きたようなミスは、いくら気を付けても起こり得るものですから、場慣れも必要ですよね。
Novel Core シミュレーションが足りていなかったのは大きいですね。それぞれが細かいシミュレーションができるように、スケジュールに余裕を作れるだけのプラニングが僕もできていなかった。「ここまでに間に合わせないといけない」というギリギリの中でやっちゃっていたんですよね。RABBITSのみんなは必死についてこようとしてくれていたし、実際についてきてくれていたんですけど、そのありがたみを僕自身、あんまり分かっていなかった。進め方がめちゃくちゃだったんですよね。
DJ KOTA ただ、そこからは武道館に向けて、かなり引き締まった感じがあったよね。
Novel Core 振り返ってみると、いろいろあったよね。
DJ KOTA 当時のことは、まだギリ笑えないもんな……。
Novel Core 確かに(笑)。

――KOTAさんにとって、大きなターニングポイントになったライブは何ですか。
DJ KOTA やっぱ武道館ですね。DJとしての作業の割合は少なかったんですが、そもそもの音源制作やマニピも含めて、仕込みに一番時間がかかりました。当日はやりきった実感があったし、Coreと出会ってから今までのことがフラッシュバックしましたね。
Novel Core めっちゃ覚えているのは武道館の最後です。カーテンコールがあって、みんなで横一列になって頭を下げて、ダンサーが先にはけて、RABBITSのメンバー一人ひとりとハンドシェイクをして、それぞれはけて、最後にKOTAくんが残るようにしていたんです。それで二人でハンドシェイクをして肩を組んで、約7500人が集まって満員になっている武道館の景色を見ていた時に、KOTAくんが「うわぁ、すげえ」みたいな声をボソッと漏らして、それが自分的にグッときました。
DJ KOTA それまでは大きい舞台に出させてもらっていた感覚があったので、そこでチームの一員だな、一緒にやってきたんだなと初めて実感できたというか。その後の活動においても、武道館での学びはでかかったですね。
Novel Core スタジアム以外は一通り経験をして、各会場の特性や、会場の規模感によって出てくる懸念みたいなものはKOTAくんの頭の中にある程度あって。率先して意見を出してくれているのでありがたいです。
――昨年の「“BACK TO AGF” TOUR 2025」はDJセットを中心に全国を回りました。
DJ KOTA DJセットはバンドとは別の演出ができるし、「ラッパーのライブ!」って感じで、ひたすら楽しいですね。
