カメラがつないだ藤井流星と七五三掛龍也との縁
――3月14日に最終回を迎えた『ぜんぶ、あなたのためだから』(テレビ朝日系)と放送中の『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』(読売テレビ系)では、俳優として出演する一方で、フォトグラファーとしての役割も担ったそうですね。
古屋 『ぜんぶ、あなたのためだから』では、カメラマンの桜庭蒼玉役を演じたしめちゃん(七五三掛龍也)の所作指導をしました。劇中に出てくる結婚式のシーンは、自分の俳優としての出番の4時間くらい前に入って、劇中で結婚する藤井流星くんと井桁弘恵さんの写真を撮影しました。あと、しめちゃんのアトリエにあるインテリアは僕がコーディネートしています。初めて経験する空間デザインでした。

――どういう経緯で空間デザインを担当されたのでしょうか。
古屋 プロデューサーさんが僕のインスタを見て、「呂敏の部屋の雰囲気が好き」と言ってくださって。僕はミニマリストで、なるべく物を置かずに統一感を大切にしているんですが、「そのテイストで桜庭の部屋を作ってほしい」というオーダーでした。美術さんもいらっしゃる中で、生意気にもいろいろ指示をさせていただきましたが、それも監督やプロデューサーさんとの信頼関係があるからこそできたことです。もともと家具やインテリアが好きで、日頃からアンテナを張っているのですが、それを自分が出演するドラマで活用できたのは新鮮でした。カメラマンさんが撮りやすい配置の仕方なども考える作業が楽しかったですね。海外のドラマを見ると、衣装やインテリアにこだわっていて、若い世代の知識も織り交ぜながら、今っぽさをふんだんに取り入れるんですが、日本のドラマでそこを凝っている作品は少なくて。インテリアをこだわれる現場に携われるのはありがたいことでした。
――七五三掛さんの印象はいかがでしたか。
古屋 とてもストイックな方です。僕がカメラ指導で現場にいる時は、毎回カットが終わるたびに、目で「これ大丈夫でしたか?」と確認してくださるんです。カメラマン役に入り込んで、よりリアリティを出そうという姿勢がひしひしと伝わってきて、自分が伝えられることは全部伝えてあげたいという気持ちになりました。
――具体的に、どんなことを指導したのでしょうか。
古屋 僕ら役者って「どう見られているか」をすごく意識するじゃないですか。でも、いい写真を撮っている時は、被写体に集中するから、その意識がなくなるんです。だから、しめちゃんには「ファインダーから見える景色に気持ちを持っていって動くと、自然とカメラマンらしく見えるよ」とお伝えしました。
――藤井さんともカメラの話で盛り上がったそうですね。
古屋 気さくな性格で、一緒にいるとカメラの話ばかりしていました。流星くんが本格的なカメラ一式を揃えたいということで、先日もプライベートで一緒に家電量販店に行きました。ちゃんと写真の勉強をしたいという気持ちを持ってくれていたので、それに応えたいと思って、最新機種を一緒に選んだんです。僕はテザー撮影ができるようにプロ仕様のケーブルをプレゼントしました。僕のアトリエで撮影のレクチャーをするという約束もしているので、いずれ一緒にものづくりできたらうれしいですね。

――『親友の「同棲して」に「うん」て言うまで』では、写真館で働く中乃航を演じる雨宮翔さんにカメラ指導をしたそうですね。
古屋 手の位置やレンズの持ち方など基本的なことはもちろん、フィルムカメラを使うシーンもあって。デジタルカメラと違って、丁寧にゆっくりとシャッターを押す必要があるとお伝えしました。フィルムカメラに慣れていないと、ついついシャッターをすぐに押そうとするんですよね。
――カメラ指導に加えて、KV(キービジュアル)の撮影も担当したそうですね。
古屋 ドラマのKVを出演俳優が撮影するのは、もしかしたら初めてかもしれないですよね。KVはドラマの顔で、放映中ずっと使われるものですから、それを自分が撮れたというのはうれしかったです。
――どういうテーマでKVを撮影したのでしょうか。
古屋 原作コミックの世界観を見ると、“青”がキーワードだったので、海や空の色味をふんだんに使おうと考えました。ラブコメですが、大前提として主人公の二人は親友なので、恋愛だけでなく、友達としての関係性も表現したいというオーダーでした。ロケハンから参加して、いろいろなロケーションで、かなりの量を撮影したんですが、撮った瞬間から「あ、これだ」という1枚があって、それがKVになりました。
――古屋さんはニコンのフォトライフスタイルWEBメディア「NICO STOP」が制作した初のオリジナルドラマ『ひかりと、まばたき。』で主演を務めています。
古屋 ニコンさんは3年前に「Zf」という機種のビジュアルイメージモデルを務めさせていただいてから、トークショーに呼んでいただいたり、連載記事も書かせてもらったりと色々とお声がけいただいています。その前から、ニコンのフィルムカメラで「FM2」という名機を愛用しているんです。自分の「好き」が伝わったご縁だと思っています。
