初めて挑戦したショートドラマで新境地

――今回のショートドラマ『Scooper』への出演について、どのようなお気持ちで臨まれましたか?

阿部顕嵐(以下、阿部) 僕にとってショートドラマは初めての挑戦だったんですが、常に新しいことに挑戦していくことは大事だと思っているので、好奇心を持ちながらやらせていただきました。

――通常のドラマとの違いを感じた点はありましたか?

阿部 一つひとつのシーンは短いんですが、全体で観ると話は繋がっているので、特に大きな違いはなく、細かく切られているからこそ、視聴者の人に「次を見たい」と思ってもらえるようにしないといけないなと。脚本がそういった作りになっているので、演じる側としては、そこを特に意識しました。

――物語の舞台は週刊誌で、芸能人の不倫報道そのものを巧みに作り出す集団「Scooper」と、週刊誌の芸能部に配属された一人の新入社員が暗躍する姿が描かれています。身近な題材ではありますよね。

阿部 撮る側になりました(笑)。まさか自分が週刊誌側を演じるとは思いもしなかったのですが面白い人生だなと思いました。

――阿部さんが演じた新入社員、佐藤翔太はどのように捉えていましたか?

阿部 嘘と誠が入り混じる世界に揉まれながらも精一杯生きる役です。想いとしては自分の信念を貫く姿に自分を重ねながら演じさせていただきました。真面目な人が社会に揉まれて、その道にだんだんはまっていくというのは、どの世界でもあることだと思うので、違和感がなかったですね。Scooperと組んで佐藤のやっていることは悪に見えるかもしれませんが、自分の中では正義を通しているんですよね。だから一般的に見たら悪者に見えないような、クリーンで真面目な青年が入ってきたような雰囲気を意識しました。いろんな色があるパレットの上に白が入ってきたみたいなイメージです。

――撮影期間は?

阿部 10日間弱です。ギュッと凝縮して皆さんと一緒に作品に集中できるというのは楽しかったですし、ありがたい機会でしたね。すごく撮影もテンポが良かったです。

――澤田育子監督の演出はいかがでしたか?

阿部 澤田さんとは去年、「スメルズ ライク グリーン スピリット」(MBS)というドラマを一緒にやらせていただいたので、僕としては信頼感があります。現場でセリフが追加されたり、動きが変わったりすることが多かったので、柔軟に対応することを心がけていました。澤田さんから提案していただくことが多かったのですが、なるべく台本を超えるように意識しました。

――現場の雰囲気はいかがしたか?

阿部 みなさん面白い人たちで、話好きの方が多くて、笑いが絶えない平和な現場でした。Scooperのメンバーである、和田(崇太郎)さん、(石川)恋ちゃん、(平井)亜門くんとは本当にチームのような関係性で、みんなで待ち時間に話すことが多かったですね。あと加治(将樹)さんは以前から知っているということもあって、現場ではっちゃけているのが楽しかったです。加治さんは休憩中だと意外と静かな方なんですが、話しかけたら120%で応えてくれます。

――完成した作品をご覧になった感想はいかがですか?

阿部 完成した映像を送っていただいたタイミングが、他の作品のクランクイン前日だったんです。明日から撮影だし、半分だけでも見ようと思ったんですが、一気見しちゃいました。睡眠時間が削られてしまったのですが、それくらい面白かったです。

――普段ショートドラマをご覧になることはありますか?

阿部 ほぼ見ないですね。そもそも携帯をあまり見ないんです。ショートドラマってどう見ればいいのか分からなかったんですが、今回出演させていただいたので、これを機に触れてみたいなと思います。

――意識的に携帯を見ないようにしているんですか。

阿部 そうです。あまり携帯に時間を費やしたくないというのがあって、最近は寝室にも持ち込まないようにしています。慣れると全く気にならないですし、そっちのほうが精神的にも楽です。