ソロアイドル塩見きらとしてミニアルバム『あの日の続き』をリリース

――神宿の活動終了後は、ソロでタレントやアイドルとして活動していくビジョンを思い描いていたのでしょうか?

塩見 神宿の活動が終わったのは2023年4月なんですけど、終わると決まったのが結構急だったんですよね。プロデューサーから言われた時、めちゃめちゃ泣いたのを覚えています。細かい話をすると、私は株式会社神宿の正社員だったので、会社に残ってソロ活動を続けるというビジョンもあったんですけど、結局折り合わずに、この先どうしようかな?と思いながら1人で活動を続けていました。やっぱりアイドルが好きでしたし、夢に向かって一生懸命頑張る私に対して、応援してくださるファンがいるという構図が美しいし、幸せだなと思っていたので、アイドルを続けたいというよりも、アイドル以外何も考えられたかったというのが当時の心境でした。

――とてもリアルなお話ですね。そして、間もなくソロアイドル塩見きらとしてミニアルバム『あの日の続き』をリリースされますが、アルバム誕生の経緯など教えてください。

塩見 もともと昨年4月にリリース予定だったものが、今年の1月17日に変更になった経緯からお話しますね。実は、最初はAI で曲を作ってアルバムを出そうとしていたんです。去年の初めの頃は今ほどまだAIが発達していなくて、誰もが簡単にチャットGPTに相談するような時期でもなかったですし、AIってこれからどうなるんだろう?面白くなっていきそうだぞ…みたいなタイミングでした。そこで、私の好きな平成の“ザ・アイドル”な感じの曲や今の令和の可愛い感じの曲、聖子ちゃんみたいな昭和のアイドルソングみたいなものを全部AIで作って、塩見きらのアルバムとしてリリースするということを思い描いていました。実際に作っていたんですけど、ある程度完成したところで「何か違うな?」と私の中で思うようになってしまって…。過去にもソロで『トーキョー・コンティニュー』というアルバムをリリースしているんですけど、その時はゼロからイメージを考えて、全曲作詞もしていたので、果たしてAIで作った曲を届けることにファンは納得してくれるのかな?と思うようになりました。AIはとても便利なので私も色々な場面で活用していますけど、根っこの部分ではクリエイターだという気持ちが強いのか、最終的には受け入れられなかったのでお金もかけて進行していたんですけど、白紙に戻したという経緯がありました。

――なるほど。そんな紆余曲折を経て、『あの日の続き』に辿り着いたのですね?

塩見 2024年にソロとして「Math de Lovin’」と「完璧!!Dollちゃんッッ♡♡」という2曲をリリースしてはいたんですけど、その時はストーリー性を持って曲を作ったというよりも、とにかく曲を出さないとファンに飽きられると思い、焦って作った感じがあったので、今回は期待して待ってくれているファンの皆さんに対して、その先の塩見きらの姿を見せてあげたいという思いも込めて、しっかりと時間をかけてミニアルバムに仕上げました。ずっと乃木坂46みたいな曲が歌いたかったので、今回のミニアルバムは(乃木坂の楽曲を多く手がける)HOVERBOARDという音楽事務所に監修していただいています。

――アイドルとしての理想というか、夢に近付いた作品でもあるのですね?

塩見 神宿の時は「お控えなすって神宿でござる」など玉屋2060%さんワールド全開な楽曲が多かったんですけど、ソロ曲を出す時に初めて自我を出せると思って、HOVERBOARDさんにお願いして「Twenty」という曲を作っていただきました。そういう意味では、私の過去のルーツとも繋がっているアルバムにもなっていますし、楽曲の内容としても塩見きらがソロアイドルとして歌いたい曲がちゃんと詰まっているといった感じですね。

――本当に色々なタイプの楽曲が収録されているので、全曲深掘りしたいところなのですが、塩見さんのこだわりや思いが特に詰まった推し曲を1曲挙げるとしたら何でしょうか?

塩見 「カルペ・ディエム」ですかね。「その日を摘め」といった意味で、しっとりした曲で大好きなんですけど、きっとファンは「完全攻略」が好きなんだろうなと思っています(笑)。「カルペ・ディエム」の「書きかけてやめた 詩の続きを詠む」という歌詞がずっと心の中に残っていて…。神宿の最後の方は作詞も手がけていたんですけど、創作活動というよりも、求められていることを書かなきゃという感じだったので、どんどん作詞が嫌いになってしまっていたんです。ソロになってからも本当はもっと曲を出したかったんですけど、作詞ができなくなってしまった時期もあったので、この歌詞からは色々なことを思い出してしまいました。辛いこともたくさんありましたけど、懐かしい思い出もたくさんありますし、やっぱり神宿は青春だったなと思うので、昔からのファンが喜んでくれるような曲なんじゃないかなと思っています。