各地でいろんなストーリーを作ってくれた、実りのあるツアー

――今年5月から開催した全国16ヶ所17公演を巡るツアー「“BACK TO AGF” TOUR 2025」が、7月27日の川崎 CLUB CITTA’公演でファイナルを迎えました。

Novel Core 今回のツアーは、いろんな面で感謝や感動が多かったです。Kアリーナ横浜での大きな公演が終わった直後のツアーで正直、券売も含めて難しいものだと思っていたんです。遠征してくれたOUTER(ファンの呼称)もいただろうし、そこにみんながついてきてくれたのがうれしくて。また初めて行く地域が12ヶ所もあって、そういう不安もあった中で想像以上のリアクションをもらえました。動員の部分も、実際の盛り上がりの部分も良かったし、各地でいろんなストーリーを、ライブ中も、ライブ以外の時間でも作ってくれて、実りのあるツアーになりました。

――地域によって盛り上がり方は違いましたか?

Novel Core 全然違いました。初日が札幌だったんですが、初めての全国ツアー「A GREAT FOOL TOUR 2022」のときも、初日が札幌 PENNY LANE24だったんです。当時はコロナ禍の影響が残っていた時期だったので、座席があって、マスクをして、声も出せない中での開催でした。今回はオールスタンディングでフルキャパがほぼソールドアウトして、後ろまでパンパン、約500人のOUTERと一緒にやらせてもらったんです。1発目でステージに出て行った瞬間の、みんなからの歓声のデカさや跳ね返りが大き過ぎて、スタートでこれを見せてもらえるんだと感動しました。そこから始まって、各地に行かせてもらいましたが、たとえば初めて行くところで、シャイな地域かと思っていたら、逆に爆発力を持っているという意外性もありました。

――どこの地域でしょうか。

Novel Core 松山と高松です。事前にイベンターさんから「四国はシャイな人たちが多い」と聞いていたんですよね。松山は確かに最初はシャイな反応だったので、僕がフロアに降りたりしながら、徐々にみんなをほぐしていって、最終的にはめっちゃ盛り上がるみたいな。もちろん始まる前から超テンションは高かったと思うんですが、どう伝えたらいいのか分からない様子で、僕が「何をやってもいいんだよ!」と言った瞬間に弾けたんです。

その次の日が高松だったんですが、四国2連チャンということで、「今日も松山のように行こう」と考えていたら、高松は初っ端からパワーがすごくて。今回のツアーをトータルで見ても、声の大きさは高松が一番出ていたんじゃないかというぐらい勢いがありました。同じ四国でも、ちょっと距離が離れただけで全然違うんですよね。今回のツアーは他にも2連チャンがあって、「一日目が良かったから、二日目も来ました」という子も多くて、OUTERがツアーを育ててくれたところもありました。

――ツアー中、SNSでもライブの楽しみ方について発信されていましたよね。

Novel Core 「こういうライブにしていくぞ!」と目指している絵が明確に決まってからのツアーだったので、去年のツアー以上にフォーカスがしっかりしていました。

――どのようなテーマだったのでしょうか。

Novel Core 「遠慮のないフロアを作る。ただ、思いやらないとそれは絶対できないから、思いやり合うけど、決して遠慮しない」というスタンスとテーマをチームで掲げて。そのためにはスタンディングのライブや、ライブハウスのカルチャーに対して理解をしてもらわないといけないし、僕たちも慣れてない子たちに対してできるエデュケーションやアナウンスを徹底していかないといけない。各公演の間もInstagramやXでずっと発信していたんですが、途中ぐらいから僕の発信はもちろん、OUTERの中で僕が発信した情報をまとめてブログにしてくれる子もいて。ファン同士で高め合うみたいなムードが、ツアー中に出来上がっていた感覚がありました。そこもうれしかったし、実際にフロアの雰囲気もどんどん良くなって。ツアー期間の約3カ月で、ここまで変わるのは想定外で、僕もスタッフチームもビックリしました。

――DJセットに馴染みのないOUTERも多かったのではないでしょうか。

Novel Core 定期的にDJとバンドそれぞれやらせてもらってはいましたが、中にはバンドを見たことない子たちもいただろうし、DJを見たことない子もいて、いろいろ混ざっていたと思うんです。そんな中で僕がDJセットで意識していたのは、最終的にTHE WILL RABBITSと合流して、僕なりのミクスチャーサウンドによる生バンドでの演奏込みのライブを最終的にパッケージしなければいけない。そのためにはDJセットでバンドがいるぐらいの破壊力をライブで作らないと、THE WILL RABBITSと合流できないなというのがあったんです。それまでにバンドでのライブにも耐えうるぐらいのフロアの状況や熱さを培わなきゃいけなくて、DJセットだけど、煽り方やOUTERとのコミュニケーションの密度は強く意識しながらやっていました。なので良い意味でDJセット感を感じさせずにやれていたのかなと思います。

――公演によって、セットリストは変えたのでしょうか?

Novel Core DJセットはフルで変えずに、ずっと同じセットリストで走りました。当初、バンドセットはDJセットと全く違うセットリストにしようと思っていたんですが、DJセットで走っていく中で、すごく内容が良くなっているし、バンドが入ってもなお、このセットが中心になっていると、そこまで一緒に走ってきた子たちも含めて、乗っかりやすいんじゃないかなと。せっかく作った雰囲気をバンドでガラッと変えちゃうのも、逆にもったいないなと思ったんです。だから大まかな軸はDJセットのセットリストにしつつ、バンドでの新曲を突っ込んだり、これはバンドでやる必要がある曲だからやりたいとDJセットで入っていなかった「HERO」を差し込んだり。「シーケンスでやるから意味があるよね」とか「バンドでやるには、この曲を外してもいいかもね」みたいに足し引きしてセットリストを調整しました。

――バンドセットでも同じ流れのセットリストを踏襲した一番の理由は何でしょうか?

Novel Core みんなのレスポンスですね。今までは声を出してなかったパートや、合いの手が入ってなかったパート、そういうところにみんなが隙間を見つけて、徐々に自発的に声を出すようになって。「ここって、今までこんなに声出てたっけ?」みたいなところがどんどん出てきて、曲が育っていってる感じがあったんです。これにバンドが入ると、そこに原曲にはない生の演奏のグルーヴ感や、僕たちの遊びも加わって、相乗効果でもっと面白いことになるんじゃないかという読みがあって、そういう形にさせてもらいました。