「幽霊まぼろし」は疾走感溢れるサウンドに怖さや焦りを表現した1曲

−−7/2リリースシングル「幽霊まぼろし」についてお伺いします。作品のテーマやコンセプトを教えてください。

浦小雪(以下、浦) Sundae May Club(以下、サンデメ)を好きになってくれた人なら絶対に刺さる1曲で、サンデメらしい疾走感を感じる爽やかな楽曲です。ギターのバッキングで鋭さや怖さ、爽やかさを表現していて、ロックど真ん中の表現です。歌詞は、「小さい頃にどんなことを考えていたかな?」ということを軸に、漠然とした恐怖が今の自分を形作っていると思っていて、過去の記憶と今の自分がぶつかるような世界観を歌っています。

−−「幽霊まぼろし」は爽やかなロックチューンを感じますが、「怖さ」を具体的にどのように表現したのでしょうか?

浦 ギターとドラムを鋭く強く演奏することで「怖さ」や「焦り」を表現しています。例えるなら「死」に一直線に向かって生き急いでいるようなイメージです。死を意識することで、生きていることを強く実感できると思っていて、死への恐怖や生き急ぐ焦りを制作過程で磨いていくことで、どんどん鋭く強くなっていきました。

−−制作時のグループ内の役割を教えてください。

浦 ドラム・ベース・ギターの土台は私が作って、リードギターのフレーズをギターのみやはらが作りました。みんなで悩みながらフレーズを作っていたので、衝突などもありながらも、最終的には凄くかっこいい楽曲になりました。私とみやはらは音楽のルーツが異なるので、いい具合に混ざり合うことによって、よりサンデメらしいサウンドになっていると思います。

−−浦さん、みやはらさんの音楽のルーツを教えてください。

浦 共通している部分も多いのですが、軸の部分が異なっていて。私は洋楽が好きで、カーペンターズなどがルーツなのですが、みやはらは9mm parabellum bullet などの激しめの邦ロックやギターインスト曲がルーツです。私が土台を作ってみやはらに渡すことが多いのですが、予想とは全然違うものを出してくれるので、「こういうやり方あるんだ!」といつも驚かされています。

−−衝突もあったという「幽霊まぼろし」の制作ですが、エピソードはありますか?

浦 私は感覚で伝えることが多くて、なかなかうまく意図が共有できなくて。最初に伝えた要望とは最終的に違うものになりましたが、想像以上にいいサウンドになりました。間奏のフレーズがかっこいいので、注目して聴いて欲しいです。ドラムは、私が打ち込んだ音を、ドラムのヒロトがドラムで叩きやすいようにアレンジをしてくれています。

−−「幽霊まぼろし」のMVについて教えてください。

浦 福島県の火山で撮影しました。撮影は5月だったのですが、まだ雪が積もっていて、かなり寒かったです。「ドア」がMVのポイントになっているのですが、寒い中、みんなで重いドアを動かしたり過酷な撮影でしたが、貴重な経験で楽しかったです。

−−ドアにはどのような意味があるのでしょうか。

浦 違う世界とつながる扉のイメージで使われていて、曲のテーマが「死」なので、一番知らないものとつながるというイメージになっています。

−−「幽霊まぼろし」のライブでの見所を教えてください。

浦 疾走感を感じてもらいつつ、サンデメ3人のそれぞれの表情も注目してほしいです。お客さん全員の顔を見ながら、1人1人に向けて歌っているので、一対一の感覚で楽しんでもらえたら嬉しいです。