今の自分自身がすごく出ている「Twinkle Little Star」

――「ドレスコード」は1月21日に先行配信した曲です。

にしな これも「ドレスコード」という言葉が素敵だなと思ったのと、お別れを告げる時に、なるべく悲惨で悲しいという感じよりも、素敵な姿でいられるというのがエモーショナルだなと思って書きました。実際にはドレスコードのある場所って、人の結婚式くらいしか経験がないんですけどね。ほぼ想像の世界です(笑)。

――弾き語りから始まった曲の編曲は、どうやってアレンジャーを決めていくんですか。

にしな 曲の持つ世界観のイメージで決めています。アレンジャーの方がそれぞれ特色を持っているので、「この方だったら素敵にしてくれるんじゃないか」というのをスタッフさんとも意見を出し合って話して、お願いします。私は楽器の知識がそんなにないので、「この楽器でこの音を」というオーダーはできなくて。「こういう気持ちで書いた」「こういう世界観がある」というのをベースに伝えます。たとえば色とか湿度とかにおいとか、そういう感覚的なものを伝えることはできるんですけど、細かい指定はそんなにないです。

――「音になっていくよ」はいかがですか。

にしな 永澤和真さんと曲作りをするのは、これが3曲目で、「そろそろスタジオに入ってゼロから一緒に作ってみようか」という話になって作った曲です。お互いに聴いている曲を紹介し合って、最初にトラックを一緒に組んでいって、仮のメロディーをはめてみて、それを私が持ち帰って完成させました。打ち合わせの時に「空白の多い音楽をやりたい」という話が出て、浮遊感があって、サビでふわっと飛んでいけるようなところを目指しました。自分が音楽を作る過程、人とのコミュニケーションの中で生まれてくる音を楽しんでいきたいというような、ミュージシャンとしての日々を描いた歌詞になっています。

――「今日も今日とて remix」はPARKGOLFさんがリミックスを手掛けています。

にしな 最初はInstagramのキャンペーン用に書いた曲で、15秒に収めなきゃいけなくて。日常のわちゃわちゃを書こうと思って。学生をイメージしていたので、みんなの学校生活を想像しながら、自分自身を振り返った時に、先生に怒られたり、勉強を真面目にやったり、友達と恋愛の話をしたり、すごいとっちらかっていたなと思って。でもそれが楽しかったなと思って、そのわちゃわちゃを閉じ込めようという思いで書きました。そのまま収録しても良かったんですが、せっかくなら違う形にしたいなと思って、曲を伸ばして続編を作るという案もあったんですけど、個人的にはこれで完成していたので、それよりもリミックスをお願いしたいということで、PARKGOLFさんにお願いしました。PARKGOLFさんの作るものが大好きですし、過去に「U+」(ユーアンド)という曲を一緒に作って以来、仲良くさせてもらっていて、「今日も今日とて」のリミックスを聴いてみたかったんです。

――リミックスが届いた時の印象はいかがでしたか。

にしな PARKGOLFさんは人として鮮やかで軽やかで、平和の象徴みたいな雰囲気があるんですけど、それが音に反映されているというか、人が見える音だなと思って、大好きな1曲になりました。アルバムの中でもインパクトがあって、いい気分転換にもなって、いいポジションに置けたなと思います。

――「グローリー」はアルバムのリードトラックです。

にしな 聴く人によっては重めに感じるかもしれませんが、私的には日常の中でさらっと書いた曲で。対社会・対世界に向いているように見えるかもしれないんですけど、自分自身を考えながら書いた曲です。シンプルに、平和であったり、穏やかに、好きな人たちと幸せに生きられたらいいなという気持ちを歌っていて。きっとその気持ちは複雑な社会の中でも、あらゆる人が持っている気持ちなのかなと思って書きました。歌詞の言葉は重みがある分、アレンジのトオミヨウさんがいい角度で爽やかな風を吹かしてくれているなと思います。

――最後を飾る「Twinkle Little Star」はどのように作りましたか。

にしな アルバムを通して今の自分自身がすごく出ているなと思っていたので、アレンジをすることなく弾き語りでやりたいなと思いました。ずっと音楽を始めた頃からお世話になっている方にギターをお願いして、スタッフさんの木の響きが素敵な家で窓を開け放って、せーので録った音になっています。最初は歌詞も全然違っていて、もっと自分自身の内側だけに向いていたんですけど、「向きたいところはそっちじゃないな」と思って、外側に開けていきましたね。

――曲作りのタイミングは?

にしな タイアップがない限りは締め切りを気にすることはなく、気が向いた時ややりたいと思った時に作って、出していきます。ここまでに仕上げようと決めてからというよりは、パーツを積み上げていくみたいな。数年前からパーツがあった曲もありますし。

――パーツというのは、どんな状態なのでしょうか。

にしな 完成した状態で数年寝かせるというのはないんですけど、ほぼ完成しているけどできていない、みたいなものが何年も経ってやっと完成するというのがあります。言い訳かもしれませんが、「何か違う」「今考えても全然出てこない」と思っていた曲が、ある日何かのきっかけで、ピースがはまる時があるんです。パーツの時は虫食い状態だったり、Aメロだけできていたり、そういう状態で取っておいて、パズルみたいに組み合わせていくんです。