身近なところでも続編が決まったときの反響が大きかった

――前作の『きさらぎ駅』は恒松さんにとって映画初主演でしたが、ものすごい反響だったのではないでしょうか。

恒松祐里(以下、恒松) 口コミで広がるってこういうことなんだと実感した作品でした。公開中は日増しに口コミやレビューが増えて、配信後もNetflixのランキング1位になって、驚きもありつつ、すごくうれしかったです。

――なぜ、ここまで評価されたと思いますか。

恒松 私が演じた、人を殴らなそうな春奈が敵を倒したりするところですかね(笑)。そこは永江二朗監督の作戦通りです。監督は「ホラーは面白さと怖さの緩急が大切」とも仰っていたんですが、それを体現している映画だったのでウケたのかなと思います。『きさらぎ駅 Re:』の予告編が公開されたときも、「相変わらず春奈が石でおじさんを殴っていて安心する」みたいな感想がつぶやかれていました(笑)。

――続編が決まったときの周囲の反応はいかがでしたか?

恒松 事務所の偉い人から、「『きさらぎ駅』の続編をやるんでしょ? 楽しみだね」と言われて、まず『きさらぎ駅』を観ていただいていることにビックリでした。あと3作品連続で、それぞれ違う現場だったのにメイクさんなどから、「続編決まったんだね。また恒松ちゃんも出るよね?」と言っていただきました。

――続編のお話はどのように聞いたんですか。

恒松 去年のことなんですが、マネージャーさんから「嘘みたいな話なんだけど、『きさらぎ駅』の続編をやるって」と言われて、二人で笑いながら、「うれしいですね。楽しみすぎますね」と言い合いました。前作のときに冗談で「これは続編できますよね」と言っていたんですが、まさか本当にやるとは思わなくて。スタッフさんたちも、私と同じ気持ちだったと思うんですが、春奈の衣装も返却していたんです。前作から2年が経っているので、もうメーカーにも同じ服がなくて。それでスタッフさんが探したら、ネットで見つけてくれたらしくて(笑)。

――前作との繋がりもあるので、同じ服じゃないとストーリーも変わってきますしね。

恒松 見つからなかったら、一から同じ洋服を作っていたかもしれないですね。

――初めて『きさらぎ駅 Re:』の脚本を読んだときは、どう感じましたか。

恒松 前作とは違う角度から「きさらぎ駅」という題材で最高級に遊んでいて、よりエンタメしているなと感じました。それがすごく面白くて、撮影が楽しみでしたし、何なら一ファンとして早く作品を観たいという気持ちでした。私自身、同じシーンが繰り返す作品が大好きで、そういう海外ドラマをよく観るんです。『ハリー・ポッター』シリーズにもハーマイオニーが逆転時計(タイムターナー)を使う回がありますよね。繰り返して、どんどん状況が変わっていくお話が好きなので、脚本を読むだけでも情景が浮かんできました。

――撮影は脚本に忠実だったんですか。

恒松 冒頭のパートは脚本通りで、そのシーンは私の出番がないんですが、きさらぎ駅のところは私たち演者のアイディアが幾つも取り入れられています。