同じ年の秋葉恋監督は少年のような純粋な心がある

――本作は秋葉監督自身が歌舞伎町で過ごした経験をもとに執筆した完全オリジナル脚本ですが、2001年生まれと、お二人と同じ年齢なんですよね。

寺本 誰よりも少年でした(笑)。

池田 少年のような純粋な心があるからこそ、高校生たちの無邪気さが脚本に宿っているんだなと思いました。

――秋葉監督の演出はいかがでしたか。

寺本 作品について一番理解しているし、もともと当事者でもあるので、その上での質問をすることはありましたが、撮影前からリハーサルをかなり重ねていたので、撮影が始まってからは、具体的に何かを言われることはなかったです。あと「OK!」ってずっと笑っているイメージ。

池田 キャストも含めてみんなで作っていこうというまとまりがあったから、秋葉監督が全てを背負わなきゃいけないという空気が現場になかったんですよね。

――歌舞伎町での撮影は臨場感にあふれていました。

池田 一発撮りが多かったんですよね。

寺本 走るルートや、ここでこう動いてほしいという指示はありましたけど、それを全て説明するには時間がかかってしまうので、確認だけして一発本番みたいな。

池田 生の表情と動きが大切なので、そこで起こる問題も作品の良さにつながるという考え方だったので、一発撮りが一番でした。最初に映り込んでしまう可能性のある方々にはスタッフさんが同意書をお渡ししたんですが、みなさん快く応じてくださりました。

寺本 できるだけ人が少ない深夜を選んで撮影していましたが、歌舞伎町は人が絶える時間がなくて。私たちが走り抜けていく100メートル先の人たちは「女子高生と赤い髪の女の子が何をしているんだ?」と戸惑ったと思います(笑)。

――お二人は本作が初共演だったんですよね。

池田 初めましてでした。飛鳥と日和の関係性的にコミュニケーションが必要な役柄だから、事前に話し合うのかなと思っていたんですが、ちょっと段取りをやっただけで、「大丈夫そう」という感覚があって。「まずは一回ぶつけてみよう」と二人でやってみたら、「お互いそうするよね」となって、打ち合わせがほとんど必要なかったです。

寺本 「ここで、こう来る!?」みたいな違和感もなかったよね。

池田 なかった!秋葉監督も私たちの反応を見て、「そう言うと思ってた」と言っていましたし、みんなが同じ方向を向いていました。

――共演してみて、お互いの印象はいかがでしたか。

池田 真逆だなって思いました。私はくよくよ、うじうじ悩むタイプですが、莉緒ちゃんは悩みがないので、自分が情けなくなりました(笑)。

寺本 悩み過ぎと、悩まな過ぎみたいなイメージかも(笑)。

池田 日和は悩んで悩んで、「ここにいなければいけない」「ここで、こういう行動をしたら、誰かに迷惑がかかってしまう」と余計に考え過ぎて歌舞伎町から出られない。逆に飛鳥は何も考えていないから、「歌舞伎町から出たほうがいいじゃん、ここにいる意味ないよ」と引っ張ってくれる。飛鳥の言葉を、素の莉緒ちゃんが言ってくれている気がしました。お互いに正反対だからこそ、引っ張り合わずに、うまく機能したのかもしれないです。

――普段の池田さんからも、悩んでいるのが伝わってきたんですか。

寺本 伝わりますよ!控室の隅っこでうずくまって考え込んでいるんですから(笑)。

池田 そんな状態だったんだ(笑)。

寺本 思わず「どうしちゃったの?」って声をかけたくなりました。それが朱那ちゃんの良さでもあるので、あまり深入りもせずに、そっとしておきました。

池田 私が不安になって「大丈夫?」って聞くと、莉緒ちゃんが「大丈夫、大丈夫!」って言ってくれるので心強かったです。