初共演したドラマ「ナンバMG5」は常に良い空気が流れている現場だった
――お二人は同じ事務所に所属していますが、過去にも共演経験があるんですよね。
間宮祥太朗(以下、間宮) 2022年に主演させていただいたドラマ「ナンバMG5」(フジテレビ)で兄妹役として初共演しました。
――共演してみて、お互いにどんな印象でしたか?
間宮 たくさんの表情と声色があって、シチュエーションに合わせてコロコロと変わるという印象が強かったです。
原菜乃華(以下、原) お兄ちゃんという役柄そのままで頼りがいがありました。キャストさんもスタッフさんもすごく仲が良かったんですが、常に輪の中心に間宮さんがいらっしゃって、すごく楽しかったです。あまりにも仲が良かったので、ここから離れたくないと感じた現場でした。
間宮 強い繋がりができて、常に良い空気が流れる現場でしたね。ちょっと異様なぐらいかもしれません(笑)。いろんな要因があったと思いますが、僕たちが演じた難破一家のキャストが特に濃くて、その雰囲気が他のキャストやスタッフさんにも伝わっていったのではないかなと思います。
原 当時は私がそこまでドラマに出演していなかったので、皆さんに馴染めるのかと不安を抱きながら現場に入ったんですが、初日から楽しくてしょうがなくて、明るい皆さんに引っ張ってもらいました。撮影中はアドリブ合戦みたいなところがあって、私も負けないようについていかなきゃという気持ちもあって充実した毎日で、自由にお芝居をして、それを面白がってもらえる現場というのは貴重な経験でした。このドラマをきっかけに多くの方に原菜乃華を知ってもらえましたし、声をかけていただく機会も増えて、感謝しています。
――『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』の原作である『不思議の国のアリス』には、どんな印象をお持ちでしたか。
原 家に『不思議の国のアリス』を和訳した絵本があって、絵が飛び出す仕掛けのある面白い本で、小さい頃から大好きでした。海外独特の色使いがファンシーだったんですが、可愛いだけじゃなくて、ちょっと毒々しい色合いも魅力的でした。ストーリーも「何を食べたらこんなことを思いつくんだろう」というぐらい展開が読めなくて。優しいと思っていたキャラクターが実は怖かったり、奇想天外で辻褄が合わなかったり、夢の中の世界が描かれていて子ども心にも楽しかったです。アニメ版の『ふしぎの国のアリス』(51)も、ディズニーのアニメの中で上位に入るぐらい好きでした。
間宮 僕はアニメを観たことがある程度でそれほど詳しくはないんですが、作品のA面としてメルヘンな部分が前面に出てくるのとは対照的に、B面の部分はサイケデリックでトリップするような作品という印象がありました。
――今回の『不思議の国でアリスと -Dive in Wonderland-』は、現代の日本を生きる女子大生の安曇野りせが、不思議の国の世界に迷い込むという大胆な脚色がなされていますが、脚本を読まれたときの感想はいかがでしたか?
原 まずアリスじゃなくて、りせが主人公なのに驚きました。私自身、りせと根っこの部分が似ているなと思ったんですが、きっと多くの方にとっても「自分に似ているな」と思ってもらえるキャラクターだと思います。特にりせと同年代や就活中の人は、横並びでいることの安心感や、周りに合わせなきゃいけないという、りせの気持ちは共感できるはずです。りせがいるからこそ、ファンタジーな物語も真っ直ぐ伝わってくるなと感じました。
間宮 現代を生きる人たちが日常生活で抱えている悩みや問題に、『不思議の国のアリス』という名作をリンクさせることによって、りせの葛藤や自分と向き合うことの大切さが浮かび上がるユニークな脚本だなと感じました。