運と出会いに恵まれて今日まで続けてこられた

――ここからはキャリアについてお伺いします。俳優になったきっかけを教えてください。

橋本 高校卒業後の進路を考えた時に、当時は本当にやりたいことがなくて。このまま大学に行くのもなあと思いながら、いろいろ考えていて。昔からテレビっ子で、めちゃくちゃエンタメが好きで、せっかくならそこに携わりたいという思いから、東京アナウンス学院演技科に進んだんです。

――1月に映画『DOPPEL』の完成披露上映会を、東京アナウンス学院の「TAG TAG theater」で開催して、舞台挨拶に橋本さんも登壇されたんですよね。

橋本 そうです。ただ入学する時に「役者になりたい」という明確な動機があったわけじゃなくて、夢を探したくて踏み込んだという感じで。今思うと、「そんな理由で来るな」って怒られそうな気もするんですけど(笑)。専門学校で舞台の鑑賞をさせていただく機会が結構あって、初めて舞台というものに触れて、「これはすごい」という衝撃が走って、役者になりたいと思いました。

――舞台のどこに惹かれたのでしょうか。

橋本 華やかさと、お客さんがのめり込む瞬間ですね。劇場の空気感ごと引き込まれるような、「この人たちは舞台の上でこんなにも命を削りながら輝いているんだ」と吸い込まれるような感覚があって。役者という多くの人の心を動かせる職業があるんだ、僕もあちら側に行きたいという気持ちが湧き上がってきました。

――学校ではどんな授業があったのでしょうか。

橋本 お芝居、殺陣、踊りなど、いろんな授業がありました。ありがたいことに、在学中に舞台のお手伝いとして作品に参加させていただく機会があって、その現場で今の事務所のマネージャーさんにお声がけいただいたんです。本当にラッキーだったんですが、在学中に所属することができて。学校の授業と並行しながらオーディションを受けて、舞台にも出ていました。

――順風満帆なスタートですね。卒業後、役者という仕事に対しての、意識の変化はありましたか。

橋本 在学中はお仕事が途絶えても、授業があるので忙しく過ごしていたのですが、卒業して、お芝居一本でやっていくとなった時に、大きく意識が変わりました。もちろん初舞台を経験した時点でプロではあるんですが、学生という肩書きがなくなった分、役者として頑張っていかなきゃいけないという責任感と恐怖感のようなものがありました。20代前半の頃はアルバイトをしながら舞台もやってという時期もありましたが、運と出会いに恵まれて今日まで続けてこられているという実感が今でもあります。

――今でも不安はありますか?

橋本 もちろんあります。明日どうなるか分からない世界ですからね。石橋を何度も叩いて渡るというか(笑)。慎重に進んでいる感覚は常にありますし、それは一生続くのかもしれません。

Information

『DOPPEL』
2026年4月17日(金)~23日(木)1週間限定上映

出演:森崎大祐 橋本祥平 日野友輔 長谷川太郎 / 浅沼晋太郎
監督:谷健二
脚本:長谷川太郎
©映画『DOPPEL』製作委員会

劇団百夜。カルト的な人気があったが、漫画原作の舞台で人気が出たこともあり、ファンに合わせた内容にシフトチェンジ。新人俳優の昇(森崎大祐)は、今の作風では自分の演技が磨かれなくなっていることに不満と不安を抱いている。そこに、劇団の看板俳優の宮林(橋本祥平)の手助けもあり、「かつてのような尖った芝居がしたい」と主宰の寺田(浅沼晋太郎)へ訴えたことで次回公演の主演に抜擢される。<感情のない殺人鬼>。それが昇に与えられた役だった。稽古での寺田の要求が日に日に厳しさを増していく中、過剰に役作りをしていく昇。次第に「演じたい」という感情を捨てきれない自分への怒りを抱いてしまう。物語は、役作りに没頭する昇をはじめ、主宰の寺田、先輩俳優の宮林、さらには元劇団員の外立に演劇ライターの藤巻(長谷川太郎)など演劇関係者を中心にまわる。 どこまでが自分で、どこからが役なのか……。

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映画『DOPPEL』3日間連続舞台挨拶
4月21日(火):森崎大祐、橋本祥平、谷健二(監督)
4月22日(水):森崎大祐、日野友輔、谷健二(監督)
4月23日(木):森崎大祐、谷健二(監督)

https://cinemart.cineticket.jp/theater/shinjuku/early_schedule

橋本祥平

1993年12月31日生まれ。神奈川県出身。『ミュージカル封神演義-目覚めの刻-』、舞台『機動戦士ガンダム 00 -破壊による再生-』、『巌窟王 Le theatre』、「KING OF PRISM -Shiny Rose Stars-」といった作品で主演を務めたほか、ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ、舞台『文豪ストレイドッグス』、『幽☆遊☆白書』、『舞台版PSYCHO-PASS サイコパス Chapter1―犯罪係数―』など多数出演。2022年、映画『文豪ストレイドッグス BEAST』で主演を務める。アニメ/劇場版『王室教師ハイネ』、超次元革命アニメ『Dimensionハイスクール』では声優を務めており、幅広い活動を続けている。

PHOTOGRAPHER:HIROKAZU NISHIMURA,INTERVIEWER:TAKAHIRO IGUCHI